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T6カリフォルニアと比べてみる フォルクスワーゲンID.バズ 長期テスト(3) 長旅の素晴らしい相棒

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T6カリフォルニアと比べてみる フォルクスワーゲンID.バズ 長期テスト(3) 長旅の素晴らしい相棒

積算7934km 大きいボディは洗車も大変

フォルクスワーゲンID.バズは、いわゆる商用バンとは一線を画す。それでも、手洗い洗車の専門店が掲げる価格設定は、そこに合致する。ボディを洗ってもらうだけで17ポンド(約3200円)も支払うのは、少々懐が痛いところだ。

【画像】栄光の「バス」が電動で復活! フォルクスワーゲンID.バズ ID.4と最新のID.7も 全116枚

しかし、ジェットガンが置かれたセルフ洗車場で洗うにも、このサイズだとかなり大変なことは事実。ピカピカにしてもらっても、2・3日後にはまた汚くなるのだけれど。

積算9820km グレートブリテン島南西部へ小旅行

担当者のフェリックス・ペイジが長めの休暇を取るのに合わせて、わたし、ジャック・ウォリックがID.バズをお借りした。以前から、フォルクスワーゲンのキャンピングカーは好きだった。その思想を受け継いだバッテリーEVにも、関心を抱かないわけがない。

自分はこの機会に、週末を利用してグレートブリテン島南西部の半島、コーンウォールを目指した。ID.バズに乗り、愛犬を含む家族と一緒に。

2016年式のフォルクスワーゲン T6カリフォルニア・オーシャンに乗っている両親は、全国をクルマで旅している。偶然にも、その日はわれわれの目的地付近にいるという。折角だから、少し交換してもらう約束も取付けた。

長旅の素晴らしい相棒 快適性に唸らされる

ザップ・マップというスマートフォンのアプリによると、コーンウォール付近には408か所のバッテリーEV用の充電器があるらしい。ただし、その殆どは幹線道路のA30号線沿いか、大都市周辺に設置されている。

筆者が目指す場所は、半島の先端にあるリザード。最も近い充電器まで、50km弱の距離があるようだ。無事に帰ってこれるか、予め計画を練ることにする。

出発は朝の4時。片道500kmの自動車旅行だが、ID.バズの快適性には唸らされた。沢山の荷物も問題なく載せられ、長旅の素晴らしい相棒になった。移動した時間が早かったから、充電器も基本的に空いていた。

自宅を離れた時点で駆動用バッテリーは満充電ではなく、算出された航続距離は273km。コーンウォールへ向かう途中の、メンベリー・サービスエリアで30分ほど電気を追加し、デヴォン州のエセクターという街へ立ち寄る。

高いコーヒーとベーコン・ロールパンで小休憩。ID.バズの駆動用バッテリーも、その時間を利用し満たし、順調にリザードへ辿り着いた。

電気代は、1kWhあたり0.75ポンド(約144円)。グレートブリテン島の南側を横断するのに、40ポンド(約7700円)ほどかかった計算になる。

リザードでは、ID.バズはミニバンとして大活躍。快適なまま、不順な天候も乗り切ることができた。ワインディングをスルスルと走り、170kWが主張される急速充電能力も、いかんなく発揮してくれた。

VW カリフォルニアと比べてみる

約束通り、両親のカリフォルニアを借りてみたが、洗練性や快適性、日常的な乗りやすさではID.バズの方が勝るだろう。2.0Lディーゼルターボはトルクフルだが、回転直後から最大トルクを生み出す電気モーターには敵わない。

車重は2.5t近くあるものの、実際はそれを感じさせない。カリフォルニアも、充分運転しやすかったけれど。

ID.バズのデザインは、かなり未来的。両親のクルマが、実際以上に古く見えたほど。ID.バズをしばらく運転した父親は、自分のクルマのケンウッド社製カーナビや、ガタガタと走行時に震える内装が、時代を感じさせると認めていた。

もっとも、直接の比較はフェアではないだろう。ID.バズは、ハッチバックのID.3と同じ、フォルクスワーゲン・グループのMEBプラットフォームを基礎骨格とする。対するカリフォルニアは、ベッドやミニキッチンを備えたバンのキャンピングカーだ。

ID.バズにも、少しの不満はあった。フロントガラスのワイパーは、中央部分に拭き残しが出てしまい、気になってしまう時間が多かった。2列目シートは、想像よりだいぶ手前側だった。

エアコンの温度調整をするタッチセンサーは、暗がりでは操作しにくく、インフォテインメント・システムは反応が鈍いことも。キーの感度が悪いのか、稀にシステムが起動しない時もあった。

お高めの価格を踏まえると、これらの細かな部分は解決されるべき。それでも、リアの広大な空間にベッドとミニキッチンをセットしたら・・。自分も欲しいと思ってしまう、フォルクスワーゲンだったことは間違いない。

積算1万66km ユーザー登録が必要なアプリ

長めの休暇を終え、フォルクスワーゲンのスマートフォン用アプリをダウンロードしてみた。ID.バズのエアコンと駆動用バッテリーの温度管理を、出発前からできるように。

しかしアプリは、インフォテインメント・システムのユーザー登録が終わるまで使えないという。ところが、その登録方法がわからない。結果的に、まだ使えていない。冷え込んだ朝も、ID.バズは凍えたままだ。

テストデータ

気に入っているトコロ

大きなスライドドア:人間に限らず、愛犬も、かつてないほど乗り降りしやすい。

気に入らないトコロ

ワイパーのスイッチ:ステアリングホイール奥の、動かないレバーの上に、ワイパーのスイッチがちょこんと付いている。慣れるまで時間がかかった。

価格

モデル名:フォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル(英国仕様)
新車価格:6万2844ポンド(約1207万円)
テスト車の価格:6万6394ポンド(約1275万円)

テストの記録

電費:4.2km/kWh
航続距離:344km
故障:なし
出費:なし

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