2019年5月9日、マツダが決算発表のなかで、ついに“直6”エンジンの存在を明言! これまで当サイトでもマツダの直列6気筒エンジン開発についてお伝えしてきたが、マツダ自身がその存在について公式にアナウンスしたのは、これが初めて。
となれば、やはり気になるのは「実際にどの車に搭載されるか」だ。有力候補と言われてきたアテンザに、この直6エンジンが搭載されるのか? 取材を進めると、計画の輪郭が見えてきた。
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文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部、MAZDA
マツダが突如“直6”の存在を公式に明言!! 計画と搭載車は?
マツダ ビジョンクーペ。長いボンネットと短いフロントオーバーハングが特徴的
今回の決算発表で、マツダが直6エンジンに触れたのは「中期経営方針」において。
明らかにされた内容は「直列6気筒 SKYACTIV-Xと直列6気筒 SKYACTIV-D GEN2」のふたつのエンジンがあり、両エンジンは「Largeアーキテクチャー」用であること。
つまり、マツダが新たに開発している直6エンジンはSKYACTIV-Xとディーゼルの2種類で、それらは比較的大型のセグメント(=Largeアーキテクチャー)に投入されるということ。裏を返せば、搭載モデルを含むそれ以外の詳細は明らかにされていない。
では、この直6エンジンはどの車種に搭載されるのか? それを紐解く鍵となるのが、2017年の東京モーターショーに出展された「ビジョンクーペ」だ。
ビジョンクーペは、あくまでデザインスタディで、搭載エンジンはもとより、詳細スペックなどは発表されていない。ただ、実車を見ると、フロントオーバーハングは短く、そのシルエットは明らかに“後輪駆動車の”佇まい。
直6エンジンはレイアウト上、後輪駆動との組み合わせが基本となるが、長いボンネットからもビジョンクーペが直6+FRを想定した車であることは確実。
発売時期はともかく、このコンセプトカーが直6搭載モデルの第一候補となる。
新型アテンザに直6は搭載されるのか?
FR+直6エンジンを搭載するマツダの新型セダン(予想CG)。次期アテンザはどうなる?
さて、そうなると気になるのは次期アテンザの動向だ。
現行型アテンザは2012年の登場から、すでに8年目に突入している。歴代アテンザのモデルサイクルを振り返ると、初代は登場から7年目に、2代目は5年目にモデルチェンジを行い、次期モデルに引き継がれた。
この流れと照らし合わせても、現行型アテンザのモデルサイクルは明らかに長い。それは、同じ2012年に登場したCX-5、アクセラ(マツダ3)が、すでにモデルチェンジを行っていることからもわかる。
次のアテンザはまだ登場しないのか? ある関係者に聞くと、こんな答えが返ってきた。
「アテンザは昨年改良したので、しばらくはこのままで……(次期型は)もう少し先ですね」(マツダ関係者談)
モデルチェンジが近くなれば、現行型の大幅な改良は行わない場合がほとんど。つまり、2018年にアテンザが“大幅改良”を行ったのは、「もう少しこのモデルを売り続けますよ」というメッセージに他ならない。
従来のサイクルで2019年か2020年に次期型アテンザが登場するとすれば、「開発はかなり進んでいるのに、今さら直6の搭載は難しいのでは?」という見方もできるが、実際にはスケジュールは後ろ倒しされている。
加えて、マツダが「Largeアーキテクチャーに直6エンジンを投入する」と明言している点も大きなポイント。
この中期経営方針には「smallアーキテクチャーにSKYACTIV-Xを投入していく」とも記されていることから、マツダ3まではsmallアーキテクチャーに含まれる。
そして、1車種のためだけに新規エンジンを開発することは考えづらい。とすると、マツダが考える“Largeアーキテクチャー”=アテンザ以上の車格のモデルには、直6エンジンとFRをセットで展開していくのが現実的だ。
このように、状況を整理していくと、次期アテンザに直6エンジンが搭載される可能性は極めて高いことがわかる。
直6搭載車が「アテンザ」じゃないかもしれない理由
現行型アテンザは海外では「マツダ6」として販売されている
ただし、「直6エンジン搭載モデルが次期型アテンザになる」と現状では言い切れない。なぜか?
次期型アテンザ相当の大型セダンに直6エンジンを搭載される。その可能性は極めて高いが、車名がアテンザとなるかは流動的だからだ。
現在もアテンザは、海外で「マツダ6」として販売されている。
アクセラの車名を廃止してマツダ3がデビューした流れを考えれば、直6エンジン搭載モデルはマツダ6になる可能性が高い。あるいはマツダ6でもアテンザでもない別の車名ということもあり得る。
次期型アテンザ(マツダ6)のデビュー時期は2021年頃が有力とみられるが、今年の東京モーターショーで、新たな動きが見える可能性もある。その行方から目が離せない!
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