この記事をまとめると
◼︎ワゴンRスマイルが軽自動車市場で大ヒット中
しょせん軽……なんてバカにする時代は終わった! 新東名の120km/h区間を余裕で走れる軽自動車6選
◼︎トール軽でもなければスポーツカーでもないので立ち位置がわかりずらい
◼︎市場の声を聞くと中途半端に見えるコンセプトはむしろ歓迎されていた
「小宇宙」で輝く一等星候補がワゴンRスマイルだ!
軽自動車はクルマのカテゴリーの一種とされるが、このなかにはさまざまな車種が用意される。全高が1700mmを超えるスペーシアのようなスーパーハイトワゴン、全高を1500mm前後に抑えたアルトのようなベーシックタイプ、ワゴンRなどの中間的なハイトワゴン、さらに悪路向けSUVのジムニー、スポーツカーのコペンという具合だ。小型/普通車に用意されるさまざまなカテゴリーを、軽自動車のなかから選択できる。軽自動車はクルマ界の「小宇宙」ともいえるだろう。
この背景には税額の安い軽自動車に対する高いニーズがあり、今では国内で新車として売られるクルマの40%近くを軽自動車が占めている。軽自動車は低価格で薄利多売の商品だから、メーカーも車種を多く用意する必要があり、細分化が進んだ。
こういった事情も踏まえて開発された新型車がワゴンRスマイルだ。2021年9月に発売され、10月にはワゴンRスマイルを含むワゴンRの届け出台数が軽自動車の1位になった。販売店によると「ワゴンR全体の内、50~60%をワゴンRスマイルが占める」という。ワゴンRの届け出台数を昨年と比べると、ワゴンRスマイルの追加によって1.8倍に増えた。
その一方で半導体やワイヤーハーネスなどの不足により、他社の軽自動車は納期が長い。そのためにN-BOXの届け出台数は、通常は軽自動車の1位だが、2021年10月には前年の46%に減った。軽自動車販売ランキング順位も、3位まで後退している(2位はルークス)。
ワゴンRスマイルと同じスズキのスペーシアも、10月の届け出台数は前年の52%まで下がり、軽自動車販売ランキング順位は4位だ。このように販売上位の軽自動車が下がり、ワゴンRはワゴンRスマイルの投入で売れ行きを伸ばしたから、軽自動車販売の1位になった。
何でもかんでも全高が高ければいいというわけじゃなかった
そしてワゴンRスマイルが好調に売られる理由は、ユーザーニーズに素直に応えた商品であるからだ。今の30歳以下のユーザーは、1990年代の中盤から急速に普及を開始したミニバンに親しんで育った。スライドドアを備える背の高いクルマが普通の存在で、2列シートの軽自動車にも同様の機能を求める。
その結果、N-BOX、スペーシア、タント、ルークスなどのスーパーハイトワゴンが売れ行きを伸ばしたが、すべてのユーザーが全高を1700mm以上に高めたボディを必要とするわけでもない。「スライドドアは欲しいけれど、天井はもう少し低い方がいい」と考えるユーザーもいる。
このニーズに最初に応えた軽自動車が、2016年に発売されたムーヴキャンバスだった。この販売も好調で、ムーヴ全体の約60%を占める。スズキの販売店は「スズキにはムーヴキャンバスみたいなクルマはないのか? という質問がお客様から多く寄せられた」という。ワゴンRスマイルの開発者は「ワゴンRのお客様にリサーチしたところ、約40%の方がスライドドアが欲しいと返答した」と述べた。このようなユーザーの要望に応じて、ワゴンRスマイルが開発されてヒット作になった。
ワゴンRスマイルは、基本的にはスライドドアに親しんで育った比較的若い女性をターゲットにしているが、販売店では以下のように説明する。「ワゴンRスマイルは、意外に中高年齢層の男性も購入されている。子育てをしている時にミニバンを使い慣れると、もはや背の低いセダンには戻れないからだ。ワゴンRスマイルは、スペーシアほどの広さは必要ないが、適度な空間とスライドドアが欲しいお客様に刺さったようだ。その性別や年齢は幅広い」。
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