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アウディA5クワトロ・スポーツを雪道テスト──東京~斑尾600kmドライブ大成功!

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アウディA5クワトロ・スポーツを雪道テスト──東京~斑尾600kmドライブ大成功!

雪道を含む片道300kmを日帰りで、しかもひとりで運転するとしたら、アナタはどんなクルマを選ぶだろうか?

日本海側を中心に列島が大雪に見舞われた直後の1月下旬、私はアウディA5スポーツバック 45 TFSI クワトロ・スポーツで斑尾を目指した。なぜ、A5スポーツバックのなかでももっともハイチューンの45TFSIクワトロ・スポーツなのか? 理由は明快。ひとつは、そのボディサイズが絶妙なこと。全長4.75メートルの5ドア・クーペは、長距離ドライブを余裕でこなすゆとりの居住性を有する。といって、ひとりで乗っていて持てあます感じがするほど大きくない。しかもフルタイム4WDの“クワトロ”に長い歴史を有するアウディだから雪道でも安心。さらに252psを生み出す4気筒 2.0リッター・ガソリンターボ・エンジンは効率が高いことでも有名で、優れた経済性を発揮してくれそう。と、そんなことを期待しながら、私はこのA5で雪深い斑尾に向かった。

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A5スポーツバック 45 TFSI クワトロ・スポーツ(車名が長い!)は、A5のスポーティ・バージョンであるS5に次いで高性能なモデル。以前であればSラインなどと呼ばれていたグレードだ。Sラインの名はいまもパッケージ・オプションとして残っているが、その内容は外観のグレードアップにマトリックスLEDヘッドライト(これは夜間走行で実に有用)を組み合わせたもの。スポーティな足回りは、たとえば“ダンピングコントロール・スポーツサスペンション”といった名前でオプション設定されているのが最近のアウディの傾向である。A5の場合、その価格が10万円とお手頃なのも魅力的だ。

ただし、この足回りがかつてのSラインほど硬すぎなくて、「たまにスポーティな走りも楽しみたいんだよねえ」という層にはうってつけ。誤解のないように付け加えれば、サスペンションの設定はボディの無駄な揺れを抑える程度にはソリッドなのだけれど、路面から強い衝撃が加わっても巧みにやり過ごすしなやかさも備えているのだ。ここ数年、アウディのスポーティモデルは快適性が飛躍的に向上していて、トップパフォーマーのRSモデルでさえ従来のSモデルに匹敵する快適性を備えているが、同じことはこのスポーツサスペンションにも当てはまるのだ。

自宅から斑尾まではおよそ4時間。いくら運転好きな私でも、さすがにエンターテインメントが欲しくなる。そんなときにありがたいと感じたのが、試乗車に搭載されていたオプションのバング&オルフセン(B&O)・サウンドシステム。アウディは以前から高級オーディオメーカー“B&O”の製品を積極的にオプション設定してきた。スイッチを入れたときに三角錐をしたドーム型スピーカーがダッシュボードから迫り上がる演出をご覧になった読者も少なくないだろう。あれはあれで素晴らしく音がよかったけれど、いかんせん価格が70~80万円と高かった。ところがA5に装着されたB&Oサウンドシステムのオプション価格は17万円。残念ながらあの“迫り上がるスピーカー”は含まれていないものの、余計な味付けをせず、クリアな音を響かせるサウンドは健在。高速クルージング中はアップル・カープレイを通じ自分のiPhoneをコントロールして、お気に入りのナンバーを聞きながら窓の外を流れる景色を楽しむことができた。

ロングクルージングで同じく心強い存在となってくれるのがドライバーズ・アシスタンス(運転支援装置)の数々。試乗車には、前車との間隔と車速を自動的に制御してくれるアダプティブ・クルーズ・コントロール、それと車線のほぼ中央を維持するようにステアリング操作をサポートするアクティブ・レーン・キーピングが装着されていたので、なおさら快適だった。いまさらいうまでもなく、こうした装置は安全運転をサポートするためのもので、決して機械任せの運転が許されるわけではない。それでも、ドライビングの負担が多少なりとも軽減される分、ドライバーに余裕が生まれるのは事実。この精神的な余裕を周囲の安全確認に活用するのが、ドライバーズ・アシスタンスの正しい使い方といえるだろう。

さて、試乗車にはピレリのスタッドレスタイヤ“ソットゼロ 3”が装着されていたこともあって、チェーン規制中の関越道に設けられた“検問所”も無事に突破。雪が舞い落ちるなか、車外に出てチェーンを装着する手間が省けるのはなんともありがたい。しかも、雪深い斑尾周辺の道もまったく不安なく走破できた。

ところで、ひとくちにクワトロといっても、そのハードウェアには様々な種類がある。たとえば、A5のようにフロントにエンジンを縦置きする場合はセンターデフにトルセンCと呼ばれる機械式リミテッド・スリップデフが用いられる。これは前後輪が常に機械的に連結されているので、どんな状態でもコンスタントな性能を期待できるのがメリット。反対に、機械式ゆえに前後トルク配分を能動的に変化させることはできない。トルセンCであれば基本は前:後=40:60となる。軽快なハンドリングは楽しめるけれど、よほど特殊な状態でなければオーバーステアに持ち込むのは難しいという設定だ。今回試乗したA5も、まさにそのとおりのハンドリングを示した。

いっぽう、A1、A3、Q3などエンジンを横置きするモデルには、電子制御式の油圧多板クラッチで後車軸へのトルク配分を調整するハルデックス・カップリングが用いられる。ただし、その役割は「後輪と前輪をどれだけ強く連結するか?」ということにあるため、後輪へのトルク配分は最大でも前輪とイーブン。反対に、状況によってはフロントが100%でリアが0%(最新のハルデックスでは、ステアリング特性の唐突な変化を防ぐ目的で最低でも数%ほどのトルクが後輪に伝達される)にもできる。古くからのクワトロ・ファンのなかには「(ハルデックスなどの)オンデマンド式4WDはホンモノじゃない」と思い込んでいる向きもあるようだが、あるときアウディでクワトロの開発を担当する技術者に聞いたところ、こんなふうに答えた。

「ハルデックスでも十分に高い性能を確保できます。重要なのは、ハルデックスを制御するソフトウェアをどうするかで、その考え方は自動車メーカーによってマチマチ。アウディ・クワトロであればハルデックスでもまったく問題ありません」

そう、大切なのはデバイスの形式がなにかではなく、様々なデバイスを組み合わせてクルマ全体をどう仕上げるかにある。その点、グローバルな売り上げに占めるクワトロ比率が50%に迫るアウディであれば、基本設計の段階から4WD仕様の開発が織り込まれているので、4WDが持つポテンシャルをフルに発揮できる。つまり、ここでも大切なのは「4WDかどうか?」なのではなく、その自動車メーカーがどれだけ真剣に4WDと向き合っているかどうかにかかっているのだ。

さて、無事に斑尾までの往復を終えてオンボード・コンピューターをチェックしたところ、およそ600kmを走って平均燃費が13.9km/ℓだったことが判明した。いくらひとり乗車だったとはいえ、途中、朝の渋滞に巻き込まれ、雪道でスポーティドライビングを楽しみながら14km/ℓ近い燃費を記録したのだから立派なものだ。

「やはりアウディA5を選んでよかった」と、このとき改めて感じ入った次第である。

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