現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > Moto3であわや大惨事のクラッシュ。危険なライディングと運営判断にMotoGPライダーからも苦言「手に負えない状況」

ここから本文です

Moto3であわや大惨事のクラッシュ。危険なライディングと運営判断にMotoGPライダーからも苦言「手に負えない状況」

掲載 1
Moto3であわや大惨事のクラッシュ。危険なライディングと運営判断にMotoGPライダーからも苦言「手に負えない状況」

 サーキット・オブ・ジ・アメリカズで行なわれたMotoGPアメリカズGPのMoto3クラス決勝では、8周目にフィリップ・サラック(CarXpert PruestelGP)の転倒により赤旗中断。その後、残り5周のレースとしてリスタートが切られたものの、その3周目にバックストレートで多重クラッシュが発生したため2度目の赤旗が掲示され、そのままレース終了となった。

 2度目の事故の発端となったのは、Red Bull KTM Tech 3のデニス・オンジュであった。オンジュはバックストレートで大きくラインを変更し、ジェレミー・アルコバ(Indonesian Racing Gresini Moto3)の前を横切るような形となった。それにより2台は接触し、転倒したアルコバのマシンに後続のアンドレア・ミーニョ(Rivacold Snipers Team)とペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)が突っ込んでしまったのだ。

■デニス・オンジュ、Moto3アメリカズでの危険走行により2レース出場停止が決定

 幸いにも全てのライダーが大事には至らず済んだが、オンジュは2レースの出場停止処分を受けた。なおレースは最初に赤旗が出された時点の順位で成立となり、イザン・ゲバラ(Solunion GASGAS Aspar Team)の初優勝で幕を下ろした。

 2輪ロードレースにおける安全性に関しては、今年に入って大きな話題となっている。今季のMoto3ではジェイソン・デュパスキエが事故により命を落としており、先日行なわれたワールド・スーパースポーツ300のレースでもディーン・ベルタ・ビニャーレスが事故死した。

 これについてMotoGPの大ベテランであるバレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は、Moto3における安全性が「手に負えない状況」になっているとして、スチュワードはオンジュに厳しいペナルティを与える他なかったと主張している。一方で、スチュワードがサラックの事故の後レースを再開させたことには批判的な意見を述べた。

「オンジュや他のライダーのことをとやかく言いたくはないけど、ペナルティは妥当だったと思う」

 ロッシはそう語った。

「彼ら(スチュワード)は行動を起こさないといけなかった。彼(オンジュ)が2レースを自宅で過ごさないといけないのは、最低限の罰則だ。現状は手に負えないことになっているからね」

「今回の彼らはミスを犯した。Moto3は残り5周でリスタートされたが、5周のレースは危険すぎる。ロシアンルーレットのようなものだ」

「それはそうと、オンジュは他のライダーがいることを分かっているにも関わらず、ストレート上を横切った。あれは致命的なクラッシュになりかねない。恐ろしかった」

「アコスタは恐ろしい転倒をしたが、何事もなかったのは幸運だった。彼らは最初から事態を深刻に受け止めた行動をしないといけなかった。何かが起きる前に状況を変えないといけない。2輪レースにおいて、コース上であのような振る舞いをすることはあまりに危険すぎる」

「自分とそのライバルの安全を尊重しないといけない。これはポジションをひとつ上げることよりも重要なことだ。このままだと若い子たちの命を弄ぶことになり、大惨事になりかねない」

 ドゥカティのジャック・ミラーはこのロッシのコメントに同意しつつ、今回の事故がもっと狭いサーキットで起こっていれば、より酷いものになっていただろうと語った。

「あれは不運な事故なんかではない。ストレート上であからさまに動いていた」

「あんなことが年中起きている。今年のバルセロナでも、ストレート上での動きにハラハラさせられることがあったが、今日は正直本当に酷かった」

「皆が無事だったことは良かった。特にアコスタとミーニョは完全に無実な傍観者だった。彼らは普通にスリップストリームを使っていただけなのに、前の方の馬鹿なライダーがお互いに接触したことで、彼らの前にバイクが置き去りになってしまった」

「これがテキサスで起きたのは、本当に幸運だった。飛行機が滑走できるほど広いストレートだからね。だから他のライダーたちの行き場があった。でも、もしこれがヘレスで起こっていたら、良くないことになっただろう」

「そのことと、レースを再開しようと考えたことは確かに愚かだったと思う」

こんな記事も読まれています

F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
F1ハースとの協業で得られる技術的メリット。WECとの違いとパイプライン【トヨタ/TGR加地部長インタビュー/前編】
AUTOSPORT web
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
マセラティ公式の「スーパーカー消しゴム」グッズ発売、“直線番長レース”で大人も夢中に
レスポンス
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
「うわっ…!」“西日”がまぶしい! 午後のドライブで突然のピンチに!? 注意したい晩秋特有の“現象”に有効な「対策」とは
くるまのニュース
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
急転直下のキャデラックF1参戦。マリオ・アンドレッティにとっても謎?「個人的な理由もあったようだが、突然まとまった」
motorsport.com 日本版
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
[15秒でわかる]ヒョンデ『アイオニック9』…柔軟な座席配置を実現
レスポンス
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
いすゞ「“2階建て”キャンパー!?」世界初公開! タフな「カクカク」ボディが超カッコイイ! 6人寝られる「NTB エクスペディション ストライカー」愛知で実車展示
くるまのニュース
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
F1シート喪失の周冠宇、2025年はフェラーリのリザーブドライバー就任?「彼らは僕にかなり興味を示している」
motorsport.com 日本版
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
最強ディフェンダー「オクタ」初展示! 驚愕スペックとプロトタイプの全貌とは
レスポンス
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
F1、カタール航空のSAF(持続可能航空燃料)プログラムに参画。”空のネットゼロ”実現にも貢献へ
motorsport.com 日本版
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
【MotoGP】現役引退のアレイシ・エスパルガロ「才能では劣っていると感じていたけど、努力で勝った!」
motorsport.com 日本版
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
“不死鳥”ウィケンス、IMSAのGTDクラスに参戦! インディカーでのクラッシュで下半身不随もレースへの情熱は燃え続ける
motorsport.com 日本版
日産、全国車椅子マラソンを12月開催へ…パラリンピック選手も参加
日産、全国車椅子マラソンを12月開催へ…パラリンピック選手も参加
レスポンス
トヨタに「超スゴいクラウン」登場! 300馬力超えに斬新「黒すぎデザイン」ד匠”の表面仕上げボディがカッコイイ! 「所有欲満たす特別なクラウン」どんなモデル?
トヨタに「超スゴいクラウン」登場! 300馬力超えに斬新「黒すぎデザイン」ד匠”の表面仕上げボディがカッコイイ! 「所有欲満たす特別なクラウン」どんなモデル?
くるまのニュース
宮田莉朋、FIA F2初開催カタールはライバル勢に“コソ練多し”目標はトップ10入り/第13戦プレビュー
宮田莉朋、FIA F2初開催カタールはライバル勢に“コソ練多し”目標はトップ10入り/第13戦プレビュー
AUTOSPORT web
ブレーキだけで1台分500万円も!? 高性能車に採用される「カーボンセラミックブレーキ」はなにが違う? 摩擦力と耐熱性に優れた理想のブレーキでした
ブレーキだけで1台分500万円も!? 高性能車に採用される「カーボンセラミックブレーキ」はなにが違う? 摩擦力と耐熱性に優れた理想のブレーキでした
Auto Messe Web
スズキ、子どもたちに宇宙の魅力発信 12/8にスズキ歴史館でイベント開催
スズキ、子どもたちに宇宙の魅力発信 12/8にスズキ歴史館でイベント開催
日刊自動車新聞
F1由来の最新ターボシステムを採用!「メルセデスAMG GT 43 クーペ」が日本デビュー!
F1由来の最新ターボシステムを採用!「メルセデスAMG GT 43 クーペ」が日本デビュー!
Webモーターマガジン
激レア車が集結!オーテック湘南里帰りミーティング2024レポート
激レア車が集結!オーテック湘南里帰りミーティング2024レポート
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • Moto3時代に散々ダーティーで危険な走りをしていたミラーがそれを言うか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村