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速度違反車を結構ぶっ飛ばして追いかけるパトカー! 性能はどのぐらい? チューニングはされているのか?

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速度違反車を結構ぶっ飛ばして追いかけるパトカー! 性能はどのぐらい? チューニングはされているのか?

 この記事をまとめると

■パトカーは仕様書に基づいたスペックを有するクルマでなければならない

警察官の感覚に頼る「追尾」での「速度取締」! 速度計測に「信憑性」はあるのか?

■クラウンがもっともメジャーな車種で、パトカーに必要なスペックを有している

■1台あたりに使える予算が決まっているのでカスタムをしている余裕はないだろう

 パトカーはカスタムされているのか?

 サイレンを鳴らし、緊急走行をしているパトカーを見ると、結構いい勢いでダッシュしている。とくに高速道路で最高速度違反のクルマを追いかけているパトカーは、なかなかの加速力を発揮しているので、思わず「あれはエンジンチューンをしているのでは?」と思ってしまうこともしばしば。

 しかしながら、普段見かけるツートンカラーの4ドアセダン(ほぼクラウン)は、無線警ら車も交通取締用四輪車も、基本的に動力性能はノーマルのまま。

 警察庁の交通取締用四輪車の仕様書を見ると、 「排気量は、3,000cc級以上であること。ただし、排気量が2,000cc級以上3,000cc級未満のものにあっては、最高出力150kW以上であること」 とあるだけで、要は3000cc以上、もしくは、2000cc以上で204馬力以上あればパトカーの基準はクリアできるということ。

 ちなみに無線警ら車の基準はもう少し緩く、 「排気量は、2,500cc級以上であること。ただし、排気量が2,000cc級以上2,500cc未満のものにあっては、最高出力135kW以上であること」 となっている。

 220系クラウンで考えると、2リッター直4ターボが、180kW(245馬力)。2.5リッター直4ハイブリッドが、135kW(184馬力)。3.5リッターV6ハイブリッドが、220kW(299馬力)となっているので、少なくとも無線警ら車の基準はどれも満たしている。

 実際には、無線警ら車の2WD車と交通取締用四輪車ともにハイブリッドではなく、2リッター直4ターボの220系クラウンが選ばれ、各地に納入されている。

 予算がカツカツなのでカスタムしている場合ではない!?

 交通取締用四輪車の基準が150kW(204馬力)以上なのに対し、220系クラウンの直4ターボが180kW(245馬力)ならスペック的には十分で、わざわざチューニングする余地はない。

 また納入価格を見ても、2021年3月に行われた警察庁の入札価格の合計は約9億6548万円。これは234台の220系クラウンパトカー(2WD)の価格なので、1台分約413万円。

 ベースになった2リッター直4ターボの「RS」の新車価格が、510万円だったと考えると、パトカー仕様は内装などを簡素化していたとしてもかなり割安で、エンジンチューンに予算をまわせる余裕があるとは思えない。

 また、パトカーは日々過酷に使われるので、マイナートラブルやリコールにはかなり敏感。歴代クラウンも初期トラブルを警戒し、マイナーチェンジ後のモデルから納入開始することが多かったほどなので、トラブルリスクを背負ってまで動力性能を向上させるようなオーダーをするとは考えられない。

 ちなみに神奈川県警の無線警ら車の仕様書には、 「車両は、納入後において、修理等を円滑に行えること」 「車両を納入した日より36か月以内又は走行距離60,000km以内で、車両を構成する純 正部品について、材料又は技術上の欠陥が現れた場合は、無償で他の良品と交換若し くは修理すること」 という一文が入っている。

 さらに余談だが、パトカーには赤色回転灯がついているので、空力性能はかなり悪い。

 空気抵抗は速度の二乗に比例するので、例えばドアミラーのサイズでも、空気抵抗による馬力損失は、100km/hでおよそ1馬力、180km/hでおよそ5~6馬力といわれる。

 パトカーのあの大きな赤色回転灯だと、馬力損失も馬鹿にならないというわけだ。

 また、パトカーは通常2人乗車で、なおかつトランクには常時60kgの装備が搭載されているのが前提。重量的にはかなりマイナスになるので、パトカーの運動性能は、ベースのクラウンよりもかなり見劣りするのが現実だろう。

 速度違反のクルマを追いかけるときも、法定速度を遙かに上まわるような車両は、単独で追尾することはないとされているので、速度リミッターすら解除されていないと考えるのが妥当だろう。

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みんなのコメント

46件
  • 某県の日産ディーラーに勤務していました。
    当時、県警にBNR32のパトカーを納車しました。
    納車の段階で警察車両に必要な無線機やサイレンアンプ、赤色灯を装備しただけで、それ以外はまったくのノーマルです。
    ちゃんと定期点検に入庫していただいてましまが、その都度、職場のみんなと『何かやってるんじゃ?』とチェックしました。自己診断機も繋いでみましまが何もありませんでした。
    むしろ前述の機材、トランク内の機材で総重量が100kgほど増えており、動力性能を妨げてる事は確かですね。
  • パトカーがそんな改造されるわけないでしょwww

    塗装や装備品でかなりお金掛かるんだから、不必要な改造なんて絶対にありえない。

    そもそも、パトカーが追跡する逃走車ってのは、一般常識範囲内で逃げる車のことであって、
    超高級スポーツカーや改造車など、普通のパトカーではとても追いつけない性能の車が
    すごく速いスピードで逃走したら、追跡すること自体がルール違反。そんなの常識ですよ。
    「パトカーに追われた!」時点で、遅い車だと判断されてるわけですね。
    速い車だと判断されたら、追跡されません。それは、撮影だけして見送られるか、
    緊急性が高ければ複数のパトカーが先回りして進路をふさぎ、ヘリコプターが出てきます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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