現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > プライス以上に価値のある1台──新型スバル・インプレッサ試乗記

ここから本文です

プライス以上に価値のある1台──新型スバル・インプレッサ試乗記

掲載 11
プライス以上に価値のある1台──新型スバル・インプレッサ試乗記

フルモデルチェンジしたスバルの新しい「インプレッサ」は、満足感の高い1台だった! 公道で乗った小川フミオがリポートする。

クオリティの高さに驚く

フィアット・トッポリーノが、BEVになって帰ってくる──GQ新着カー

「お値段以上~」というテレビのサウンドロゴがあるけれど、300万円程度で楽しいクルマを探しているひとにぴったりなのが、スバルの新型インプレッサだ。価格以上の価値がある。

ひとことで魅力をいうと、クオリティが高い。運動性能、快適性、利便性がうまくパッケージングされていて、価格は、229万9000円から324万5000円だ。

私が今回乗ったのは、最上級グレードの「ST-H」。2.0リッター水平対向エンジンとモーターを組み合わせた「e-BOXER」に、全輪駆動システム(AWD)を組み合わせたモデルである。

6代目になる新型インプレッサには、以前、プロトタイプをサーキットで試乗した。このとき、先代よりしっかり感の増した走りに感心した記憶がある。今回の公道試乗は、いい意味で、その上書きになった。

全体の印象としてはスバルの開発者が「新型はキャラクターをより明確にすべくスポーティに振った」と、述べた言葉どおり。

出足がよく、ハンドリングはしっかり。走りを積極的に楽しめる内容になっている。

ボディ構造の見直しや、各部の振動や捩れの改良など、先代(もいいクルマだけど)のネガとみられた部分を、徹底して手を入れて改良したという。

従来型はアッパーボディとアンダーボディを別々に組み立てた後、接合していた。新型ではボディ全体の骨格部材を強固に組み立ててから、外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」を採用した。「ボディの高剛性化と軽量化を実現」と、スバルでは謳う。

ステアリングのしっかり感は、もうひとつの美点。「2ピニオン電動パワーステアリング」と呼ぶものだ。ドライバーがステアリングホイールを操作する軸をモーターアシスト軸から分離した構造にしたのが特徴である。

これによって「操舵初期のフリクションを低減、リニアでなめらかなトルク伝達を可能にした」と、スバルの広報資料には記されている。実際、スポーツカーのような“超”のつくダイレクト感こそないものの、クルマの動きは、ドライバーとの一体感を感じさせてくれて、かなり気持がいい。

私のからだには少なくともよくフィットしたシートに身をあずけ、ちょっと太め径のステアリングホイールを操作すると、これが200万円台から買えるクルマですか? と、あらためて驚く。

基礎がしっかりしているエンジンは188Nmの最大トルクを4000rpmとちょっと高めの回転数で発生。これに65Nmの加速用モーターがトルクを積み増す。

結果、市街地だと、小さな加速時にややトルクが出すぎて、すこし違和感がある。私は頭部が前後に動かないようなトルクの出方が好きなのだ。

そういうときは、ステアリングホイールにそなわった「SIモード」を使いわけるといいようだ。「S(スポーツ)」を選ぶと、車両が力強く前へと出ていく感覚が味わえる。

いっぽう「I(インテリジェント)」モードは、トルクカーブの立ち上がりがややゆるかになる。発進時に多少アクセルペダルを乱暴に踏み込んでみても、頭部は動かない。

広範囲用のステレオカメラと超広角の単眼カメラによって「“3つの目”に進化した」と、謳われる最新の「アイサイト」も、インプレッサに興味を持つひとが注目している装備だろう。

アイサイトが進化していくにつれ、事故回避率の高さも上がっているようだけれど、これは、未体験。

ただし、高速道路や自動車専用道路での運転支援機能「ツーリングサポート」や「全車速追従機能付クルーズコントロール」それに「車線逸脱抑制」の利便性の高さは十分味わえた。

私としては、先述のとおり、ハンドリングのよさをはじめ、「リニアトロニック」と呼ぶ無段変速機をうまく使った変速制御の高さなど、自分の手足で走らせてこそ、インプレッサのよさがわかると思う。

ちなみに、インプレッサには、マイルドハイブリッドシステムをもたない2.0リッターエンジンの「ST」もある。乗ったひとには、こちらも評価が高いようだ。

スバル車なので、シメトリカルAWDなる全輪駆動システム搭載車が人気と聞くけれど、意外にも、FWDにもっともシンプルなエンジンの組合せもよい、ということだ。

きっと基礎がしっかりしているからこそだろう。新型インプレッサの完成度は驚くほど高いのだ。

文・小川フミオ 写真・小塚大樹 編集・稲垣邦康(GQ)

こんな記事も読まれています

ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「ADV160」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
いやこれは凄いわ……[EV]の歴史に残る一台が韓国から出ている件
ベストカーWeb
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
軽自動車ってのが凄すぎる…! 世界に誇れる自動車と言えば[スズキ ジムニー]でしょ! 
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
レッドブル&HRC密着:突貫工事でリヤウイングを修正。マシン性能を出し切っての予選5番手にフェルスタッペンも満足
AUTOSPORT web
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
ポールのラッセル「壁に接触、望みが消えたかと思った」マシンの速さについては「理由が分からない」/F1第22戦
AUTOSPORT web
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
次期デリカD5はこうなってほしい!! 唯一無二の価値を持つSUVミニバンへの期待
ベストカーWeb
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web

みんなのコメント

11件
  • イイ感じにコンパクトだな。
    なにより中国市場に力を入れてないのが好感もてる!
  • カッケー❗️

    さすがスバルだよな❗️

    乗ってみてーわ❗️チワワ❗️
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

126.0263.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0349.8万円

中古車を検索
インプレッサの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

126.0263.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.0349.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村