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【shaken(車検)やtouge(峠)】日本の「クルマ用語」なぜ海外でそのまま使われる? 三菱車、例外も

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【shaken(車検)やtouge(峠)】日本の「クルマ用語」なぜ海外でそのまま使われる? 三菱車、例外も

日本のクルマ用語は外来語がほとんど

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

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パーツの名称など、クルマ用語の多くはアメリカ英語やイギリス英語をベースとした外来語がたくさん使われている。

例を挙げてみよう。

・ドア/Door
・フロントガラス/Windshield(英Windscreen)
・タイヤ/Tire(英Tyre)
・ホイール/Wheel(英Rim)
・シフトレバー/Lever(AT)
・Stick(MT)
・トランク/Trunk(英Boot)
・バック/Reverse
・メーター/Speedometer,meter
・シート/ Seat
・シートベルト/Seatbelt,safety belt
・ハンドル/Steering wheel
・ステアリング/Steering wheel
・ルーフキャリア/Car Top Carrier,Cargo Carrier
・ハイビーム/High beam
・ロービーム/Low beam……などなど。

フロントガラスやルーフキャリアなど和製英語もあるが、カタカナ言葉がすっかり定着していて、日本語での言いかえが難しい言葉も少なくない。

例えば「ハイビーム」「ロービーム」「ホイールベース」などの言葉は、瞬時に日本語へ訳すのは難しい。

多くのドライバーがそのまま使っているだろうが、道路運送車両法の保安基準で使われる言葉は、ハイビーム=走行用前照灯、ロービーム=すれ違い用前照灯、ホイールベース=軸距と記されている。

ちなみに「チャイルドシート」も実は完全な「和製英語」。アメリカやイギリスなど英語圏では一般的に「car seat」と呼ばれる。

正式な名称は「CRS」(Child Restraint System)で、日本語にすると、「幼児拘束装置」となるが国交省では「年少者用補助乗車装置」としている。

これらと逆に海外でそのまま使われる日本独自のクルマ用語にはどのようなものがあるだろうか?

海外でもそのまま 日本のクルマ用語

結論から言うと、「日本独自のクルマに関わる言葉」が、海外でもそのまま使われる傾向が強い。

英語に翻訳できない言葉はそのまま使う方がイメージが伝わりやすいからだ。

日本には日本独自のクルマに関する決まり事やモデルチェンジのシステムなど海外ではあまり見られない制度が多数存在する。

2年に1回の「車検」制度もそうだし、同じ車型で「前期型」「後期型」があるのも欧米にはないシステムだ。

国産車でも近年はモデルイヤー制度を採用する車種が増えているが、それでもやはり、フルモデルチェンジから2~3年でマイナーチェンジ、ビッグマイナーチェンジをおこなう車種は少なくない。

マイチェン前が前期型、マイチェン後を後期型などと呼んでいる。

これらの言葉は、海外でそのまま使われる代表的な日本のクルマ用語である。

・Zenki(前期)
・Chuki(中期)
・Koki/Kouki(後期)

とくにJDM車(25年ルールでアメリカにて解禁となった80~90年代以降の国産スポーツカー)の世界では重要ワード、クルマの説明には必須。

ちなみに、アメリカの自動車メディアの説明では、「前期型・後期型は同じ車名でも型式が違う場合に使うべきではない。例えば同じRX-7でも、FC3Sを前期型、FD3Sを後期型と呼ぶのは完全な間違い」と書かれてある。

「Zenki(gata) and a kouki(gata) are never used to describe two cars with different chassis names/internal codes」

「For example, even though the two cars above are both RX-7s, you will never call the FC3S a zenki(gata) and the FD3S a kouki(gata)」

まだまだある 海外でそのまま日本用語

それでは以下、日本語がそのまま使われている例を紹介しておこう。

Shaken(車検):日本独自の車検制度は世界的にもレア。JCI(Japanese Car Inspection)と呼ばれることも。

Chokudori(直ドリ):「直線ドリフト」の略。コーナーのかなり手前からスピードを落とさずドリフトをかけて進入する高度なテクニック。

Drift(ドリフト):英語では「Drifting」だがマニアはあえて「drift」(発音も日本語っぽくdorifuto)と呼んでいる。

Tsuiso(追走):2台以上が連なってドリフト走行すること。

Touge(峠):「イニシャルD」やドリフト人気の拡大と共に普及。欧米人の発音は「トゥージェ」

Bosozoku(暴走族)/VIP(VIPスタイルのカスタム):アメリカではカスタムスタイルの1カテゴリーとして認知されている。

Mugen(無限):英語圏での発音は「ミュージェン」だが、無限仕様のシビックなどが異常な高人気の東南アジアエリアなどでは、そのまま「ムゲン」と発音される。

Kei-car(軽自動車)/Kei-tra(軽トラック):英語に対応する言葉もないのでそのまま「Kei」

Kanjo(環状族):阪神高速環状線をホームとしている走り屋。

Daikoku(大黒):日本のクルマ文化の発信地ともいえる大黒PAは世界のクルマ好きの間でも認知されている。

Shoshinsha(初心者):どこから見ても目立つ「初心者マーク」(若葉マーク)を付ける制度は日本独特。

Wakaba(若葉):若葉マークのステッカー。一時期北米で大流行した。

Hashiriya(走り屋):英語では「street racer」

三菱車だけzenki/koukiと呼ばれぬ理由

こうしてみると、「無限」や「大黒」などの固有名詞はさておき、海外でそのまま使われる日本のクルマ用語はやはり、日本独特の「英語にできない言葉」がほとんどである。

「tsuiso」「choku-dori」などの言葉は、日本で生まれた「ドリフト」の世界ではおなじみの言葉であるし、同様に日本独自の車両規格である「軽自動車」に関わる言葉には「kei」がそのまま使われている。

しかし、日本車であっても例外的に英語っぽい言い方をするクルマもある。

日本人向けに北米の自動車パーツをウェブサイトで販売しているメキシコ在住の松村浩司さんが教えてくれた話によると、

「zenki(前期)、kouki(後期)という呼び方はメーカーやファン&オーナーによるコミュニティによって異なっています」

「例えばホンダやマツダ、ニッサンなどJDM色が強い車種については、Zenki/kokiが一般的ですが、北米の三菱車は型の説明をする際、Early(前期), Late(後期)と英語で呼ばれるのが普通です」

「北米の三菱車はエクリプス(初代/2代目)を筆頭に「Made in USA」(イリノイ州にかつて存在した『Diamond Star Motors』)」

「80年中頃から90年中頃まで北米で三菱とクライスラーが共同経営していた企業)のクルマが多く、JDMスタイルではなくUSDM(アメリカ独自仕様)として発展したためだと思います」

なるほど。日本車であっても北米で製造されて北米で発展してきたクルマにはアメリカの用語が使われるということのようだ。

日本語がそのまま海外で使われるのは、日本で使用されてきた中古車が世界市場で高い評価を得て、普及していることの証拠ともいえるだろう。

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みんなのコメント

7件
  • どうでもいいけど
    chokudoriってw
    選択がマニアック

    今の日本の若い奴は意味不だろ
  • ハイビーム・・・上向き
    ロービーム・・・減光
    ホイールベース・・・軸距

    って、電車では言ってます。
    もっと言うと、
    エアサス・・・空気ばね
    フロントガラス・・・前面ガラス
    ヘッドライト・・・前部標識
    ヘッドライトは意味が違うのですが、結構日本語になってます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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