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<全日本ロードレース> 中須賀激勝! 今年も絶対王者?~スポット参戦のヨシムラ渡辺が一矢!

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<全日本ロードレース> 中須賀激勝! 今年も絶対王者?~スポット参戦のヨシムラ渡辺が一矢!

週末のもてぎは日曜に雨が…
全日本ロードレース開幕戦は、天候が心配されながら、なんとか土曜~日曜のスケジュールを終えました。この週末は木曜から事前練習走行が始まって、土曜まで何とかいいお天気が続いたんですが、日曜の朝からパラパラと小雨が落ちはじめ、それがそのまま降ったり止んだりな終日、ってかんじでした。結局ST1000だけがウェットレースとなったわけですね。

JSB1000クラスは、まず2020年チャンピオン・野左根航汰(ヤマハファクトリーレーシング)がWSBKへ転出したことで、ゼッケン1不在となったクラス。ここは、昨年アンラッキーが続いて野左根に王座を持っていかれてしまった中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)に、ニューマシンCBR1000RR-Rが2年目を迎える清成龍一(AstemoホンダドリームSIR)がどう挑むか、に注目が集まるシーズンになりそうです。
ちなみにAstemoっていうのは、SIR(つまりシンイチ・イトウ・レーシング)の2020年シーズンのメインスポンサーだったケーヒンが、ショーワ、ニッシンと経営統合した新会社のこと。つまり社名変更でチーム名も変わったのです。それでもマシンもトラックもピットもすっかりお色直し。なんかまったく新しいスポンサーさんが参入してくれたような気がしちゃいますね、ありがとうございます。

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そして、このもてぎ大会へは、2021年に世界耐久選手権にフル参戦するということで全日本ロードレースへのフル参戦を取りやめたヨシムラがスポット参戦。チーム名も世界耐久どおり「ヨシムラSERT MOTUL」です。SERTっていうのは、世界耐久の名門チーム「Suzuki Endurance Racing Team」のことです。こちらはメインスポンサーがMOTULですね。

公式予選では、そのヨシムラの渡辺一樹が躍動しました。
「今年は全日本へはスポット参戦で、メインは世界耐久用マシンの開発です。ヨシムラでは、特に耐久仕様のマシンってあるわけじゃなくて、でもバリバリのスプリントでもない、先行開発車ですね。事前テストに来る時間がなかったので、走行時間が少ない中で予選までにうまくマシンを合わせられたと思います」と渡辺。

レース1、中須賀が横綱相撲で快勝
土曜に行なわれた決勝レース1では、スタートから清成vs中須賀が激しいトップ争いを見せます。渡辺はスタートダッシュこそよかったんですが、1周目の混乱に巻き込まれて5~6番手まで順位を落としてしまいます。序盤から清成が逃げて、徐々に中須賀が追いつき、その2人に少し離れて渡辺が続く、という序盤の展開になりました。

最初のうち、このメンバーに続いたのが予選4番手スタートの亀井雄大(24歳・ホンダ鈴鹿レーシング)、濱原颯道(26歳・ホンダドリーム桜井ホンダ)といったあたり。この若い世代が、中須賀39歳、清成38歳の世代に噛みついてもらいたいですね。

レースは清成と中須賀が接近戦、そこから少し離れて渡辺、という展開で、4番手以降に亀井と濱原、その後方に岩田悟(Team ATJ)、加賀山就臣(TeamKAGAYAMA)、秋吉耕佑(MURAYAMA.TJC)、その後方に児玉勇太(Team KODAMA)といったオーダー。スタート直後は、ここのメンバーの中に津田一磨(BabyFace Powerd by YOSHIMURA)がいたんですが、ジャンプスタートでライドスルーペナルティを受け、後退しています。津田はヨシムラGSX-Rのマシンレンタルを受けての2年目で、アドバイザーの辻本聡が監督に昇格してのシーズン。去年までとはちょっと違って予選7番手、いいタイムで走れていますね。

結局レースは、ポジション争いに大きな変動なく、各ライダーが差を縮めたり広げたり。トップ争いはずっと清成の背後についていた中須賀が終盤にパッシングを見せ、そのまま清成を引き離して開幕戦優勝! 清成は中須賀に抜かれてからペースが落ち、3番手の渡辺に差を詰められますが、逃げ切って2位フィニッシュ。3位渡辺は、序盤のポジションダウンが響きましたが、耐久マシンらしい、ペースが大きく落ちない走りでの3位フィニッシュでした。

中須賀克行 予選:3番手 決勝:1位
「今年は、なかなか自分の走りのリズムが取れないで、もてぎ入りしてからも走行時間をいっぱい使って、なんとか走りを取り戻そう、って開幕でした。レースは、ずっと清成選手が速くて、ついていくのが精いっぱい。ふたりとも走り方が似ているのか、それでマシンの違いで速いところと遅いところが違っていて、結果同じようなタイムになる感じ。レースは終盤に集中して抜いて、逃げて逃げて、なんとか開幕優勝できました。明日のレース2もこの走りをキープしたいですね」

清成龍一 予選:2番手 決勝:2位
「レースまでいろんなセットをためさせてもらって、進めては戻して、って繰り返しで、なんとか決勝に間に合ったような感じでしたね。戦略は、とにかくスタートで前に出て、逃げて逃げて、って予定だったんですが、最後つかまっちゃいました。中須賀さんと渡辺くんが速いのはわかっていたので、逃げまくればあきらめてくれると思ったんだけどなぁ(笑)。まだまだ中須賀さんまで差は大きいけど、明日もスタートを決めて逃げまくりたいです」

渡辺一樹 予選:ポールポジション 決勝:3位
「予選までにうまくマシンをまとめきれてポールを獲れたんですが、決勝は1周目の混乱でポジションを落としたのがもたいなかった。レース中のペースは悪くなかったけど、トップ争いに絡めなかったのは悔しいです。でも、時間がないなかでこのポジションを走れたというのはポジティブに考えたいです」

レース2、またも逃げる渡辺、逃げきれず
明けて日曜のレース2も、JSB1000の時間帯は、ST1000の頃に降った雨がやんで路面はハーフウェット、けれどウェット宣言なしで、雨がパラパラ落ちてきたり上がったり、ってコンディション。
レース内容はほぼ昨日のレース1と同じ展開、ただし今回レースをリードしてトップを引いたのは、昨日の清成に替わって、ヨシムラ渡辺でした。
ホールショットこそ清成に譲ったものの、2戦連続でポールポジションからスタートした渡辺が終始レースをリードし、その背後に、きのうは清成の後方で周回した中須賀がつける展開となります。3番手以降は清成、加賀山、岩田、亀井、濱原、秋吉といったオーダー。清成、このレース2は序盤から前にってわけにはいかなかったようです。だいたい、このへんも昨日のレース1と同じ顔触れですね。

この中から渡辺、中須賀、清成、亀井の4台が5番手以降を引き離してグループを形成。それでも順位は変わることなく周回するものの、まず清成がペースダウンして亀井が3番手に上がると、トップ2に接近! いいですね、亀井! このあたりで清成のCBRにはトラブルの兆候があったようで、ペースが安定しなくなってしまうんです。
この4台も徐々に差が広がって、まず清成が、その数周後に亀井が脱落。なんと同じタイミングでマシントラブルに見舞われてしまったようでした。

これでレースは渡辺×中須賀のトップ争いが続き、やや距離を空けた後方で、5番手争いだった濱原×加賀山が3番手争いとなります。そして23周で行なわれるレースが2/3を過ぎるころの16周目、満を持して中須賀がトップに立ちます。これは、いつ雨になってもおかしくない天候下でのレースで、レースの規定数回数の2/3を過ぎると赤旗提示でもレースは成立する、というルールをきちんと戦略に組み込んだヤマハファクトリーの作戦でした。

このあたりでコースの区間によっては雨がパラついてきて、セクター3/セクター4あたりでは大粒の雨がボタボタきていたようです。これでレースは赤旗が提示され、中断。そのまま周回数クリアでレースが成立し、中須賀が昨日のレース1から2連勝。2位に渡辺、3位に加賀山との争いを制した濱原が入りました。

晴れても雨でも、やはり2レースとも絶対王者・中須賀のレースとなった開幕戦。ここに対抗するCBR1000RR-R勢は今ひとつ調子の波に乗り切れず、レース1では清成が中須賀に4秒遅れの2位、レース2は雨になったとはいえ、スポット参戦の渡辺にも前に行かれ、3位に入ったのは濱原で、しかも2位渡辺まで13秒遅れとなってしまいました。

レース1は3位、レース2では2位と、打倒・中須賀への希望を感じさせてくれた渡辺は、フル参戦する世界耐久スケジュールが優先で、今後の全日本ロードレースへの出場は未定。ただし、世界耐久は開幕戦ル・マン24時間耐久が延期されるなど先行きも不透明で、もしも世界耐久のスケジュールが重ならなければ……って期待しちゃいますね。

しかし、うーむCBR勢よ、奮起しないと! さもなくば中須賀独走のシーズンになっちゃいますよ~!

写真/木立 治 柴田直行 後藤 純 中村浩史 
文責/中村浩史

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みんなのコメント

1件
  • まぁ、ST600もST1000もCBRの独壇場状態ですからJSBくらいはホンダ以外に勝って欲しかったので、これもお馴染みではあるけどR1が勝って良かったと思いました
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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