■フロントガラス上部に色が付いている部分は「トップシェード」と呼ばれる
かつて、クルマのフロントガラス上部に青や緑の色が付いていることがありました。
それらは、「トップシェード」や「ハーフシェード」と呼ばれるものですが、最近ではあまり見かけなくなりつつあります。トップシェードやハーフシェードを見かけなくなった理由は何なのでしょうか。
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かつてのクルマには、フロントガラス上部に青や緑のグラデーションが付いており、日差しを和らげたり紫外線をカットしたりする役割があります。
日中や日差しが厳しい真夏のドライブでは、フロントガラス上部から太陽の光が差し込んできたときに視界が遮られることもあり、運転に集中できなくなることもあります。
トップシェードは、そのような状態から、目にかかる負担を軽減させてくれる役割があるわけです。
かつて、トップシェードは人気のセダンを中心に標準装備されており、アクセサリーパーツメーカーがフロントガラス上部に装着する青や緑に加工された交換用アイテムを販売していました。
とくに、ひと昔前のスポーツモデルや高級モデルには、青色のトップシェードが標準装着されていることも少なくありませんでした。
実際に、スポーツモデルや高級モデルに憧れた人が青色のトップシェードを真似て装着するのが流行った時期もあります。ある種、クルマのお洒落の象徴のような存在でもあったのです。
かつてホンダでは、車種ラインナップのうち、およそ8割強に設定されていた装備であり、トヨタや日産などでは、装備表のフロントガラスに関する記載で「トップシェード付」というような記載がされていることもありました。
一方でマツダは、開放感や視界などの点で不利となる場合があるという理由でトップシェードを装備していませんでしたが、以前まではクルマにトップシェードが付いていることもめずらしくなかったのです。
また、2022年7月に発表された16代目となるトヨタ新型「クラウン」では、15代目までトップシェードが採用されていましたが、今回のフルモデルチェンジで無くなっています。
その理由について、トヨタ広報部は「そもそも最近のクルマでは採用例が減っているということに加えて、新型クラウンでトップシェードを廃止した理由としては、車内からの開放感や車外から見た際の視認性、そしてデザイン性というさまざまな観点から廃止に至り、無い状態でも極端に眩しいということはありません」と話しています。
■トップシェードはあまり見かけなくなった?その理由とは
しかし、近年トップシェードを見かけることは減ってきました。
実際に、トヨタ販売店担当者は「フロントガラス上部のトップシェードというものを標準装備しているクルマはほとんどラインナップしていないです」と話します。
このように、トップシェードを使用しているモデルは激減しています。
その理由について前出の担当者は「衝突被害軽減ブレーキやレーダークルーズコントロール用のカメラやセンサーがフロントガラスに装着されていることが理由のひとつとして挙げられるのではないでしょうか」といいます。
衝突被害軽減ブレーキとは、カメラやレーダーにより先行車との距離を常に検出し、危険な状況ではないかを監視するものです。
レーダークルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)とは、高速道路や自動車専用道路を走行中に、アクセルを踏み続けなくても一定の速度を維持しつつ、先行車に追いついた際には安全な車間距離を保ちながら先行車の速度に合わせて追従していくシステムのことです。
これらの機能は、フロントガラス部分に装着にされるカメラやバンパー部分に装着されるセンサーによって対象物を検知しています。
しかし、過去のクルマでもこのようなカメラを搭載しつつトップシェードを採用しているクルマも存在しましたが、それらも見なくなった理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
とある自動車メーカーの担当者は次のように離しています。
「過去にトップシェードとカメラが付いていて車種では、上手くカメラのイチを避けるように加工されていたものや、そもそもカメラの検知精度がそこまでトップシェードに影響されなかった可能性があります。
しかし、最近では検知範囲や精度が高まっていくにつれて、極力カメラなどに影響が出るものは採用されなくなったという背景があると思います。
また最近のクルマではルーフトップなどの造形を工夫することで日差しなどの影響を受けづらいモデルも存在することから、トップシェードが減っているのではないでしょうか」
※ ※ ※
またトップシェードを越しでは信号機が見づらいということもあり、さまざまな観点からかつての高級車の定番装備だったトップシェードが減っていったようです。
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