ボッシュは2023年10月5日、次世代の横滑り防止装置(ESC:マツダの呼称はDSC)が、マイナーチェンジされたマツダ ロードスターに採用されたと発表した。
ボッシュの次世代ESCには、大幅に改良された制御ソフトウェアのビークルダイナミクスコントロール2.0が搭載されている。マイナーチェンジされたロードスターは、このビークルダイナミクスコントロール2.0をもとに、モータースポーツ用ESC制御である「DSC-TRACK」モードが開発され採用されている。
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通常のESC制御の場合は、サーキット走行のシーンではタイヤグリップの限界付近で走行するため、ドライバーが対処できる範囲であっても横滑り防止(ESC)の制御が作動して車両が減速してラップタイムが落ちることがある。
新たに開発された「DSC-TRACK」モードは、限界走行におけるドライバーのコントロール範囲を広げつつ、スピンなどの急激な不安定挙動を検知した場合のみ制御が作動し、クラッシュのリスクを下げることを目的としている。
ボッシュとマツダは、実際のモータースポーツで有用な制御を開発するために、ロードスターのワンメイクレースである「ロードスター・パーティレースIII」に試作車で参戦し、レース実戦にて「DSC-TRACK」の性能検証を行なっていた。
従来の横滑り防止装置は、車両の横滑りなど不安定な挙動が発生してから4輪独立にブレーキが介入するシステムであるのに対し、ビークルダイナミクスコントロール2.0はセンサーの信号に基づいて不安定挙動の発生を先読みして予測し、事前に作動するのが特長だ。
このフィードフォワード制御の原理により、ドライバーの操作入力に応じた理想的な車両挙動が実現し、スピンモード直前にブレーキを適切に作動させることができる。
これに着目したマツダの車両開発本部・操安性能開発部の梅津大輔首席エンジニアは「ボッシュのビークルダイナミクスコントロール2.0なら、ドライバーによる車両挙動コントロールの楽しさはそのままに、危険挙動の回避をサポートする制御が作れると考えました」と採用理由について語っている。
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ビークルダイナミクスコントロール2.0は、ブレーキだけでなく、ステアリング、パワートレイン・システムなど車両運動制御のための様々なアクチュエーターに介入することが可能で、これらを統合制御することができる。これにより、限界的な走行でもドライバーのカウンターステアが減少したり、停止距離が短縮されることで乗員の安全性を向上させることができる。
そしてボッシュのビークルダイナミクスコントロール2.0は、コンパクトカーからプレミアムカー、小型商用車まで、マニュアル運転、アシスト運転、自動運転などあらゆるセグメントの車両、多様な運転モードにも適合することができることも大きな特長になっている。
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ボッシュ 公式サイト
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