現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 車種の多さがヤバすぎ! 迷走していた頃のマツダ車5選

ここから本文です

車種の多さがヤバすぎ! 迷走していた頃のマツダ車5選

掲載 更新 55
車種の多さがヤバすぎ! 迷走していた頃のマツダ車5選

■まさにバブルの遺産といえるマツダの迷車を振り返る

 1980年代が終わろうとしていた頃、日本がいわゆるバブル景気にわいていた時に、マツダは販売する車種の拡充を図るために、5つの販売チャネルを展開しました。

なぜホンダの技術はマネされない? 他社が採用しない理由

 具体的には、マツダ店、アンフィニ、ユーノス、オートザム、オートラマで、アンフィニ、ユーノス、オートザムについてはブランドとしても使われていました。

 その頃のマツダの勢いがあり、実際に急激な車種の拡大をおこない、ラインナップは拡大の一途をたどりました。

 そこで、1980年代の終わりから1990年代初頭に登場したマツダの迷車を、5車種ピックアップして紹介します。

●ランティス

 1993年に発売された「ランティス」は4ドアセダンと5ドアハッチバックの2タイプのボディが設定され、いまなら流麗なフォルムのクーペセダンと呼べるモデルです。

 全長4245mm×全幅1695mm×全高1355mm(ハッチバック)のボディに搭載されたエンジンは、1.8リッター直列4気筒と2リッターV型6気筒の2種類で、当時、このクラスでV型6気筒エンジンはかなり珍しい存在でした。

 シャシは「ファミリア」などとは共有せずにランティス専用に開発されるなど、開発にはかなりコストがかかっていたと思われます。

 一方、全日本ツーリングカー選手権(JTCC)にV型6気筒エンジン車で参戦するも、レースで好成績を残すには至らず、速さのアピールには繋がりませんでした。

 ユニークなデザインや走りは総合的に評価が高かったものの、ヒット作になったとはいえず、1997年に生産を終了しました。

●ペルソナ

 1980年代の後半になるとクルマの高級化が進み、中級サルーンにも高級さを求めるニーズが高まったことで、マツダは1988年に「カペラ」をベースとした4ドアピラーレスハードトップの「ペルソナ」を発売。

 外観はカペラのイメージを受け継ぎながらも、角を丸めることで全体的にやわらかな印象に変化し、Bピラーを排除したことで、開放感のある斬新なキャビンを実現しています。

 内装もユニークで、高級感を演出するためにラウンジソファータイプのリアシートとし、内装表皮の半分以上が革張りとなっているだけでなく、デザインを重視したためにグローブボックスを排除するほどのこだわりようです。

 搭載されたエンジンはカペラと同じ2リッターと1.8リッターの直列4気筒で、パワーはこのクラスでは平均的なものでした。

 1989年にはユーノスブランドからユーノス「300」としても発売されましたが、贅沢さに対するニーズもバブル経済の終わりとともに消え去ってしまったことで、1992年に生産を終了しました。

●ファミリアNEO

 コンパクトなボディに強力なDOHCターボエンジンと、国産車初のフルタイム4WDシステムを搭載したモデルをラインナップした6代目「ファミリア」は、ラリーでの活躍もあって、スポーティモデルとしてブランドイメージが高まりました。

 そして、さらに高性能化した7代目でしたが、国内景気の低迷の影響などもあり、1994年にモデルチェンジされた8代目では高性能バージョンは用意されず、スポーティな派生車「ファミリアNEO」が登場しました。

 クーペでありながら比較的全高を高くしたことで、通常の3ドアハッチバック並みのスペースユーティリティを実現。

 海外ではスタイルが評価されましたが、国内ではデザイン的に優れていると評されることはありませんでした。

 また、エンジンも1.8リッターと1.5リッターの平凡な直列4気筒しかなく、7代目までの高性能エンジンが設定されていなかったことが不人気の要因のひとつだったようです。

 そのため、登場から2年あまり経った1996年に、ファミリアNEOはラインナップから消滅するかたちで、国内販売が終了となりました。

■メカニズム的には意欲作だったモデルとは!?

●MX-6

 1992年に発売された「MX-6」は、コスモやRX-7と異なるキャラクターの2ドアスペシャルティカーとしてデビュー。

 外観はワイドボディかつ伸びやかなフォルムと、美しいボディラインが特徴のクーペで、当時のアメリカ車を意識したような印象でした。

 搭載されたエンジンは、フォードブランドで販売されていた2代目「プローブ」と同じ、2.5リッターV型6気筒と2リッターの直列4気筒を設定。

 MX-6は、車格的にライバルだった日産「シルビア」やホンダ「プレリュード」とは異なり、V型6気筒エンジンによる余裕ある走りと豪華な装備で、ジェントルな1台に仕立てられていました。

 しかし、発売した時にはバブル崩壊による景気低迷が始まっており、販売数が伸びることはなく1995年には生産を終了してしまいました。

●プレッソ

 1991年にマツダはユーノスブランドから、コンパクトで特徴的なデザインの3ドアハッチバッククーペ、ユーノス「プレッソ」を発売。

 バブル経済の絶頂期に企画されたという背景もあり、コンパクトな車体ながら当時世界最小の1.8リッターV型6気筒エンジンを搭載し、大いに話題となりました。

 このV型6気筒エンジンは最高出力140馬力(後にハイオク仕様となって145馬力に向上)を発揮し、高級感を演出することが目的でした。

 ところが、フロントが重くバランスが悪くなったことや燃費の悪さから、同じシャシに1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載する姉妹車の、オートザム「AZ-3」のほうが好評となります。

 その後、1993年にはプレッソにも1.5リッターエンジン車が追加され、同時にAZ-3に1.8リッターV型6気筒エンジン搭載車が追加されたことで、ラインナップの統一化が図られました。

 しかし、1998年にベース車のファミリアのモデルチェンジの際に、販売台数の低迷から2モデルともに生産終了となりました。

 プレッソは技術的には力作だったにも関わらず後継車はなく、悲運のクルマとなってしまいました。

※ ※ ※

 バブルが崩壊した後マツダの業績は悪化し、販売チャネルの縮小をおこないましたが、1996年にはフォード傘下となってしまいました。

 この頃のマツダを振り返ると悪いことばかりのように思われますが、ユーノス「ロードスター」やユーノス「コスモ」といった、いまも語り継がれる名車も誕生しています。

 その後、マツダの業績は好転し、2015年にはフォードとの提携を解消。近年はCXシリーズに代表されるSUVが好調なセールスを記録し、ラインナップの拡充を続けています。

こんな記事も読まれています

マツダ新型「最上級モデル」初公開! FR×直6エンジンでめちゃ“楽しそう”! 日本販売も予定のビッグな「CX-80」は「CX-8」と何が違うのか
マツダ新型「最上級モデル」初公開! FR×直6エンジンでめちゃ“楽しそう”! 日本販売も予定のビッグな「CX-80」は「CX-8」と何が違うのか
くるまのニュース
2.7億円ではポルシェ「959」はお高い? F1パイロットも歴代オーナーに名を連ねる渋色「コンフォート」はフルレストア済みのお買い得車!?
2.7億円ではポルシェ「959」はお高い? F1パイロットも歴代オーナーに名を連ねる渋色「コンフォート」はフルレストア済みのお買い得車!?
Auto Messe Web
テオ・プルシェールがアロウ・マクラーレンと正式契約。インディ500を除く2024年インディカーの全戦に出走へ
テオ・プルシェールがアロウ・マクラーレンと正式契約。インディ500を除く2024年インディカーの全戦に出走へ
AUTOSPORT web
フレッシュアップされた2代目 日産「ジューク」に初試乗
フレッシュアップされた2代目 日産「ジューク」に初試乗
AutoBild Japan
【セーフティカーは速くないと】 ポルシェ・タイカン・ターボGTがフォーミュラEのSCへ
【セーフティカーは速くないと】 ポルシェ・タイカン・ターボGTがフォーミュラEのSCへ
AUTOCAR JAPAN
渋谷に「最強オフロードSUV」現れた!? 新型「ラングラー」発表! デザイン刷新で魅力増した!? 打越社長が語る魅力とは
渋谷に「最強オフロードSUV」現れた!? 新型「ラングラー」発表! デザイン刷新で魅力増した!? 打越社長が語る魅力とは
くるまのニュース
ホンダ「次期型オデッセイ」どうなる!? “大胆”刷新で近未来デザインに? 「高級ミニバン」次なる進化とは
ホンダ「次期型オデッセイ」どうなる!? “大胆”刷新で近未来デザインに? 「高級ミニバン」次なる進化とは
くるまのニュース
冒険を楽しめるキャンプミーティングも開催! クシタニ「ONTAKE EXPLORER PARK」の2024年シーズンがスタート
冒険を楽しめるキャンプミーティングも開催! クシタニ「ONTAKE EXPLORER PARK」の2024年シーズンがスタート
バイクのニュース
期待通りの大ヒットに! V12に5.3Lってロマンの塊だな!! 英国スポーツカーの象徴[ジャガー Eタイプ]
期待通りの大ヒットに! V12に5.3Lってロマンの塊だな!! 英国スポーツカーの象徴[ジャガー Eタイプ]
ベストカーWeb
生誕60周年! ホンダ「S600」はなぜ生まれた? ニュルでクラス優勝して世界に名を知らしめたブラバム ホンダのコンビとは?【クルマ昔噺】
生誕60周年! ホンダ「S600」はなぜ生まれた? ニュルでクラス優勝して世界に名を知らしめたブラバム ホンダのコンビとは?【クルマ昔噺】
Auto Messe Web
5月11日(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
5月11日(土)THE MOTOR WEEKLY 放送予告!
Auto Prove
ポルシェ、ベッテルをル・マンで起用しない理由を説明「この物語は終わったわけではない」
ポルシェ、ベッテルをル・マンで起用しない理由を説明「この物語は終わったわけではない」
AUTOSPORT web
ホンダが新型「フリード」初公開! 最大のライバル「シエンタ」との“大きな違い”とは!? 最新「小型3列ミニバン」徹底比較!
ホンダが新型「フリード」初公開! 最大のライバル「シエンタ」との“大きな違い”とは!? 最新「小型3列ミニバン」徹底比較!
くるまのニュース
【MotoGP】“マーケティング・ビースト”のマルケス相手なら負けても仕方ない……マルティン、ドゥカティ昇格バトルに白旗?
【MotoGP】“マーケティング・ビースト”のマルケス相手なら負けても仕方ない……マルティン、ドゥカティ昇格バトルに白旗?
motorsport.com 日本版
静岡ホビーショー開幕 会場では「ハコスカ」の実車も公開! 作りやすいプラモデルにした理由とは?
静岡ホビーショー開幕 会場では「ハコスカ」の実車も公開! 作りやすいプラモデルにした理由とは?
乗りものニュース
佐々木美乃里+友野ゆみ=最強ペア爆誕! 2年ぶり復活の「KeePer Angels」が舞い降りる!!!
佐々木美乃里+友野ゆみ=最強ペア爆誕! 2年ぶり復活の「KeePer Angels」が舞い降りる!!!
ベストカーWeb
車の「ガソリン」高すぎる! なぜこんなに高いの? 不適切な「二重課税」が原因? 価格に占める「税金」の割合とは
車の「ガソリン」高すぎる! なぜこんなに高いの? 不適切な「二重課税」が原因? 価格に占める「税金」の割合とは
くるまのニュース
「タイヤ摩耗は予想以上。パフォーマンス面でも、やや劣っているように見える」とトヨタ小林可夢偉/WECスパ初日
「タイヤ摩耗は予想以上。パフォーマンス面でも、やや劣っているように見える」とトヨタ小林可夢偉/WECスパ初日
AUTOSPORT web

みんなのコメント

55件
  • マツダはいまも迷走してるしトヨタすら買えない奴が大幅値引きで買うボロ車!マツダ地獄も健在だろw
  • トヨタ他の方がもっと酷い
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

159.0208.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.069.0万円

中古車を検索
ランティスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

159.0208.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

65.069.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村