上質感を高めたドライバビリティが魅力だった
これは筆者の感覚だが、マツダ「ロードスター」のユーザーは、他のどの車種のユーザー以上に博愛主義者が多いような気がする。たとえ自分がどれか特定の世代のオーナーであっても、すべての世代のロードスターを平等に分け隔てない眼差しを向けている風に感じるからだ。筆者も現役時代の初代・NA型の元オーナーだからわかるが、街中でロードスターを見かけると、どの世代か以前に「ロードスター」と総体で捉えて、今でも変わらず「ああ、やはりロードスターは愉しそうなクルマだなぁ、いいなぁ」と、温かい気持ちで見守っている気がする。
走行23万キロ超のマツダ「ロードスター」が再び不動に! 今回エンジンがかからなくなった原因とは?
NC型ロードスターの最大トピックはプラットフォームの一新
初代NA型の登場は1989年だから、じつに34年も前のこと。また、NA型と2代目のNB型はともに8年+のライフだった。「世界でもっとも売れた2人乗りオープンスポーツカー」としてギネスブックに認定されたのはご存知のとおりで、2代目NB型の生産終了時点までで70万台超の実績を残していた。
そのあとを受けて3代目・NC型は2005年8月に国内販売開始。そして4代目・ND型が登場する2015年5月まで10年弱と、じつはそれまでのNA型、NB型よりも1年以上長く続いた。
このNC型のニュースは、プラットフォームが一新されたことだった。NA型→NB型ではハードトップがそのまま使えたほどだったが、たとえばボディサイズで見ると、NB型に対して全長+40mm(3995mm)、全幅+40mm(1720mm)、全高+10mm(1245mm)、ホイールベース+65mm(2330mm)と拡大した。
これは「RX-8」と同じラインで作られる事情もあった。ただし重量増はNB型に対して最小限に抑えられ、開発時に「グラム作戦」を実行。あらゆるパーツ、部位の軽量化に徹底的にこだわったことは当時、貴島孝雄開発主査をはじめ、どの開発関係者からも聞かされた話である。
パッケージングとしては、NB型に対してフロントホイールセンターからエンジン中心までの距離を135mm後方に移動し、ガソリンタンクも120mm下方に移動。バッテリー搭載位置もNBのトランクからボンネット内に移動させ、車両中心からの距離を1595mmから1330mmに短く(近く)するなどしていた。
メカニズム面ではエンジンを一新。当時の「アテンザ」などに搭載されていた2LのMZR型DOHCエンジンを縦置きに改良したうえで搭載し、シーケンシャル・バルブタイミング、可変吸気システムなどを採用していた。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアにはマルチリンク式を採用している。初代NA型以来の前後アクスルを繋ぐパワープラントフレームはこのNC型でも踏襲した。
ソフトトップ仕様は全車MTのみの設定
スタイリングは、前後フェンダーに抑揚を持たせたNB型から一転、ボディ全体を樽型のオーバルシェイプでまとめ、ホイールアーチを張り出させる形状に。初代NA型以来の、ロードスターらしいドライバーの肩口が見えるデザイン(ボディの薄さ)としている。インテリアではフラットなメーターガラス、横方向に構造体が通っているように見せたインパネなどが特徴だった。
それとNC型では、Z型に折り畳む方式のソフトトップの採用も新しかった。NB型まではトップを開くと最終的に内側が上を向いて格納状態となり、ホコリが積もらないようトノカバーをかける必要があったが、NC型はルーフ面が上になった状態で折り畳むところが合理的だった。
ルーフといえばもうひとつ、NC型登場1年後の2006年8月に発売された「パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)」も注目された。約12秒の電動開閉スピードは世界最速(!)をうたい、3分割ルーフはトランクではなくシート背後の専用スペースに格納され、オープン時(つまりルーフ格納時)もソフトトップと同じ150Lのトランク容量を確保していたのも大きな特徴。前後重量配分50:50も確保した、ロードスターらしいスペシャルモデルだった。
また2008年12月にはマイナーチェンジが実施された。このときに外観上では、フロントグリル形状がそれまでのシンプルなオーバルから、他のマツダ車共通のデザインに寄せた「5角形グリル」となるなどして(ごく個人的な感想としては、オーバルの方がスタイルに馴染んでいてよかったのに……と思った)、全長は4mをわずかに超えた4020mmに。さらにソフトトップ仕様が全車MTのみ(5速または6速)の設定になるなどした。
記憶が正しければ、筆者がNC型ロードスターに最後に十分な距離を試乗したのは、トヨタから初代「86」が出た際に雑誌の企画で比較試乗したときだから、たぶん2012年だったと思う。NC型はエンジンが2Lになったこともあり、ロードスターらしい軽快な走りが失われた等の声もあった。だが、筆者は日常+αに乗りこなす分には大きな不満はなかったし、むしろしっとりと上質感を高めたドライバビリティが魅力にさえ思えた。ND型現行ロードスターのほんの1世代前のクルマだが、懐かしいと思えるのは、やはりそれだけ時代が流れたということなのだろう。
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みんなのコメント
現行はフルオープンではなく頭上はオープンするが背面が残るいわゆるタルガトップ。
3代目のRHTは開けてしまえば幌車と遜色なく、フロントガラス以外のサイドからリア、背後にかけてフルオープンとなり開放感は現行のRFより上。
さらにこのオープン機構がコペンのように通行人が振り返ってしまうようなウィーンと鳴り響く大音量のモーター音があるのではなくほぼ無音でさらに開閉スピードもほぼトップクラス。
とてもスマートにルーフが収納される。
発売されてからかなり月日が経ったが国内の電動フルオープンの完成形だと思ってる。
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間違った認識、あからさまな印象操作は止めましょう。
他世代ロードスター乗りから明らかにハブられてるのがNCです。