1月13日から「東京オートサロン2023」(千葉県・幕張メッセ)が開催中だ。ダイハツは8台ものコンセプトカーを展示した。アトレー・ワイルドレンジャーに次ぐ個性的なハイゼット・トラック・ジャンボエクステンドに注目!
グッドデザイン
機能をデザインに昇華──アトレー・ワイルドレンジャーに注目!
ダイハツ・ブースで、目を惹いたのがモータースポーツ仕様のハイゼット・トラック・ジャンボエクステンド。
思いきりレース仕様に仕上げた「コペン」と並べて展示されたハイゼット・トラック・ジャンボエクステンドは、小さなモータースポーツともいうべき、ダイハツがずっと追求しているテーマに沿った提案だ。
デザインコンセプトを担当したのは、ダイハツ工業くるま開発デザイン部の里舘ひなのさん。“世界最小のモーターホーム”というのがコンセプト、と教えてくれた。
なにしろ、ベースはハイゼット・トラック・ジャンボ。全長3395mm、ホイールベース1900mmとコンパクトな軽貨物である。
ところが、ハイゼット・トラック・ジャンボエクステンドは、車名に「ジャンボ」とあるとおり、ベースがハイゼットとはなかなか意識させない。デザインの妙に感心してしまう。
ハイゼット・トラック・ジャンボの荷台にドライバーのためのキャビンが載る。スライドで後方に引き出せるという凝ったデザインで、奥行きの長い空間が生まれる。
どれだけ広くなるかというと、通常は1.5mの奥行きが、最大2.6mにまで伸長するそうだ。
出入りする後方からのぞくと、天井、壁面、床面とあざやかな赤の素材で覆われ、たしかにここに入ったら、ドライバーはくつろげそう、と思う。
エクステンドすると、とうぜん床面にはギャップが出来るわけだけれど、そこはクッションで埋めるそうだ。
あざやかな赤色は、外装でも効果的に使われている。荷台を伸ばすと出てくる車体の部分も赤。運転席まわりも赤。おおぜいの来場者が「きれい」と、足を止めていた。
「伸ばしたときの驚きも、あざやかな赤で演出したかったんです」
前出の里舘さんは説明してくれた。
モーターホームになる荷室は、いちおう手動で伸ばすことになっている。「このクルマのユーザーは、“電動でなくていい”と、おっしゃる方々」だそう。
伸ばすと、折りたたみ式の脚が後端を支える仕掛けになっている。クルマの可能性を感じさせる、けだしグッドデザインである。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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