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贅を極めた超高級EV ロールス・ロイス・スペクター 世界初公開の2ドア・クーペ

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贅を極めた超高級EV ロールス・ロイス・スペクター 世界初公開の2ドア・クーペ

ブランド初のEV、ついに登場

英国の高級車ブランド、ロールス・ロイスは、同社初のEV「スペクター(Spectre)」を公開した。2023年に発売される予定で、新しいブランドデザインと高度なテクノロジーの導入が期待される。

【画像】ロールス・ロイス初の電動2ドア・クーペ【新型スペクターをドーンやレイス、ファントム・クーペと写真で比較】 全79枚

新型スペクターは、ロールス・ロイス独自のアルミニウム製プラットフォーム「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を採用しているため、親会社BMWとは直接の関連を持たない。

英ウエスト・サセックス州に本社を置くロールス・ロイスは、2030年から従来のエンジンを廃止し、EVのみを販売する計画である。同社CEOのトルステン・ミュラー・エトヴェシュは、この点において、スペクターの重要性は1906年のシルバーゴーストと同じくらいであるとAUTOCARに語っている。

今年販売を終了したドーンとレイスの後を継ぐ2ドア・クーペで、価格は未定だが、およそ27万5000ポンド(約4600万円)からと予想される。

パワートレイン

2011年、ファントムVIIをベースにしたEVプロトタイプ「102EX」が披露された。それから実に11年、新型スペクターは性能と実用性の面で大きな飛躍を遂げている。

ロールス・ロイスは、2023年第2四半期のテスト終了後に性能の詳細を明らかにする予定だが、最大195kWでの充電が可能な120kWhバッテリーを搭載し、102EXをはるかに上回る520kmの航続距離が見込まれる。

最高出力585ps、最大トルク91.8kg-mを発揮。0-100km/h加速は4.5秒台とされている。

スペクターは、2016年に発売された2ドアのファントム・クーペの精神的後継車とされているが、既存のエンジン車を電動化して作り直したものではなく、一から開発されたまったく新しいモデルとなる。

ミュラー・エトヴェシュCEOはこう語る。「ゴーストを改造するのは簡単でしたが、そのつもりはありませんでした。わたし達は、妥協した改造車ではなく、最初から電動ロールス・ロイスとして設計された、本物の電動ロールス・ロイスを作りたかったのです」

デザイン

根本的な構造の違いや、市場初の「超高級スーパークーペ」という触れ込みにもかかわらず、照明付きの巨大なクロームグリル(同社で最も広いグリル)からリアヒンジドア、スリムなLEDヘッドライト、堂々としたキャブバックのシルエットまで、明らかにロールス・ロイスとわかるスタイリングである。

しかし、電動パワートレインの採用により、空力性能を重視する必要があったため、フロントエンドはやや丸みを帯び、リアはボートスタイルになっている。ロールス・ロイスによると、空気抵抗係数を示すCd値はテスラ・モデルXと同じ0.25であるという。

1911年以来ブランドのマスコットとなっているスピリット・オブ・エクスタシーは、ボンネット前縁の気流への影響を最小限に抑えるために、わずかにデザインが変更された。

また、ボディはシルに沿って内側にカーブし、路面を反射してレーシングヨットの船体のような「単純ではない動きの感覚」を与えつつ、フロントエンドに向かってスイープすることで加速する船のような印象を作り出しているという。

「EVを作るにあたり、真にエモーショナルなクルマを目指したいと思いました。そのため、ファストバック・クーペにしたのです」と、ミュラー・エトヴェシュCEOは語っている。

シャシー

スペクターは2975kgと、ロールス・ロイスの中で最も重いモデルである。しかし同時に、電動化のための新しい設計により、最も高い剛性と、これまでで最も高度なサスペンションシステムを備えている。

スペクターのEV専用シャシーは、「ロールス・ロイス3.0」と呼ばれるもので、2003年に先代ファントムを発売して以来、3番目の専用アーキテクチャとなる。このアーキテクチャでは、ゴースト、ファントム、カリナンに匹敵する洗練性と運動能力の実現を目指した。

アルミの押し出し材を使い、バッテリーを車体構造に組み込むことで、剛性を30%向上させたという。また、床下バッテリーの利点として、完全にフラットなキャビンフロア、低い着座位置、「ほぼ700kgの消音」が挙げられる。

ミュラー・エトヴェシュCEOは、「走行性能はゴーストやカリナンとは異なります。テスラのような『ルーディクラス(滑稽)』モードにはなりませんが、これまでにない方法で壮大に漂うのです」

走りの面で重要な役割を担うのは、ゴーストのものを応用したプラナー・サスペンションで、高速プロセッサーを使って路面状況とドライバーの入力をモニターし、ロールス・ロイスのトレードマークである「魔法のじゅうたん」の乗り心地を作り出す。また、コーナーが近づくとダンパーを硬くし、ロールバーを接続して、後輪操舵システムを起動させ、「楽な進入と脱出」を実現する。

インテリア

ロールス・ロイスは「スペースに勝る贅沢はない」と語り、広々としたスペクターのキャビンを強調している。

2ドアではあるが、2+2ではなく、明確に4シーターであるとミュラー・エトヴェシュは言う。「そのため、2人以上の移動に非常に適していると言えるでしょう」

全長5453mm、ホイールベース3210mmと、レイスよりもわずかに長い。トランスミッショントンネルがないため、キャビンスペースは目に見えて大きくなっているはずだ。

インテリアは、近年のロールス・ロイスの特別仕様車に共通する「夜空」をイメージしたモチーフで飾られている。例えば、オプションのスターライト・ドアパネルでは、5876個のミニLEDライトで星を表現しており、助手席前のダッシュボードパネルには、停車中に5500個以上の星が車名を囲うように表示される。

さらに重要なのは、次世代インフォテインメント・プラットフォーム「スピリット」の搭載である。ブランド専用のスマートフォンアプリ「Whispers」と互換性があり、さまざまな機能を遠隔操作したり、ライブの走行データや車両データにアクセスしたりすることができる。これは、デジタルにおけるパーソナライゼーションの重要性が高まっていることを示唆している。

スピリットは基本的に、iXやi7に搭載されているBMWの第8世代iドライブをベースに、ロールス・ロイスのインターフェイスを組み合わせたものだ。しかし、ミュラー・エトヴェシュCEOは、BMWの兄弟車との繋がりは非常に緩いとしている。

「現存する最高のものをさらに良くする、という創業者ヘンリー・ロイスの感覚とでもいいましょうか。それはまさに、BMWグループと協力してロールス・ロイスを設計していくことだと思います。1つだけ確かなことは、このクルマはロールス・ロイスであって、BMWの改良型ではまったくない、ということです」

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みんなのコメント

1件
  • CX-60の高級感とセンスのある内装と比較すると
    ほんと恥ずかしくなるよな。
    早く比較出回らないかなw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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