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アウディ新型「A5」「S5」はどう変わった? 従来の「A4」後継モデルが車名変更 セダン&アバントの“進化”とは

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アウディ新型「A5」「S5」はどう変わった? 従来の「A4」後継モデルが車名変更 セダン&アバントの“進化”とは

ホイールベース・全長ともに60mmほど長くなった

 フランス・ニース近郊で行なわれたアウディ新型「A5」と「S5」の国際試乗会に参加しました。

【画像】人気Dセグメントセダン/ワゴンが激進化! アウディ新型「A5セダン」「A5アバント」を写真で見る(55枚)

 といっても、試乗会場に用意されていたのはセダンとアバント(ステーションワゴン)だけで、アウディ通がA5/S5と聞いて期待するクーペやコンバーチブルはありませんでした。

 なぜ、そうなったのか、簡単にご説明しましょう。

 アウディは現在、急速な電動化戦略を推し進めている真っ最中で、現在も新型のEVを次々と投入しています。

 これまでは、そうしたEVには「e-tron」という名前をつけてエンジン車と区別してきましたが、EVであることをさらに明確にするため、従来の「セダンが偶数でクーペ/コンバーチブルは奇数」というモデル名の文法を改め、「偶数はEVで奇数はエンジン車」とすることにしたのです。

 この影響で、従来のA5/S5にくわえ、これまでの「A4」や「S4」に相当するモデルもA5/S5と呼ばれることになりました。

 そのうちの、今回はセダンとアバントが登場しただけで、クーペやコンバーティブルは追って登場するとも考えられるのですが、いまのところ、クーペやコンバーチブルの追加に関する正式な発表はありません。

 それどころか、試乗会場では「コンバーチブルがなくなるのもやむを得ない」という言葉がアウディ関係者から聞こえてきました。

 したがって、モデル名が統合されるだけでなく、ボディタイプの統廃合があっても不思議ではないのが現状といえるでしょう。

 ただし、たとえボディータイプの数を減らしても、フルモデルチェンジの内容はいつも以上に濃くする。今回、誕生した新型A5とS5について、私はそんな風に捉えています。

 なにしろ、新型にはエンジン車用に開発した「PPC」と呼ばれる新プラットフォームが採用されているのです。

 おかげで、電気系プラットフォームも見直され、より大型のタッチスクリーンを中心とする新しいインフォテイメントシステムを搭載。より柔軟で使いやすい音声認識システムも装備されて、操作性が大幅に改善されました。

 また、48Vシステムを使った新しいマイルドハイブリッド・システム“MHEVプラス”が新たに積まれたのもPPCのおかげでしょう。

 MHEVプラスは最高出力24psのパワフルなモーターを搭載。マイルドハイブリッドでありながら低速時にはモーターのみでの走行が可能になったほか、回生ブレーキは最大で25kW(約34ps)のエネルギーが回収できるようになり、ドライバビリティと燃費効率の改善に効果を発揮するといいます。

 ボディサイズも大きくなりました。

 とりわけ印象的なのがホイールベースの延長で、旧A4より70mm近く長い2896mmとされたほか、全長も60mmほど長くなっています。新型A5/S5のプロポーションが伸びやかで、元気のいい走りを予感させてくれるのは、こうしたボディサイズの見直しが大きく貢献しているとみていいでしょう。

日本導入可能性の高い3モデルの乗り味は?

 今回、私が試乗したのは、4気筒2リッター・ディーゼル・エンジンを積む新型「A5アバント TDIクワトロ」、4気筒2リッター・ガソリン・エンジンを積む新型「A5セダン TFSIクワトロ」、そしてV6 3リッター・ガソリン・エンジンを積むスポーティモデルの新型「S5セダン」の3台。

 いずれも日本に導入する可能性が高いモデルばかりです。

 なお、新型はA4やA5の後継モデルに相当するので、エンジンの搭載方式はこれまでどおり縦置き式。ギアボックスはS5も含めて7速DCTのSトロニックに統一されました(従来はS5のみトルコン式の8速AT)。

 また、試乗車はたまたま3台ともフルタイム4WDのクワトロとなりましたが、本国ではTDI、TFSIともに前輪駆動モデルも用意されています(S5はクワトロのみ)。

 そして新型A5/S5のクワトロは、伝統的なセンターデフ方式ではなく、電子制御式のトルクスプリッター方式とされた点も興味深いところ。また、前述したMHEVプラスはA5 TDIとS5のみに組み合わされ、A5 TFSIには搭載されない点も注目されます。

 3台の印象を簡単にご紹介しましょう。

 最初に試乗したA5アバント TDIクワトロはディーゼルならではの力強い走りが魅力的。新型はMHEVプラスが加わったことで、発進時の軽快さが改善されたうえ、どの車速域でも優れたレスポンスを示すようになりました。

 それ以上に印象的だったのが、従来型A4で感じられた足回りからのゴツゴツとした印象が一掃されたこと。それでいてボディがフラットに保たれるアウディらしい乗り心地は健在で、おかげでハンドリングは軽快。

 ステアリングのカッチリ感も、技術陣の狙いどおり、大幅に改善されていました。

 続いてステアリングを握ったA5セダン TFSIクワトロは、TDIよりもさらにエンジンが滑らかで、コーナリング時のノーズの反応が俊敏な点が印象的でしたが、TDIに比べてエンジンのトルク感が乏しいのはやむを得ないところ。

 発進時の軽快さも、MHEVプラスを備えたTDIに比べて見劣りするように感じました。

 最後に乗った新型S5は、V6エンジンがパワフルな走りを披露してくれるうえ、スポーティな足回りがダイナミックなコーナリングを可能にしてくれます。

 ただし、エンジン単体の重量がかさむため、コーナー進入時の俊敏性だけは4気筒系にかなわないように思いました。

※ ※ ※

 いずれにしても、アウディがこれまでと同じか、それ以上の情熱とこだわりをもって新型A5とS5を作り上げたことは間違いありません。

 したがって、たとえどんなに電動化に邁進していても、クルマ作りの思想と伝統は変わっていないといえるでしょう。

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みんなのコメント

4件
  • the********
    コンバーティブルでも、コンバーチブルでも、どっちでもいいけど、
    一つの記事の中では統一すべきでは?
    無料記事とはいえ、レベルの低い記者が多すぎないか?
  • pro********
    海外のソースによれば、Ur-クワトロ以来のアウディの伝統である機械式(トルセン)センターデフを用いたフルタイム4WD機構はもうS5にしか残らないようで、通常モデルは記事のように「ウルトラ」と称する電制多板クラッチを用いたスタンバイ式(通常はFWDで走るのみならず後輪とリアデフの間も切り離す)になるようですね。

    これでよく「アウディがこれまでと同じか、それ以上の情熱とこだわりをもって新型A5とS5を作り上げたことは間違いありません」などと書けたものです。いかにいい加減なメディアかがよくわかりますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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