motorsport.comの調べによると、FIAによるフレキシブルウイングに関する調査の一環として、選ばれたF1チームはベルギーGPのフリー走行で新たなビデオカメラを装着しなければならないという。
マシンのバランスを向上させるため、各チームはフレキシブルなフロントウイングを採用するケースが増えているようだ。一部チームはライバルがこの分野の開発をプッシュしすぎていると疑問視しており、ここ数週間でこの問題にスポットライトがあたっている。
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これまでFIAは、フロントウイングの挙動がレギュレーションに準拠していることに満足しており、現在の静的テストでも十分に状況をコントロールできると考えていた。
しかしチームに対し、状況をより深く理解するために行動を起こすと通達したことが明らかになった。
FIAのシングルシーター担当ディレクターであるニコラス・トンバジスから全競技者に送られた技術指令では、ベルギーGPでの金曜フリー走行が、一部のフロントウイングがどのような動きをしているのかについて詳細なビデオ映像を撮影するために使用されることが各チームに通知されている。
motorsport.comが入手したその技術指令のコピーによると、トンバジスは「選ばれたチームはマシンにワイヤレス録画カメラを追加装着する必要がある」と述べている。
このカメラの設置場所はFIAによって指定されており、ターゲットドットの移動と回転をトラッキングするために、インボードに面する垂直面に焦点を合わせることになっている。
これらのドットは直径20mmの単色で、エンドプレート内側に貼られる。さらに、フラップの端(エンドプレート側とノーズ側)にもドットを配置し、カメラはそれを目印にこれらのエレメントがどれほど変形・回転しているかをチェックすることになる。
ベルギーGPのFP3以降はチェック用のカメラは取り外され、従来のカメラ位置に戻る。
こうした情報収集により、FIAは選ばれたチームのフロントウイングがどのような挙動を示すのか、またレギュレーションに変更が必要かどうかをよりよく理解することができる。
カメラ作動時に特定のウイングを使用することでチームがチェックを回避することができないように、FIAは事故やセッションの短縮など、それを妨げる不可抗力の事情がない限り、1セッションのタイム計測周回数の50%以上にカメラを装着することを義務付けている。
FIAのチェックに何チームが選ばれるかは不明だが、レッドブルやフェラーリ、メルセデス、マクラーレンなど、上位を走るすべてのチームが多かれ少なかれこのようなコンセプトを採用していると見られている。
F1におけるフレキシブルウイングは、空力パーツの性質上、高速走行時に発生する高い負荷にさらされたときに完全な剛性を保つことはできないため、長らくグレーゾーンとされてきた。
FIAはピットでウイングに荷重をかける静止テストを強化し、チームがフレキシブルすぎるコンポーネントを使用していないかをチェックしている。
しかし、フレキシブルなフロントウイングは新世代のグラウンドエフェクトカーをよりバランスよく走らせるために特に有効であるため、各チームはその設計をますます活用するようになっている。
メルセデスは、モナコGPで初投入された新型フロントウイングにある程度の柔軟性を持たせることは、レギュレーションで認められている範囲内であり、マシンバランスにとって有益だと率直に明かしている。
チームのテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、新フロントウイング投入後に次のように語っている。
「我々全員がFIAの柔軟性テストに確実に合格しようとしている。彼らはウイングに負荷をかけ、一定以上は動かないようにしなければならない」
「でもそれをクリアし、負荷がかかったときに物が普通に曲がるようにウイングが曲がっていれば、FIAと相対するドラマは起きないんだ」
FIAは今すぐウイングの静止テストを見直す必要はないと考えているが、ベルギーGPのフロントウイングを分析した結果、チームが許容されるべき限界を超えていることが明らかになれば、テストの方法を変更する可能性も出てくるだろう。
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