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【スーパーカー年代記 054】ジオット キャスピタはF1エンジンを搭載した日本の超スーパーカーを目指した

掲載 更新 7
【スーパーカー年代記 054】ジオット キャスピタはF1エンジンを搭載した日本の超スーパーカーを目指した

クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第54回は「ジオット キャスピタ」だ。

ジオット キャスピタ(1989-1992年)
前回に紹介した童夢-零/P-2の市販化プロジェクトが頓挫し、ル・マン24時間やグループCカーによるレースに参戦していた林みのる率いる童夢。童夢 P-2の撤退から10年後の1989年、服飾メーカーだったワコールの出資で設立されたジオット・デザインの企画のもと、童夢が開発と製作を行った新たなスーパースポーツカーが、その年の東京モーターショーで初公開された。

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その名は、「ジオット キャスピタ」。ジオット(JIOTTO)という社名は中世後期のイタリアの画家であるジョット・ディ・ボンドーネに由来し、キャスピタ(CASPITA)という車名はイタリア語で驚きを表す感嘆詞から命名されたという。ランボルギーニ カウンタックの車名がイタリア ピエモンテ地方の感嘆符的な言葉(クンタッチ!)が語源、ということと共通性を感じさせる。

フレームはカーボン製のモノコック。可動式の大型リアウイングも備え、レーシングプロトタイプを彷彿とさせる空力性能の良さそうなスタイルは、GMやオペルでデザインを担当していた伊藤邦久の手になるもの。レッド/ブラックの2トーンで仕立てられたインテリアは、イタリアン スーパーカーかと思わせるような美しい仕上がりだった。

コクピットの後ろにミッドシップ搭載されるパワーユニットには、当時スバルとイタリアのモトーリ・モデルニ社が共同開発していた、F1マシン用の3.5L 水平対向12気筒DOHCが計画された。スバルは、このエンジンをコローニに搭載して1990年シーズンのF1グランプリに参戦したが、信頼性などの問題もあり予選落ちする不振が続き、シーズン途中で撤退することになる。

それゆえ急遽キャスピタのパワーユニットを変更することになり、紆余曲折の末、やはりF1などで使われていたイギリスのジャッド製V10エンジンを搭載することになる。水平対向エンジンからV型エンジンへとパワーユニットが変わったための設計変更がなされ、またボディデザインも一部変更された。こうして1992年に完成した2号車は、市販を目指しテスト走行が重ねられていた。だが、2号車が日本のナンバープレートを取得した1993年にはバブル景気は崩壊し、キャスピタは2台のプロトタイプを生産しただけで童夢は市販化をあきらめた。

2020年現在、スバル-モトーリ・モデルニの水平対向エンジンを搭載したキャスピタの1号車は石川県小松市の日本自動車博物館に展示されており、その美しい姿を見ことができる。

ジオット キャスピタ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4534×1996×1136mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1100kg
●エンジン種類:水平対向12 DOHC
●排気量:3497cc
●最高出力:585ps/10750rpm
●最大トルク:37.0kgm/6000rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:前245/40ZR16、後355/35ZR17

[ アルバム : ジオット キャスピタ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

7件
  • 搭載が予定されていたエンジンは水平対向12気筒では無く、F1と同じで180度V型12気筒だったはず
  • モーターショーでこの車を触って注意された懐かしい思い出。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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