2025年で誕生50年を迎える3シリーズ
BMWは、3シリーズが半世紀でこれほど変化を遂げると想像していただろうか。2025年で、初代E21型が登場してから50年。これまで7世代を経て、合計1500万台以上が地球上を走り回ってきた。
【画像】駆け抜ける喜びは健在! BMW 330e プラグインHV 競合クラスのサルーンたち M3も 全165枚
3シリーズは、ドイツ・ミュンヘンの主力モデルとして、同社の成長を支えてきた。この上級クラスの、ベンチマーク的な存在にもなっている。
G20型の登場は2018年。最近まで、英国ではディーゼルエンジンを積んだ320dが定番の選択肢になっていた。だが2024年のアップデートで、この土地での販売は終了。それを補完する役目を負うのが、今回試乗したプラグイン・ハイブリッドの330eだ。
ちなみに現在の英国でのラインナップは、183psのマイルド・ハイブリッド、320iがエントリーグレード。直列6気筒で374psのM340i xドライブも選べる。
トリムグレードは、スポーツ、Mスポーツ、Mパフォーマンスの3段階。盤石なサルーンと、ステーションワゴンのツーリングが選べることに変わりはない。
G20型は、2022年に大々的なフェイスリフトを受けたが、2024年仕様では更にバンパーとサイドシルの形状を変更。ボディ塗装へ新色が登場し、新しいアルミホイールのデザインが追加された。
全体的なスタイリングは、3シリーズらしい。サルーンの場合、全長は4713mmで、全幅が1827mm、全高は1440mm。ホイールベースは先代のF30型より41mm長く、車内空間にはゆとりがある。
バッテリー19.5kWhへ増量 電気で最長101km走行可
プラグイン・ハイブリッドの330eでは、駆動用バッテリーの容量が倍増。19.5kWhを得て、最長101km、最高140km/hまで、電気で走れるようになった。充電能力も、11kWまで高められた。
エンジンは、183psを発揮する2.0L 4気筒ガソリンターボ。8速ATとの間に、108psの駆動用モーターが挟まれている。システム総合での最高出力は、293psとかなりパワフル。最大トルクは42.7kg-mとなる。
技術の進歩で小型化が進み、駆動用バッテリーの位置はリアシートの直下。40Lのガソリンタンクは、リアアクスルの直上だ。
また2024年仕様では、サスペンションとステアリングも変更を受けた。リアのストラットマウントが強化され、ダンパーとスプリングを再調整。快適性が追求された。
Mスポーツの場合、スポーツサスペンションと、バリアブルスポーツと呼ばれる可変パワーステアリングが装備される。ただし330eの場合、後者はオプション設定になる。
腕と足を前方へ伸ばす低めの運転姿勢
インテリアは、ボディと同じくBMWらしい。製造品質に優れ、高級感に不足なく、デジタル技術の充実度にも満足できる。長時間過ごしたいと思える空間だといえる。
着座位置が低めで、腕と足を前方へ伸ばす運転姿勢は、クルマ好きにとって魅力の1つだろう。ステアリングホイールが自然な位置に伸び、3シリーズにピタッとハマったような印象を受ける。リアシート側は、このクラスとしては平均的な広さだ。
2022年のフェイスリフトで、ダッシュボードには弧を描くワイドなモニターパネルが実装された。オプションで、カラー投影されるヘッドアップ・ディスプレイも追加できる。ステアリングホイールと、送風口のデザインも新しくなった。
実際に押せるハードスイッチは削られたが、エアコンの操作メニューはインフォテインメント用モニターの下部へ常時表示。また、iドライブ用のロータリーコントローラーは残り、操作性は良い。
ソフトウエアは、バージョン8.5。最新機能を使いこなすには、BMWコネクテッドドライブへユーザー登録する必要がある。
荷室容量は、ハイブリッド・システムの都合で削られ、375L。マイルド・ハイブリッドのツーリングの場合、トノカバー下で500Lある。
スポーツサルーンとして楽しめるプラグインHV
それでは、公道へ出てみよう。330eのパワートレインを活かすには、ある程度の理解が必要になる。
シフトセレクター横には、通常のコンフォート、スポーツ、エコプロとは異なる、プラグイン独自のモードボタンが並ぶ。通常はハイブリッド・モード。駆動用バッテリーの充電が続く限り電気メインで走り、その後は4気筒エンジンへ主役が交代する。
この状態で試した結果、エンジンを回さず現実的に80km近くは走れる様子。こまめに充電しようと思わせる距離だと思う。
エレクトリック・モードを選ぶと、僅かに駆動用モーターのパワー感が上昇。市街地をキビキビ巡れ、80km/hくらいまでは余裕を感じる。
スポーツ・モード時は、アクセルペダルをキックダウン・ポイントまで踏み込まずとも、293psを引き出せる。ホットハッチ級に鋭く加速し、トルクも豊か。即時的なレスポンスが、スポーツサルーンらしさを強める。ブレーキペダルの感触も好ましい。
8速ATをマニュアルモードにし、自らギアを選ぶと一層効果的。多くのプラグイン・ハイブリッドが積むトランスミッションより反応は素早く、330eを乗りこなしている印象が増す。以前の直6エンジンのように、惹き込まれるような甘さはないが。
ちなみに、4気筒ターボの320iは低速域でエンジンが頻繁に停止する。183psは、普段使いで充分な力強さ。流れの速い一般道ではやや物足りなく感じるかもしれないが、質感は好ましい。3シリーズへ期待する、楽しさを味わえる。
素晴らしい操縦性 駆け抜ける喜びは健在
試乗車は、18インチホイールのMスポーツ。不満ない快適性と、引き締まった姿勢制御を両立していた。低い運転姿勢と、後輪駆動のマナーが相乗し、操縦性は素晴らしい。
ステアリングは正確で鋭く、高解像度。カーブでは、ハイブリッド・システムによる車重増を殆ど感じさせない。330eは、レス・イズ・モアが成り立っていた、古き良き3シリーズへ通じる妙味すらある。
ボディロールは抑制され、安定性も高い。横方向のグリップ力にも優れるが、スタビリティ・コントロールを切れば、リアタイヤがボディを押し出す感覚で満たしてくれる。高速道路での落ち着きにも目を見張る。駆け抜ける喜びは健在だ。
今回の試乗で得られた燃費は、駆動用バッテリーの充電が切れた状態で、平均14.2km/L。より軽量な320iでも、同程度の効率は得られるだろう。だが定期的に充電すれば、日々の通勤でガソリンを燃やす必要性は低いはず。
2024年の改良で、BMW 330eはこのクラスのプラグイン・ハイブリッドの頂点に返り咲いたといえる。電動パワートレインの複雑さは見事に包み隠され、後輪駆動のスポーツサルーンとして積極的に運転を楽しめる。
駆動用バッテリーが充電されていれば、無音で市街地を巡れる。最長80kmも。この体験は、新たな魅力といっても良いだろう。BMWファンに限らず、運転を多少でも楽しみたいとお考えなら、同クラスのイチオシだといっていい。
◯:運転の魅力を失わず、競争力の高いハイブリッド・システム スポーツサルーンとしての優れた操縦性
△:硬い路面では乗り心地が若干悪い 初期の5シリーズより大きなボディサイズ 選べなくなったディーゼルターボ
BMW 330e Mスポーツ(英国仕様)のスペック
英国価格:5万5255ポンド(約1077万円/試乗車)
全長:4713mm
全幅:1827mm
全高:1440mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.9秒
燃費:90.9-125.0km/L
CO2排出量:19-25g/km
車両重量:1770kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:19.5kWh
最高出力:293ps(システム総合)
最大トルク:42.7kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック(後輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
満タンで2200kmも走るPHEVが214万円??? BYDが[プラグインハイブリッド]を意匠登録したことが発覚!!!!!
国民ブチギレ! 政府「ガソリン価格“10円”あがります」 12月と1月の2段階で家計の負担増! 「ガソリンの暫定税率」廃止も実現は先… 政府のイジメに国民はウンザリか
強引にもみえた欧米の「EV100%化」を望んだのはメーカーでもユーザーでもない! いまEV促進が停滞しているのは政治的要因だった
「あおり運転」なぜ土日に多く発生する? 加害者のクルマの多くが「黒」!? 狙われやすいクルマの特徴が判明!
軽自動車のナンバープレート「たまに白いのを見かけるのなぜ?」黄色い枠もないタイプが作られた経緯とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント