生誕60周年を迎える英国製ミニ
自動車の「ミニ」と聞けば、若い人は現在も販売されているBMWミニを思い浮かべるかもしれないが、中高年以上のクルマファンならやはりクラシック「ミニ」だろう。かつて英国の自動車メーカーが元気だった1950~1960年代にあって、英国のみならず世界的な大ヒットとなった小さな巨人だ。そんなミニの中古車相場が高騰の兆しを見せている。では、ミニ(以下クラシック・ミニ)購入時にチェックしたい3つのポイントを紹介しよう。
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クラシック・ミニ最大の特徴といえば、全長わずか3mほどのコンパクトな2BOXデザイン。小径のタイヤをボディの四隅に限りなく追いやり、量産車世界初の横置きエンジン/前輪駆動を採用することで、大人4人がしっかり乗車できるパッケージングを実現。誕生したのは、1959年8月のことだった。当時としてはユニークな設計思想であり、以後世界中のメーカーに影響を及ぼし、今日のコンパクトカーの定番となったのだ。
そんなトピックスを持つクラシック・ミニだが、構造云々とは関わりなくその愛らしいスタイルもあって、現在でも世界中に熱狂的なファンが存在。とくに今年はクラシック・ミニ生誕60周年で、日英で大きなイベントが開催される。ミニマリストやエコロジーが注目される今、単なるホビーとしてだけでなく、時代にあったカーライフをともにする相棒として再び脚光を浴びているのだ。
加えて、近年は空冷エンジンを搭載するポルシェや日産R32型スカイラインGT-Rのように、ある一定の年数を経たモデルが日本から海外へ流失。国内中古車市場の物件数が減り、結果として中古車相場が上昇するという例がある。アジア圏の富裕層など「日本にある程度のいいミニが欲しい」というオーダーも増えつつあり、いずれ国内のクラシック・ミニ相場がジワジワ上がる可能性があるわけだ。
2013年の一定年数以上乗ったクルマを買い替え時に廃車にすることで補助金が出た「新車買い替え補助」で、残念ながら国内のクラシックミニの現存数が一気に減少。この年を境に、クラシック・ミニの中古車相場は上昇している。
今回の60周年はクラシックミニのファンや関係者にとっては素晴らしいビッグイベントだが、注目度が世界的に増せば人気やニーズは増え、結果として国内の中古車相場はさらに上昇する。クラシックミニが気になっている人は早めの購入が賢明というわけだ。
「相場よりも高め」の個体を選ぶ
正規のクラシック・ミニは生産中止からすでに19年が経っており、高年式といってもかなりの年代モノ。よほどのレアモデルでなければ150万~200万円くらいの予算を考えておけばいい。購入時のポイントは「安いな」と思えるモデルより、「やや高い」と感じる個体をがオススメ。今でもあらゆる補修用の部品が手に入るが、やはりトラブルは避けたいもの。専門店で整備や保証がしっかりしたモデルを選んだ方が結果的には安心だし、ハッピーになれるだろう。
走行距離や機関状態よりもサビのないボディ
クラシック・ミニともなれば、よほどのことがない限り走行5万km以下の中古車は見つけにくい。エンジンやミッションなど機関系については後々いくらでも修理できるが、やはり重要ポイントはボディのサビの有無。錆びていても修理・修正できないことはないものの、かなり高額になることが多い。サイドシル、ルーフウエザーストリップ、前後バンパーの付け根、トランクフロアなどに目立つサビがないことを確認しよう。
展示車の多い専門店で探す
後々のメンテナンスなども考えると、購入時の店選びが大きなポイント。クラシック・ミニの取り扱いを専門にするスショップは多いので、まずはこういった専門店で検討すべき。知識も豊富だし、個体個々の状態の把握も容易なうえ、複数年の保証をつける販売店もあるから安心といえよう。
また、展示車両が多ければそれだけニーズにあったモデルを見つけやすい。新車と違って自分好みの装備・仕様の個体を選ぶことは難しいが、専門店ならばアフターパーツを含めたカスタムやチューニングで対応してくれる。エアコン化やキーレス、シガーライタータイプの電源など、現代車に匹敵する装備にすることも可能だ。
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