現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 憧れだった…いつか乗りたかった…もう30年前!?? 超名門セリカが遺した伝説

ここから本文です

憧れだった…いつか乗りたかった…もう30年前!?? 超名門セリカが遺した伝説

掲載 19
憧れだった…いつか乗りたかった…もう30年前!?? 超名門セリカが遺した伝説

 日本初のスペシャルティカーとして1970年に登場し、大ヒットとなった、トヨタ「初代セリカ」。以降セリカは、常に時代を先取りするスタイリングや先進的な装備で、あらゆる世代を魅了した。特に1990年代はトヨタがWRCをセリカで闘っていたこともあり、モータースポーツファンの記憶に強く刻まれていることだろう。

 現在は生産終了でラインアップから姿を消したセリカ。特に印象深かった5代目、6代目の魅力を解説していく。

いつかはクラウン神話崩壊!? 硬派なクラウン若返り路線の現状

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA、ベストカー編集部

[gallink]

トレンドを創造した5代目セリカ

 5代目セリカは1989年9月に登場。先代モデルで、FRシャシーを捨てFFベースに移行していたセリカ。空力性能に優れる先代の機能性を継承しつつも、曲線基調の躍動的で生命感あふれるデザインを与えられた5代目セリカのエクステリアは、機能重視のストイックなスポーツカーではなく、スペシャルティカーであることをはっきりと表現していた。

 メカニズム面での最大の特長は、トヨタ初の4輪操舵システム(デュアルモード4WS)の採用と、すべて2.0Lのパワーユニットだ。特に最もパワフルなGT-FOUR(4WDモデル)の3S-GTEエンジンは、225psまで出力を向上させていた。

 この5代目セリカでグループAを闘うようになったのは1992年のことだ。J・カンクネンをエースドライバーとして迎えた翌1993年、ST185型セリカは、13戦中7勝という圧倒的な強さを見せ、トヨタ初のWRCコンストラクターズ(メイクス)とドライバーの両方のタイトルを掌中に収めた。この時のカストロールカラーが強く印象に残っている方は多いだろう。

5代目セリカのグループAマシン、ST185。圧倒的な強さでファンを魅了した

WRC最後のセリカとなった6代目

 6代目セリカは1993年10月に登場。新開発のプラットフォームによってスポーツ性を一層高めたモデルとなった。ボディは全車3ナンバーサイズ、リトラクタブルヘッドライトを廃止し、丸形異型4灯ヘッドライトというダイナミックなデザインに生まれ変わった。ちなみにこの新プラットフォームは、同時にモデルチェンジされた「カリーナED」「コロナEXiV」にも採用されている。

 メカニズム面では、2種類の出力を持つ2.0L DOHC16バルブエンジン(140psと180ps)に加え、最上級グレードには新開発のスーパーストラットサスペンションが搭載され、切れ味鋭いハンドリングが高く評価された。

 1994年2月にはGT-FOURが登場。3S-GTEは水冷式インタークーラーの採用などで、最高出力は255psに向上している。さらにWRC仕様として2,100台の国内限定モデルが販売されたが、こちらは大型のリアスポイラー、ボンネットフードエアスクープ、アンチラグシステム、インタークーラーウォータースプレーなど本格的な装備満載での登場となった。

 しかし、この6代目セリカのワークスマシンであるST205は、大きくなったボディサイズと、スーパーストラットサスペンションのセッティングに苦しみ、なかなか好成績を上げることができなかった。

 そこへきて、ラリーカタルニアではリストリクター(エンジンへの吸気量を制限する機構)に違反があることが発覚。トヨタはその年のすべてのポイントを剥奪されるとともに、1年間の出場停止という重い罰が下されてしまった。

 とはいえ、生産台数規定という厳しいルールに基づくグループAへのエントリーが少なくなっていたタイミングでもあったため、トヨタは、新規定のWRカーでWRCを闘うことを決断。このST205が、WRCに参戦した最後のセリカとなった(とはいえ、その後カローラのWRカーにはセリカのターボエンジンが搭載されたため、心臓部は生かされた)。

6代目セリカ。全車3ナンバーボディ、上級グレードにはスーパーストラットサスペンション搭載でスペシャルティカーとしての魅力を高めた

ラリーでの活躍はもちろん、気軽に乗れるスポーツクーペとしても魅力的

 アスリートのような筋肉質なボディと美しいフォルムで、市販車としても魅力的だった5代目セリカ。そのうえ、ラリーで圧倒的な強さを誇り、グループAを席巻した。スペシャルティカーというやや気取った成り立ちを持つ美しいクーペが、ラリーのようなハードで力強いレースに挑む。美しく、強い。これに惹かれない男がいるだろうか。

 6代目はその魅力をさらに昇華させていた。残念ながらレースでは活躍できなかったが、ラリーシーンでの美しいジャンプは絵になった。一見柔らかい表情を見せる丸形ヘッドランプも、大きめのボディサイズも、結果が出せなくて苦しみながらもコーナーを華麗に駆け抜ける姿は、エモーショナルで深い感動を与えた。

 セリカのカストロールカラー、ST185、ST205のジャンプシーンが脳裏に焼き付いて離れない。それだけで十分、4WDモータースポーツの魅力を世界に広め、ラリー界の伝説を作り上げたといえる。

6代目セリカがベースのラリーマシン、ST205

 セリカは、レッドやメタリックブルーの個性的なボディカラー、コンバーチブルの設定など、ライトな感覚で乗れるスポーツクーペとしても魅力的で、女性が乗っても似合う。バブル景気全盛に登場したモデルではあったが、本質を求める若者にとって嫌味のない、クレバーな選択肢になり得るクルマだった。

 ものすごい個性があるかと言われたらそうでもないのに、同様のモデルを他に挙げろと言われてもちょっと思い浮かばない。実に不思議な魅力を放つのが「セリカ」というモデルだった。

[gallink]

こんな記事も読まれています

フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
フェルスタッペン予選5番手「ベガス用リヤウイングを作らないという方針がハンデに」タイトルには有利な位置を確保
AUTOSPORT web
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
佐藤万璃音、2025年もユナイテッド・オートスポーツからWEC世界耐久選手権にフル参戦
AUTOSPORT web
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
やっぱたまらんなV型エンジン!! [スカイラインNISMO]とレクサス[IS500]の[パンチ力]にひれ伏した件
ベストカーWeb
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
【角田裕毅F1第22戦展望】ファクトリーと現場の連携で活きたレッドブル製リヤサスペンション。改善の継続が7番手に繋がる
AUTOSPORT web
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
エバンスとの実質的な一騎打ちもタナクはトップ譲らず。ヌービルは7番手に挽回【ラリージャパン デイ3】
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
メルセデス・ベンツCLE 詳細データテスト 快適で上質な走りが身上 動力性能と燃費効率はほどほど
AUTOCAR JAPAN
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
WRCラリージャパンSS12恵那での車両進入事案について実行委員会が声明。被害届を提出へ
AUTOSPORT web
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
2024年も記録保持中!? カローラ ロードスター…… ギネスブックに登録された「日本のクルマの世界一」【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
80年代バブル期に日本で人気だったMG「ミジェット」に試乗! 英国ライトウェイトスポーツの代表格はいまもビギナーにオススメです【旧車ソムリエ】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP予選
AUTOSPORT web
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレードへの理解が改善につながった」努力が報われたとチームも喜ぶ/F1第22戦
AUTOSPORT web
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
勝田貴元、木にスピンヒットも間一髪「メンタル的に難しい一日。明日はタイトル獲得を最優先」/ラリージャパン デイ3
AUTOSPORT web
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
クラッシュで50Gを超える衝撃を受けたコラピント。決勝レースの出場可否は再検査後に判断へ/F1第22戦
AUTOSPORT web
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
胸を打つ「上質な走り」 アウディQ6 e-トロン・クワトロへ試乗 優秀なシャシーを味わえる388ps!
AUTOCAR JAPAN
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
オーテック&ニスモ車が大集合!「AOG湘南里帰りミーティング2024」で見た「超レア車5台」と「中古車で狙いたいクルマ5台」を紹介します
Auto Messe Web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web

みんなのコメント

19件
  • 4つ目のセリカに昔乗ってました。ハッチバックなので荷室が広くて良かったです。10年乗った頃にフロントから異音がして直らなくて手放しました。たまに見掛けるといいなぁ~と思ってしまいます。
  • セリカといえば、カストロールカラーをまとったGT-FOURがWRCで活躍したことを真っ先に思い出します。
    しかし、丸目4灯の6代目セリカがエアリストリクターに小細工をし、出場停止処分になったことが残念でした。
    セリカではありませんが、WRCに出場しているGRヤリスには頑張ってほしいです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

181.7240.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.9650.0万円

中古車を検索
セリカの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

181.7240.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

35.9650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村