ミニらしさ引き継ぐシンプルデザイン
ミニは、2024年に発売予定の新型クーパーEVのインテリアを初公開した。1959年にアレック・イシゴニスがデザインした初代モデルに影響を受け、シンプルでレトロフューチャーなレイアウトとなっている。
【画像】新世代のミニ・クーパー登場【インテリアとエクステリアを写真で見る】 全21枚
新型クーパーEVのコックピットは、「これまで以上にミニらしい」と表現されている。中心となるのは、トレードマークのセンタースピードメーターをモデルにした、大型のセンタータッチスクリーンである。
センタータッチスクリーンには新しいグラフィックとモチーフを採用し、新世代のインフォテインメント・インターフェースを実装する。また、デジタルメータークラスターの代わりに、速度や進行方向などの重要な情報を表示するヘッドアップディスプレイが採用されている。
特徴的なLED照明パターンがダッシュボードに内蔵されているが、クライメートコントロール(空調)の操作用トグルスイッチが引き継がれるなど、従来モデルで慣れ親しんだ要素も見られる。
ギアの選択はステアリングホイールの後ろにあるレバーで行うようになり、ステアリングホイール自体は小径化して「スポーティ」になったが、物理的な操作系もまだ残っている。低く設定されたセンターコンソールには、2つのカップホルダー、2つのUSB-C充電ポート、そしてゆったりとした収納スペースが備わる。
人工的な合成サウンドシステム搭載
ミニによると、新しいアニメーション、サウンド、プロジェクションを多数搭載した「没入型」インテリアは、車両を「あなたのデジタル・パートナー」とし、キャビンをよりミニマルにすることで「デジタル・インタラクションやデジタルで増幅された新しい体験のための、より創造的なスペース」を提供するという。
クーパー、エースマン、カントリーマンといった新世代ラインナップの各モデルに、新しいドライビング・サウンドトラックとジングルが搭載され、ミニが言うところの「没入型」ドライビング体験を提供する。
ミニのデザイン責任者であるオリバー・ハイルマー氏は、次のように述べている。
「新しいサウンドはデジタル体験に不可欠な要素であり、それぞれの新モデルの特徴に合わせて個別に調整されています」
「インテリアでは乗員にエモーショナルなアピールをすると同時に、外界に対する音響的な知覚を形成します。また、見た目だけでなく音も、まぎれもなく『ミニ』になります」
新型クーパーEVには「コア」、「ゴーカート」、「タイムレス」、「バランス」の4つのエクスペリエンス・モードがあり、それぞれに独自の加速サウンドが用意されている。いずれも合成されたものだが、スロットル入力とリンクしたリアルな情報を伝えるという。
特にコア(Core)モードのサウンドトラックは車外からも聴くことができ、歩行者に車両の接近を知らせることが可能だ。エンジン車のような排気音とは異なり、同モードでは「暖かさを放射する太陽」のような「魅力的で、エネルギッシュで、刺激的」なサウンドと説明されている。
一方、ゴーカート(Go-kart)モードはスポーティさを表現するようチューニングされており、タイムレス(Timeless)は往年の内燃エンジン搭載ミニの要素を加え、バランス(Balance)は「昼夜の異なる時間帯に森で体験する音、すなわち小川のせせらぎからコオロギの鳴き声、梢を揺らす風のざわめきまで」がベースとなっている。
原点回帰を目指した次世代3ドア・ハッチ
新型クーパーEVは、BMWと長城汽車の合弁会社であるスポットライト・オートモーティブ(光束汽車)が設計した新しい前輪駆動プラットフォームを使って、中国で生産される予定だ。
一方、クーパーのガソリンエンジン仕様は英オックスフォードで生産される予定で、まったく別のプラットフォームを使用するが、デザインの方向性は変わらない。
AUTOCARはミニから新型車の画像を入手するとともに、ステファニー・ヴルストCEOから詳しい説明を受け、スウェーデンでプロトタイプに試乗することができた。新型クーパーの走りについては試乗記でご確認いただきたい。
全体的なスタイリングは現行型とよく似ており、全長も3800mm程度を維持している。しかし、新世代のクーパーを形作るにあたって、デザイナーが「象徴的なハッチバックを原点に戻す」ために努力したことは明らかだ。
ワイドトレッド、ショートオーバーハング、ロングホイールベース、大径ホイールにより、クーパーはさらに自身に満ちたスタンスとなった。ミニマリズム(ひいてはサステナビリティ)を重視するブランドの方針に従って、ピュアでシンプルな処理が全体に施されている。
現在のミニ・クーパーEのような、がっしりした黒い樹脂製ホイールアーチ、クラムシェル型ボンネット、コントラストを効かせるトリムアクセント、ヘッドライト周りのクロームメッキパーツはなくなり、ファッション性よりも機能性を重視したフレッシュな外観が採用された。
ミニのブランドCEOであるヴルスト氏は最近、AUTOCARの取材に対し、あからさまな「プレミアム志向」を抑えた理由について、次のように語っている。
「ミニはとてもモダンでコンテンポラリーな製品だと思います。大きいとか、プレミアムであるとかは重要ではありません。ある種のライフスタイルに関するものです。物事をもっと簡単に捉えます。自分の収入状況や、どのような階層で働いているかということにピリピリすることはありません。心の状態を表すものなのです」
新型クーパーEVは2024年5月に発売される予定で、その約2か月後にガソリン車のクーパーが発売される予定だ。
性能に関してはまだ明らかではないが、新型クーパーEVの最高出力は現行型クーパーEの184psに匹敵し、0-100km/h加速はおよそ7.0秒と予想されている。これは、現在のガソリンエンジン搭載のクーパーSとほぼ同等の加速性能だ。
また、200ps以上の出力が期待されるクーパーS Eも控えており、黎明期の電動ホットハッチ・セグメントで覇権を争うことになるだろう。最終的には、約250psを発揮すると思われるジョン・クーパー・ワークス(JCW)がトップに立つだろう。
新型クーパーEVは40kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は386km(現行型クーパーEは241km)、新型クーパーS Eは54kWhのバッテリーを搭載し、航続距離480kmを目指す。
ミニは、電気クーパーの充電時間や、プラットフォーム内でのバッテリーの配置についてはまだ確認していない。
ガソリンエンジン仕様の新型クーパーは、基本的に2014年から販売されている現行世代の発展型で、現在のターボエンジン(クーパーで1.5L 3気筒、クーパーSで2.0L 4気筒)を改良し、燃費効率と性能をに向上させる見込みだ。
仕様詳細は発売間近になるまで公表されないが、現行型クーパーEの英国価格が3万2550ポンド(約585万円)からであることを考えると、新型クーパーEVは3万ポンド(約540万円)をいくらか上回る価格からスタートすると予想される。
最も近いライバルであるフィアット500eは現在2万8195ポンド(約500万円)から発売されているが、こちらは24kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電での航続距離は190kmにとどまる。
ボディタイプとしては、EVとガソリン車いずれも3ドアのハッチバックのみとなる。
5ドア・ハッチバックは、EV専用モデルの新型エースマンに間接的に置き換わる。コンバーチブルの後継車も計画されているが、登場は2025年以降となる。
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みんなのコメント
航続距離240kmくらいだぞ。。
せめて50kwhは搭載しないと今の基準ではない。、
2017年のリーフと同じだよ?40kwhなんて。、