フェイスリフトで僅かに見た目はリフレッシュ
好きか嫌いかを問わず、電動クロスオーバーのBMW iXは、小さくない話題を集めてきた。英国での発売は2021年。ステーションワゴンとSUVを融合させた、直線基調の未来的なフォルムは、今でも新鮮に映っている。
【画像】枠を超えた有能さ BMW iX xドライブ45 スポーツ サイズの近い電動SUVと写真で比較 全141枚
それから4年が経過し、モデル中期のフェイスリフトが実施された。物議を醸したスタイリングにも、僅かに手が加えられたものの、基本的な印象は変わらない。
巨大なキドニーグリルは、その存在感を薄めるため、フレームが薄く変更された。オプションで、そのアウトラインを光らせることもできるが。切れ長のヘッドライトの外形は変わらないものの、ノイエクラッセ・コンセプトに似た、点灯パターンを得ている。
テールライトのグラフィックも、見比べないとわからない程度だが、違う。前後のバンパーのデザインは、お約束通り更新。アルミホイールは、20インチから22インチまで、新しいデザインが選べるようになっている。いずれも、大幅な変更ではない。
ラインナップは全体的に見直された。xドライブ40とxドライブ50、M60 xドライブは、それぞれxドライブ45とxドライブ60、M70 xドライブへ置き換えられている。
新バッテリーでエネルギー密度は最大30%向上
数字が増えたぶん、しっかり動力性能も引き上げられている。電動アーキテクチャが電圧400Vなのは従来通りながら、最も変化が大きいxドライブ45は、81ps増しの407psを獲得。0-100km/h加速を5.1秒で処理し、1.0秒も短縮している。
駆動用バッテリーは、新技術の採用でエネルギー密度を最大30%も向上。xドライブ45の場合、容量はxドライブ40から23.8kWh増しの94.8kWhとなり、航続距離は117km伸びている。
xドライブ60の向上度は、比べると控え目。最高出力は20ps増しの543psを獲得したが、0-100km/h加速は4.6秒で変わりない。駆動用バッテリーは3.9kWh増しの109.1kWh。それでも、航続距離は70km伸びている。
急速充電は、xドライブ45で最大175kWまでで、xドライブ60では195kWまで。クラスの平均より数字は劣るものの高効率な処理で、残量10%から80%までの回復を、前者は34分、後者は35分で済ませられるという。
今回のフェイスリフトでは、装備も見直された。シートヒーターとハーマン・カードン社製サウンドシステム、バージョン8.5のiドライブシステムが、共通して標準で実装されるとのこと。
X5よりゆとりのある乗員空間 モダンな内装
インテリアは、発売から数年が経過しても特別な雰囲気。オプションのMスポーツ・パッケージを選択すれば、高級感は通常以上に高まる。
このオプションを指定すると、ステアリングホイールは8角形から円形のリムになり、サポート製の高いスポーツシートが組まれ、天井の内張りが暗めのグレー、アンスラサイトへ変更される。メーター用モニターのグラフィックも、専用になる。
広々とした車内空間は、従来通り強みの1つ。エンジン版の同等モデル、BMW X5以上に、乗員空間にはゆとりを感じる。フロア部分へ駆動用バッテリーが敷かれ、着座位置は高めだ。
内装のデザインは、コンセプトカーと見間違えそうなほどモダン。それでいて、実用性もちゃんと担保されている。
ただし、サイドシルやセンターコンソールの下側などには、硬いプラスティックがそのまま露出している。全体的な素材感は上質だが、そこだけ相容れない。荷室容量は500Lと、このクラスでは小さい方。メルセデス・ベンツEQE SUVの方が、明らかに広い。
最新版のiドライブは、グラフィックとメニュー構造が改められ、操作性を改善。音声操作機能もアップデートされている。ゲームやビデオストリーミングなど、多くのエンターテインメントにも対応する。
滑らかな加速 素晴らしい操縦性 枠を超えた有能さ
新しいパワートレインの効果は明らか。今回主に試乗したxドライブ45でも、ツインモーターによる最大トルクは71.2kg-mある。2450kgの車重をものともせず、極めて滑らかに、グイグイと速度を乗せていく。
洗練性は従来以上で、走行中の車内は極めて静か。パワートレインはほぼ無音で動作し、風切り音やロードノイズも殆ど聞こえない。本当の静寂の中で、先を急げる。
回生ブレーキの効きは、クルマ任せ。ドライバーが任意に調整できれば、一層運転する魅力が高まるように思う。
BMWらしく、操縦性も素晴らしい。このクラスの電動SUVでは、最も動的能力に長けたモデルだといっていいだろう。低い重心位置と、入念に煮詰められた減衰特性、高度な四輪駆動システムにより、連続するカーブを鋭くすり抜けられる。
リア側はエアスプリングが標準で、ボディロールを最小限に抑え込みつつ、グリップ力は秀抜。軽めのステアリングホイールを握る手のひらには、不足ない情報も伝わってくる。
それでいて、乗り心地には唸らされる。サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式でリアが5リンク式だが、見事な安定性と衝撃吸収性を両立。一部のライバルのような浮遊感もなく、落ち着いて路面の不整を処理してみせる。
市街地でも高速道路でも、運転体験は好印象。車重を裏切るように、軽快に操れる。それでいて、静かで快適。iXは、単に優れた電動SUVなだけではない。従来の枠を超えた、有能なバッテリーEVだと表現したい。
BMW iX xドライブ45 スポーツ(欧州仕様)のスペック
英国価格:7万5305ポンド(約1468万円)
全長:4953mm
全幅:1967mm
全高:1695mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:5.1秒
航続距離:603km
電費:5.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2450kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:94.8kWh
急速充電能力:175kW
最高出力:407ps(システム総合)
最大トルク:71.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
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