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現代のボルボは、もう“地味”とは言わせない──新型XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid試乗記

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現代のボルボは、もう“地味”とは言わせない──新型XC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid試乗記

ボルボのミドルサイズSUV「XC60」の最上級仕様にサトータケシが乗った!

大パワーを余すことなく路面に伝える

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プラグイン・ハイブリッドシステムを備えるボルボXC60 Recharge Ultimate T6 AWD plug-in hybrid(以下、XC60)は、借り受けた時点でほぼほぼフルに充電されていた。インパネに表示されるEV走行での航続距離は72km。走行モードを選ぶとき、エンジンとモーターがバランスよく働くはずの「ハイブリッド」モードを選んだけれど、発進時にエンジンは始動せず、EVとして動き出した。

静か、滑らか、力強くて、おまけに変速ショックなし。もう慣れたとはいえ、ストレスのないモーターだけの発進加速は大変に気持ちよくて、一度こっちの世界に足を踏み入れた人が、二度とあっちの世界には戻れない、というのもわかる。2tを超えるヘビー級であることを忘れるくらい、ふんわり軽やかに加速する。

首都高速に上がり、50~60km/hの流れに乗っても、エンジンは作動する気配を見せない。「ハイブリッド」モードであっても、できるだけエンジンは裏方にまわってモーターを主役に押し出し、EV走行を優先するセッティングになっているようだ。

まだヒーターのお世話になる時期だから、EV走行の航続距離は表示される数字の6割程度かと思っていた。けれど、意外や、ほぼ実際の走行距離に比例して航続距離が減っていく。これなら、近場の移動はほとんどEV走行でまかなえる。

平日の買い物や送り迎えはEVとして、週末に釣りやゴルフや温泉旅行に出かけるときにはハイブリッド車として使うというイメージだろう。

高速道路で深くアクセルペダルを踏み込むと、ようやく2.0リッター直列4気筒直噴ターボエンジンが目覚める。このとき、エンジンがごく自然に、“シュン”と始動するのが好印象だ。たまにあるんですよ、せっかくそれまで静穏だったのに、エンジン始動時の無粋な音とがさがさとした振動で台無しになることが。

このエンジンには、CISGと呼ばれるスターター兼発電用モーターが組み合わされるけれど、これがエンジンの目覚めのよさに貢献している。

ハイブリッド・システムのパワートレーンには明確な役割分担があって、エンジンが前輪、モーターが後輪を駆動する。したがってエンジン始動時は4輪駆動となっており、フル加速でもとっちらかることなく、4本のタイヤが大パワーを余すことなく路面に伝える。

エンジン車で味わえないファン・トゥ・ドライブと上質さ乗り心地はいい。ひとことで乗り心地がいいといっても、ボヨヨン系とかまったり系とかいろいろあるけれど、このクルマの乗り心地のよさは軽やか系だ。たとえば首都高速の段差に遭遇すると、「タン、タ、タ、タン」とリズミカルに乗り越える。イヤな余震を残さないからすっきり爽やかだ。

速度が上がるほどにフラットな姿勢を保つようになり、路面コンディションや走り方に応じて瞬時にセッティングを整えるエアサスペンションが機能していることが伝わってくる。このクルマは、立ち振舞いがきれいで上品だ。

インフォテインメントシステムのOSをGoogleが担っていることも最近のボルボの特徴。スマホと連携するAndroid Autoと違って、システム全体がGoogle Apps and Serviceだから、乗り込んだ瞬間に「オッケー、Google」と呼びかければ、Googleマップへの目的地設定や楽曲のセレクトなど、家で過ごすのと同じような環境が手に入る。

これからIoT対応した製品が増えると、ボルボを運転しながら「オッケー、Google、家のエアコンを25度に設定して」とか、「オッケー、Google、自宅の風呂を40℃で沸かして」という時代になるという。

昔はクルマのカタログを見て、「0~400m加速14.3秒」という数値にコーフンしたものだった。これからは、「風呂の0~40℃加温5分」とかを競うようになるのかもしれない。

閑話休題。

背の高いSUVだし、環境性能重視のプラグイン・ハイブリッドだし、2tもあるし、だからあまり期待していなかったワインディングロードでの印象がよかった。前述のエアサスはここでも二律背反する「横傾きを抑える」と「しなやかな乗り心地を保つ」を両立していたし、なによりモーターとエンジンのコラボによるコーナー脱出が心地よい。

極低速域ではモーターが俊敏な反応でトルクを供給し、そこから先はエンジンが伸びやかに吹け上がる。巧みに役割分担するさまは、熟練漫才コンビのボケとツッコミのようだ。

で、このボルボを走らせながら、筆者はポルシェの創始者、フェルディナント・ポルシェ博士のことを思った。1900年、25歳だったポルシェ博士はウィーンの帝室馬車工房ローナー社で、前輪のハブにモーターを備える電気自動車を設計した。その2年後、今度はガソリンエンジンで発電して前輪ハブ内のモーターで駆動するミクステ方式、つまりハイブリッドの乗用車を試作する。

この発明は、バッテリーの技術が追いつかなくて普及しなかったというけれど、ポルシェ博士もホントは、静かで滑らかで低回転域から力もある、モーターを組み合わせたクルマを作りたかったのではないだろうか。

プラグイン・ハイブリッド、燃費がいいだけでなく、エンジン車で味わえないファン・トゥ・ドライブと上質さがある。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

3件
  • その地味さこそがボルボなのに。どのメーカーも版で押したように「自動車のデザインは家電品のようであってはいけません。クールで、何よりセクシーでなければいけないのです」とか言っては、変にでかくて偉そうな車を垂れ流す。うんざりだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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