この連載では、昭和30年~55年(1955年~1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第96回目は、ホットハッチの魅力を存分に振りまいた、トヨタ スターレット1300 3ドアSの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
元祖ホットハッチがトヨタから登場!
ハードサス装備の「S」はリアルスポーツカー的
昭和53(1978)年に発売されたKP61はスターレットとしてはKP47に続く第2世代目で、これ以降継承されていくことになる2ボックススタイルが確立されたクルマとなった。それまでの「パブリカ」と「パブリカスターレット」の2車種を統合して「スターレット」と独立させたクルマでもある。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
開発コンセプトは、もちろん小型大衆車としての機能性を追求することだった。この頃は2ボックスハッチバックが世界的に小型車の主流となっていたのだ。このクルマもこの流れに乗るべく、3/5ドアの2ボックスハッチバック車となったわけだ。
トヨタはこれにスポーティグレードとしてSモデルを設定し、好評を博した。スタイリングは直線と曲線をうまく織り交ぜてスマートに仕上げている。コンパクトで嫌味のないデザインが印象的だ。
インテリアも車格に見合うようなシンプルなものだが、インパネ右側に大径のタコメーターが備わりその気にさせられる。シフトレバーの位置も自然なもので、 ABCペダルも適切な位置にあるのでヒールアンドトウもしやすいものとなっていた。ステアリングホイールは3本スポークのオーソドックスな形状となっている。
搭載されたエンジンは従来型のストロークアップで1.3Lとした直列4気筒OHVの4K-U型だ。動弁機構はすでに旧式と言えたが、信頼性は抜群のものがあった。72ps/5600rpmの最高出力はこのクラスでも特別目を引くものではなかった。
しかし、1300Sの評価を絶対的なものとしたのは、わずか710 kgに抑えられた車重だった。これによりスポーツ性能が担保されたのだ。
もう一つ大きな支持を得た理由がある。このクラスの2ボックスハッチバックの主流がFFだったところにFR方式を採用したことでユーザーには喜ばれたのだ。やはりテールスライドやドリフト走行が可能なこの駆動方式の人気は根強かった。
走りを支えるサスペンションはフルモデルチェンジに伴って、大きくその構成を変化させている。フロントは一般的なマクファーソンストラットだが、リアは従来のリーフリジッド式から、現代的なコイルスプリングを使用した4リンク・リジット式が新たに与えられることになった。
デフとドライブシャフトを一体としたホーシングを上下2本ずつ4本のリンクで前後方向の位置決めをし、ボディとホーシングを斜めにつなげるラテラルロッドで横方向の位置決めをするというこの形式は「足のいいやつ」で売ったカリーナと同様となる。
ステアリングはラック&ピニオン方式だ。現在では当たり前の機構だが、実にトヨタが量産車種の分野でこれを採用するのは、トヨタ2000GTを別格とすれば、このスターレットが最初の試みであった。これがスポーティなイメージをさらに印象付けることになる。ブレーキはフロントにディスクブレーキを採用し、安定した制動性能を確保した。
スターレット1300Sの走りは軽量なボディと素直なハンドリング特性に象徴される。このSグレードに装備されたタイヤは他グレードの12インチに対して13インチ、さらにサスペンションもハードなセッティングとされていたため、ワインディングロードでの走りは純粋なスポーツカーに近いフィーリングにまとめられていた。
コーナーでは比較的低速からリアがブレークし始めるため挙動が穏やかで、カウンターが当てやすかった。これがドライバーの制御達成感につながり、どんな場所でも自在に振り回せる自信となっていく好循環を生み出していたのだ。
このハンドリングの素直さに注目したチューナーも多かった。ナンバー付きの車両で行われたワンメイクレースや、オーバーフェンダーやスポイラーなどを装着した当時のTS(グループ4)仕様によるレース、そしてラリーなど、KP61スターレットはモータースポーツ入門車としても絶大な支持を得たのだった。
このクルマでドライビングをマスターしたとか、モータースポーツに興味を持ってジムカーナやダートトライアル、そしてレースやラリーに参戦したという人は少なくない。
トヨタ スターレット1300 3ドアS(KP61型)諸元
●全長×全幅×全高:3725×1525×1370mm
●ホイールベース:2300mm
●車両重量:710kg
●エンジン型式・種類:4K-U・直4OHV
●排気量:1290cc
●最高出力:72ps/5600rpm
●最大トルク:10.5kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:145SR-13
●新車価格:82万1000円
[ アルバム : トヨタ スターレット1300 3ドアS(KP61型) はオリジナルサイトでご覧ください ]
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
トヨタ「アルファード」サイズの「3列シートミニバン」!? 全長4.9m“ながーーい”ボディ×「めちゃシンプルデザイン」採用! 「手頃感がちょうどイイ」独の「Tクラス」とは
32年ぶり復活! 新型「コンパクトSUV」に反響多数! “カクカク”ボディの「旧車デザイン」に「カッコイイ」の声も! 新型「4(キャトル)」フランスで発表され話題に
「なんでこんなにお金取られるんですか…」国民ブチギレ!?「103万の壁」「106万円の壁」どうなる? カーライフでも「世界イチ高い」自動車諸税が問題に! 搾り取られる日本人の「お金」とは
「こんな山にIC作ったの…?」 まもなく全通「100キロ信号ナシ無料バイパス」の新ICが秘境感たっぷり…「この山トンネル通すんですよ」
「バスが発進しようとしたので、急いで前に詰めたら、鳴らされました。運転手は懲戒処分ですよね?」質問に回答殺到!?「常識外れ」「もう運転やめてくれ」の声も…法律では誰が悪いのか
「右車線ずっと走って何が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「捕まるよ」「違反です」の声も…投稿者は「後ろから煽るほうが悪い!」と主張 法律ではどちらが正しいのか
崖っぷちの英国自動車業界に「希望」がある理由 日本も無関係ではなかった
6速MTあり! 全長4.5m級“ちょうどいいサイズ”の「新型スポーツカー」が凄い! 480馬力“直6ツインターボ”×FRのみってサイコー! 新型「BMW M2」どんなモデル?
「なんでこんなにお金取られるんですか…」国民ブチギレ!?「103万の壁」「106万円の壁」どうなる? カーライフでも「世界イチ高い」自動車諸税が問題に! 搾り取られる日本人の「お金」とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
いい時代ですね、昭和は。
この時代は日本のラリーも結構盛んで、ラリーストにはレビン/トレノよりも4ドアセダンに2TGツインカムを乗せたGTの方が人気があった
KP61スターレットやシャレード、ランサーターボやジェミニZZなど、面白い車がたくさんあった