新しい旅のスタイルとして注目を集めている車中泊。しかし、どんなクルマでも快適に寝られるわけではない!
今回はいま人気のSUVを集めて寝心地をチェック! 車中泊の旅の魅力と、スタート時に役立つアイテムも併せて紹介しよう。
デビュー時は4万台超受注! トヨタ イストが犯した小さくて大きな命取り【偉大な生産終了車】
●ラインナップ
・マツダ CX-8
・日産 キックス
・トヨタ RAV4
・スズキ ハスラー
・三菱 エクリプスクロス
・ホンダ ヴェゼル(先代型)
※本稿は2021年3月のものです
文/大橋保之(カーネル)、渡辺圭史 写真/中里慎一郎
初出:『ベストカー』 2021年4月26日号
【画像ギャラリー】カタログにはない実測値も掲載! 人気SUVの車中泊インプレッション
■車中泊でクルマ旅! 一泊二日・神奈川県三浦半島へ行ってみた
春うらら。まさにドライブ日和! ということで、突然だがスズキ・ハスラーで車中泊のクルマ旅を楽しんできた今回。
SUVの寝心地チェックの前に「そもそも車中泊って何がおもしろいのか?」を紹介したい! と、まずはドライブルート満載! そして車中泊スポットも現在急増中の神奈川県三浦半島へ向かったというわけ。
さて、そんなクルマ旅に同行してくれたのは、You Tubeチャンネル『日本を旅するうめの』で日々配信を行っているうめのさんだ。
いつも乗る「キャブコン(=キャブコンバージョン)」と呼ばれるキャンピングカーとは違い、スイスイ走るハスラーに感激のうめのさん
夏は涼しくて過ごしやすい故郷の北海道へ。秋は、北海道に雪が降る前に南下。冬は温暖な地方をキャンピングカーで車中泊。
そして春は桜前線とともに北上し、北海道に進むという「キャンピングカー生活」をもう4年も続けている。
今回、そんな“キャンピングカー女子”のうめのさんに、SUVの寝心地をチェックしてもらおう! と声をかけたわけだが、せっかくだから、春の三浦半島へも同行してもらうことに。
三浦半島といえば三崎のまぐろ! 三崎まぐろの産直センター「うらりマルシェ」にて、今晩の車中メシを物色
おいしそうなマグロがたくさんある。肉ではなくマグロが入った「とろまん」も美味
「日本一周を何周かしているので、三浦半島も来たことがあります。でも、今回訪れた場所は、初めてのところが多かったです」というドライブコースを回ったあと、うめのさんとハスラーは、今晩泊まる葉山の車中泊スポットへ。
こちらも人気立ち寄りスポット「三崎生鮮ジャンボ市場」。お昼は2階の「グルメ館 豊魚」で三浦どん膳(2200円)をペロリ
三浦の春キャベツとミカンジュースを購入
海や山にも近く、観光名所へのアクセスもいい「Hayama RV-SITE by Star Home」は、この地域の人気車中泊スポット。
24時間使用可能なトイレや水道、AC電源、フリーWi-Fiまで完備。車中泊専用駐車場なので安心して泊まることができる。
今回車中泊したのは「Hayama RV-SITE by Star Home」。三浦半島や湘南をクルマ旅で楽しむ際に便利なRVパーク(車中泊専用駐車場)。24時間使用可能なトイレや電源設備がある
■うめさん直伝! 車中泊でチェックしたいポイントと快眠十ヵ条
「車中泊を楽しむうえでのポイントとして、まず場所選びは大切ですよね」とうめのさん。彼女のようなベテランになれば、「自分だけの車中泊ポイント」もたくさんあるという。
「でも、車中泊ビギナーの方は、まずオートキャンプ場やRVパーク(日本RV協会認定の車中泊専用駐車場)がお薦めです」
設備がとても充実していて、お風呂やシャワーも併設されている(もしくは近隣にある)ところも多い。
車中泊でチェックしたいポイント…ラゲッジの広さは?/天井の圧迫感はある?/シートのリクライニングは?/シートアレンジは?/ラゲッジの硬さは?
現在、車中泊専用の駐車場は増加中で、有料ではあるが、ゴミの回収までしてくれる施設もある。計画時にぜひとも調べてみてほしい。何よりも安心感が絶大なのだ。
さらに、寝心地アップのポイントは多々ある。
愛車のシートアレンジを確認して、シート就寝がいいか、ラゲッジ就寝がいいか? をチェック。足を伸ばして水平に寝られるか? 天井の圧迫感はあるか? など、クルマごとに違うのはもちろん、車内の寝る位置によっても、寝心地は大きく異なる。
ぜひとも愛車のベストな寝床を見つけてほしい。そのほか、おもな快眠ポイントは「車中泊快眠十ヵ条」を参照のこと。
車中泊快眠十ヵ条
また、車中泊を楽しむうえで、ぜひとも覚えておきたいマナーも多い。
私有地で許可なく車中泊したり、道の駅や高速道路のSA・PAで、テントやタープ、机やイスを広げて、キャンプ行為を行うのは絶対にNGだ。
さて、三浦半島の車中泊&クルマ旅も無事終了。うめのさん、楽しんでくれたかな?
「まぐろもシラスも食べられて、景色も最高! 三浦半島を満喫しました。朝、荷物を片付けるのも、車中泊なら簡単。すぐに次の目的地に行けますね」
朝、すぐに移動できるのも車中泊の強み。海岸沿いでクルマを止めてひと伸び。富士山も姿を見せてくれた
ということで、次ページからは、うめのさんと一緒に人気SUVモデルをチェックしていこう。
●今回使用した「車中泊三種の神器」+α
まずは「車中泊三種の神器」の筆頭といえるエアマット。今回使用したオンリースタイル製は厚さ10cmもあり、寝床の凸凹を吸収してくれる。寝袋も当然、「三種の神器」のひとつ。そしてカーテンとして使用できる大きめのバスタオルとラグ。外からの視線を防ぐ、こういった目隠しも、三種の神器として重要なアイテムだ。また、今回は電源を備えたサイトだったが、何もない車中泊スポットの場合、ポータブル電源も準備しておくと便利。キャンプシーンなどでも使えるので、持っておいたほうがいい。
エアマット
寝袋
バスタオル・ラグ(カーテンとして使用)
ポータブル電源
■人気SUVが勢揃い! 各モデルのプロフィールと「車中泊できるSUVのポイント」
「どれもカッコイイですね!」と、撮影用に集めたSUVを見て、目を輝かせるうめのさん。今の車中泊人気を広げてくれるモデルばかりだが、その個性は各車それぞれ。
SUVといえば走破性が人気。しかし悪路走破性以外にもそれぞれに個性的なポイントがある。寝心地チェックの前に、まずはおさらい!
ボデイサイズも3列シートのマツダ CX-8から、軽自動車のスズキ ハスラーまであり、パワーユニットもe-POWERやハイブリッドなど多種多彩。
「これだけあると、寝心地も結構違いそうですね。いつも寝ているキャンピングカーを基準にして、チェックします」とうめのさん。
ちなみに、人ひとりが快適に寝るために必要なベッドスペースの基準は、長さが身長+15~20cm、幅が55cm以上。これは、足を伸ばして水平に寝られること、そしてそのスペース内で寝返りができるか? といったことがベースとなっている。
今回の寝床スペースの最初の難関は、この「足を伸ばして水平に寝られるか」だろう。
前席を最大にリクライニングしても、前席のシートが水平にならないモデルが多い最近のSUVモデル。おのずとラゲッジ就寝がメインとなるはず。
そこでポイントとなるのは、ラゲッジの奥行きだ。通常、後席の背もたれを前に倒しただけでは、160cm前後の奥行きとなるモデルが多く、対角線上に寝ても窮屈に感じる。
しかし、前席を最大まで前にスライドして、背もたれを前に傾ければ、奥行きは20cm前後広くなる。
そのスライドした約20cmのスペースを荷物で埋めれば、ラゲッジが足を伸ばして水平に寝られる快適な寝床となる。
とはいえ、この方程式はハスラーなどの軽SUVには、当てはまらないことが多い。どんなにラゲッジを広くしても、奥行きが圧倒的に足りないからだ。
しかし、スペース効率が徹底的に考えられた、現在の軽SUVや軽ハイトワゴンでは、多彩なシートアレンジが採用されている。そのため、シートとラゲッジを一体化して、就寝スペースとして使用できることが多い。
今回、自宅にある所持品やアウトドアアイテムを応用して、寝床の凹凸や足元のスペースを解消してみた。
少しでも快適な寝床にするために、ぜひとも車中泊インプレッションを参考にしてほしい!
■始めるときにあると便利! 車中泊快眠アイテム
快適な寝床づくりに欠かせないのは「車中泊 三種の神器」。
前の段落でもすこし触れているが、まずは寝床をフラットにして柔らかくするマット。そして車内の目隠しとともに断熱効果も高いシェードかカーテン。最後は、コンパクトかつ保温効果の高いアウトドアブランドの寝袋。
この3点が、「車内での快眠」を考えた際、まず揃えたいアイテムだ。
そのほかにも、LEDライトなどが挙げられるが、これらは車中泊のスタイルによって変わる。実際に車中泊してみて、自分が必要だと思ったものを揃えてほしい。
●凹凸を吸収するマット…フラットな寝床を実現するマットは必須アイテム。おすすめは前の段落でも紹介しているオンリースタイルの車中泊専用マット。展開時は198×66cm(標準サイズ)あり、厚さは10cm!
価格:2万7280円/問:オンリースタイル/電話:0120-511-550
まずは持っているもので凹みを解消…専用マットがない場合は、クッションや毛布、バスタオルなどを使用して、まずは凹凸を解消する。アウトドア用品も活用できる
●コンパクトになり保温性の高い寝袋…車内の限られたスペースの中で車中泊をすることを考えると、コンパクトに収納できる寝袋は重宝する。安心できるアウトドアブランドのものなら、使用できるコンフォート温度(快適に寝られる温度)が記されているので、使用時の目安に選びたい。写真は最新のシームレス ダウンハガー800 #3。
価格:3万3000円/問:モンベル/電話:06-6536-5740
寝心地にこだわるなら布団も選択肢に入れる…寝袋では寝られない人は、慣れるまで布団を敷いてもOK。ただし圧縮袋に入れても、それなりにかさ張るので、ラゲッジスペースの大きなモデルに限られる
●窓に張るシェード…前段落では「車中泊 三種の神器」としてカーテンを紹介しているが、窓に貼るシェードの人気も高い。銀マットでDIYもできるが、市販品の効果は絶大。アイズのマルチシェードなら、日本車のほとんどのモデル専用品がラインナップされており、断熱効果も高い。
価格:1万1000円(フロント用)+1万7600円(リア用)※ともにハスラー用/問:アイズ/電話:053-422-7608
厚手の生地を使用した簡易カーテンだってOK…クルマに加工が必要な市販カーテンを装着するという選択もあるが、前段落のように厚手の生地を使用した簡易カーテンも
【番外コラム】こんなのもあるとうれしい! 車中泊お役立ちギア
●LEDランタン&ライト…深夜にトイレに行ったり、車内で作業したりする際にLEDライトは必需品。予備電池も一緒に準備したい
LEDランタン&ライト
●クーラーボックス…飲食物の保冷・保温にあると便利。旅先で購入した要冷蔵のグルメもクーラーボックスがあると安心
クーラーボックス
●ミニテーブル…シートやラゲッジは意外に不安定。飲食物や小物置き場として活躍する。車内では60×30cmぐらいの大きさだと使いやすい
ミニテーブル
●ポータブル電源…車中泊やキャンプで使用する人が急増中のポータブル電源。PCやスマホの充電はもちろん、冬は電気毛布、夏は冷風アイテムに使用可能
ポータブル電源
●密閉ボックス…ゴミや雨天時の濡れた衣服などを入れておく密閉ボックス。生ゴミは匂いがきつく、車内に充満する。フタがしっかりと閉まるものを
密閉ボックス
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