少しずつ理想の仕様に進化中
筆者が格安で手に入れた、スズキ「カプチーノ」。オールペイントをはじめ各部のリフレッシュがほぼ完成し、次のステップとして走りで気になる部分のカスタマイズなどもスタートした。前回はサブコンを投入して、エアコンONでのパワーロス回避に成功。今回は物足りなさを感じたブレーキまわりの強化に着手したのでリポートしよう。
酷暑を格安スズキ「カプチーノ」で乗り切れ! エアコンつけっぱなしでもサブコンで軽快な走りを実現
ブレーキを強めに踏むと思ったように止まれず……
車検証での重量はたった690kgなカプチーノ。同じK6Aターボを搭載するもう1台の愛車、JB23型スズキ「ジムニー」よりなんと300kgも軽いのだ。おまけにリアがドラム式のジムニーに対し、カプチーノは前後ともディスク式。サーキットは別として街乗りレベルなら純正ブレーキでも十分と思っていた。
ところが、実際に乗ってみると意外なほど頼りない。赤信号や一時停止の交差点まで十分な距離があるときは別だが、急ブレーキ気味に減速すると思った以上に制動距離が伸びてしまう。つまり、とっさのときに止まり切れない可能性があるわけで、安全のためブレーキ系をひととおりリフレッシュすることにした。
メニューは定番のパッド/ローター/ホース/フルードと、キャリパーのシール類を全交換するオーバーホールだ。パーツがひととおり揃ったとの連絡を受け、カプチーノの主治医である「オートリサーチ米沢」へ向かった。
元々スズキの車両が得意なだけあり、手際よくブレーキをバラしていく。すると早くも利きが悪かった原因のひとつが判明。フロントキャリパーのピストンの錆が酷く、いつ固着しても不思議ではない状態だった。すぐに追加で新品のピストンを手配してもらい、キャリパーを丁寧に清掃してからオーバーホール。いっぽうリアは一度キャリパーを新品にしているようで、ピストンどころかシール類の傷みも少なかったが、念には念を入れてオーバーホールしてもらった。
肝心のパッドはストリートとスポーツの頭文字から名付けられ、ジムニーでも愛用しているディクセルの「Sタイプ」をチョイス。ローターが冷えているときでも不安のない利き、またダストの少なさやローター攻撃性の低さ、安心感あるペダルタッチはジムニーで確認済み。軽量なカプチーノなら本格的なサーキット走行も耐えられそうだ。
組み合わせるローターは同じくディクセルで、スリット入りの「SDタイプ」がベストと判断。もっとリーズナブルな「PDタイプ」と悩んだが、制動力だけではなくガスの除去なども考えた結果、自分の使い方にはSDタイプが合うだろうと考えた。パワーを極端に上げるつもりはないので大径化までは不要だが、ブレーキのキャパシティには余裕を持たせるのが昔からの持論だ。
さらに劣化した純正のゴムホースをステンメッシュに交換し、フルードはディクセルのDOT4規格をクリアした「328Racing」に。猛暑のなか丸1日を費やして作業が終わり、ちょっとした峠を経由して帰路についた。
交換後はカチッとしたフィーリングで安心感バツグンに
当たり前といえば当たり前の話だが、同じクルマとは思えないほどの違いだ。何よりもカッチリとしたペダルのフィーリングは安心感があり、急ブレーキ気味に減速しても以前より確実に制動力が高く、ABSが作動することもなく狙った位置でストップできるようになった。
これまでは古いがゆえにブレーキが甘くても「こんなもんか」と勝手に思い込んでいた。また、車検が切れることもあり冬の間は乗らないと決めていたので、室内のリフレッシュやオールぺンを優先してしまったが、実際のところはブレーキを真っ先にやるべきだったと反省。
メカニックの友人にこんな話を聞いた。依頼されたパーツの取り付けが終わって試運転したところ、ブレーキの利きが明らかに弱くメンテナンスを勧めたらしい。ところが返事は「急ブレーキなんて使わないから大丈夫」で、次の車検までそのまま乗ると言い放ち帰ってしまったそうだ。
たしかにそのクルマに慣れたオーナーなら、通常の減速であれば問題ないかもしれない。歩行者が飛び出すなど急ブレーキが必要になる可能性を、まったく考えず運転している人がいることに恐怖を覚えたという。走る・曲がる・止まるのうち一番大切なのは「止まる」だと、改めて思い知らされるカプチーノのブレーキ交換だった。
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みんなのコメント
多分ブレーキブースターも酷い事になってるぞ?