荷室 多数のパイプとタンク
メルセデス・ベンツが、合成燃料で走る試作車のテストを行っているようだ。今回入手したスパイ写真には、ミステリアスなEクラス・ステーションワゴンが写っている。
外観の大部分にはとくに変わったところはない。しかし、リアのサイド・ウインドウは塞がれ、その内側には多数のパイプが、荷室の床下に備わるタンクや、冷却液のリザーバーを再利用した容器からつながれていることが分かる。
開け放たれたリアハッチにレンズを向けたカメラマンの話によれば、このEクラスは写真を撮られたことに気付くと、ガソリン・エンジンの音を発して急いで走り去ったという。
これらの写真を見ただけで、確かな結論を導き出すことは難しいものの、最も可能性が高そうなシナリオは、このドイツ車メーカーがなんらかの合成燃料を使う新しいパワートレインのテストを行っていたのではないかというものだ。
もちろんそこにはボッシュも関わってくる。
ガソリンエンジンにバイオ燃料?
メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーは、ボッシュと共同で、人工的に生成される代替燃料の開発を行っていることが知られている。そのテストをしている様子が目撃された可能性は高そうだ。
ダイムラーはこれまで、水素燃料電池や電動技術のほかに、将来の駆動力として選択肢となり得る代替燃料の開発に多額の投資を行ってきた歴史がある。
その中でも広範囲にわたる試験が行われてきたのがバイオ燃料だ。特にバイオマスから合成ガスを製造し、それを液化することで作られる「サンディーゼル」と呼ばれる燃料を、現実世界の様々な環境下でディーゼル・エンジンに使用してテストしてきた。
もし、われわれの推測が正しければ、メルセデスはこのような燃料を、ガソリン・エンジンに使うテストを開始したのかもしれない。
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