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高性能過ぎないところが好印象!? 絶版2リッター自然吸気エンジン車3選

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高性能過ぎないところが好印象!? 絶版2リッター自然吸気エンジン車3選

■まさに正統派といえる2リッター自然吸気エンジンの高性能車を振り返る

 2000年代になって、欧州車から普及が始まったのが「ダウンサイジングターボエンジン」です。文字どおりエンジンの排気量をダウンしてターボによって出力を補うというシステムで、燃費向上を目指して開発されました。

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 ダウンサイジングターボエンジンは、市街地や郊外、高速道路など負荷に応じて効率よくパワーを発揮し、小排気量とすることで気筒数を減らして軽量化も可能とするなど、さまざまなメリットがあります。

 そのため、近年になってハイブリッドを除く純粋な自然吸気エンジンは少なくなってしまい、とくに日本では2リッターエンジンが激減してしまいました。

 日本の自動車税は排気量で区分されているため、かつてはミドルクラス以上のクルマでは2リッターエンジン車が数多く存在し、国内外のモデルが豊富にラインナップされ高性能なモデルも存在しました。

 そこで、正統派といえるような往年の2リッター自然吸気エンジン車を、ジャンル別に3車種ピックアップして紹介します。

●日産初代「プリメーラ」

 日産は1990年に、FFセダンとしてのユーティリティと基本性能を高めたグローバルモデルの初代「プリメーラ」を発売しました。

 外観はまさに正統派セダンというスタイリングですが、高速移動が多い欧州での走行を考慮して空力性能を重視。

 ボディは全長4400mm×全幅1695mm×全高1385mmと取り回しやすいサイズで、室内は前後長に余裕を持たせて前後席とも良好な居住性を確保し、トランクはゴルフバッグ4つが収納できるサイズ・容量とするなど、優れたパッケージングを実現していました。

 エンジンは1.8リッターと2リッターの直列4気筒DOHC自然吸気で、トップグレードの「2.0Te」には最高出力150馬力を発揮する「SR20DE型」を搭載。トランスミッションは全グレードとも5速MTと4速ATが設定されました。

 そして、初代プリメーラ最大のアピールポイントだったのがサスペンションで、フロントに新開発のマルチリンク、リアはパラレルリンクストラットの4輪独立懸架を採用し、高い直進安定性、良好な運動性能と乗り心地を高度にバランスさせ、国内外から高く評価されました。

 初代プリメーラは革新的なセダンとして日本と欧州でヒットを記録し、1995年に初代からキープコンセプトとした2代目にバトンタッチしました。

●スバル「レガシィ ツーリングワゴン 2.0R」

 スバルは1989年に、新世代のセダン/ステーションワゴンとして初代「レガシィ」を発売しました。トップグレードには新開発の2リッター水平対向4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、フルタイム4WDが組み合わされ、道を選ばないオールラウンダーとして大ヒットを記録。

 なかでも「レガシィ ツーリングワゴン」は、ステーションワゴンブームの火付け役となるほど人気を集めました。

 その後も同様のコンセプトで代を重ね、2003年にシリーズ初の3ナンバー専用ボディとなった4代目が発売され、新たに「2.0R」グレードがB4とツーリングワゴン共に加わりました。

 レガシィの高性能モデルというとターボエンジンをイメージさせましたが、2.0Rはシリーズ初の高回転型自然吸気エンジンを搭載。

 外観はターボモデルと共通のデザインですが、ボンネットのエアスクープがなく、スマートな印象でした。

 搭載されたエンジンは2リッター水平対向4気筒DOHCで、11.5という高い圧縮比によって最高出力190馬力を7100rpmで発揮(MT車)し、トランスミッションは5速MTと4速ATが設定され駆動方式はAWDです。

 また、ツーリングワゴンのトップグレード「2.0GT スペックB」よりも100kg(AT)も軽量なボディは、大いに魅力的でした。

 2.0Rはシャシ性能が優れたボディに、ほどよいパワーのエンジンという組み合わせによって高く評価されましたが、2009年に5代目の登場とともに廃止となり、以降のレガシィには設定されませんでした。

●フォード「フィエスタ ST」

 かつて日本で展開されたフォードのモデルは、米国製の「マスタング」や「エクスプローラー」だけでなく、欧州フォードのモデルも数多く販売されていました。

 そのなかの1台がコンパクトカーの「フィエスタ」で、初代は1977年に誕生し、2002年には第3世代が発売されました。

 フィエスタは当時、フォード傘下だったマツダのコンパクトカー「デミオ」のプラットフォームを使って開発され、3ドア/5ドアハッチバックをラインナップし、日本にも正規輸入されました。

 そして、2005年には3ドア車をベースに、高性能モデルの「フィエスタ ST」が登場。

 ボディは全長3920mm×全幅1680mm×全高1445mmと当時のホンダ「フィット」と同等のサイズながら、最高出力150馬力(後期型では155馬力へアップ)を誇る2リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、トランスミッションは5速MTのみの設定でした。

 開発は欧州フォードのモータースポーツ部門が担当し、足まわりとブレーキの強化に加えシャシ剛性のアップや16インチタイヤが奢られ、エンジン性能に見合う運動性能を発揮。

 外観は専用デザインの前後バンパーとルーフスポイラーの装着に留まる一方で、内装では「ST」ロゴが入ったハーフレザーのスポーツシートや、専用のステアリングホイールとシフトノブなどが装着されるなどスポーティに演出されていました。

 フィエスタ STはコンパクトカーながら高性能な2リッターエンジンを搭載した稀有なモデルでしたが、2008年に日本での販売を終了。

 その後、2014年から4代目が販売されましたが高性能モデルは設定されず、2016年にはフォード自体が日本市場から撤退してしまいました。

※ ※ ※

 前述のとおり国内市場では2リッター車が減少していますが、トヨタは2020年6月に「カローラツーリング」をベースにした限定車の「カローラツーリング“2000 Limited”」を発売しました。

 エンジンは最高出力170馬力を発揮する2リッター自然吸気を搭載しており好評を博し、2021年4月にも同型のエンジンを搭載したアウトドアテイストの特別仕様車「カローラツーリング アクティブライド」が限定販売されました。

 どちらもかなり魅力的なモデルでしたが、残念ながらカタログモデルにはなりませんでした。

 ちなみに、2000 Limitedは東京オリンピック・パラリンピック2020の大会運営に導入され、現在、その車輌がそのまま中古車として販売されているので、気になる人はチェックしてみてください。

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