「読者の皆さま、自動車メーカーの皆さま、本当にありがとうございました!! これからもよろしくお願いします!!!」
2022年11月20日、そぼ降る雨のなか富士スピードウェイにて実施された「ベストカー創刊45周年記念イベント」にて、飯嶋穣編集長の声が響いた。多くのご応募をいただき、抽選を潜り抜けてご参加くださった65組100名の読者の皆さまとともに楽しみ、大いに盛り上がりをみせたイベントの一端を、以下、ご紹介いたします(ちょっと長いよ)。
【祝】ベストカー創刊45周年記念イベント開催!! 感謝感謝感謝の「これまで」と「これから」と
文/ベストカー編集部、写真/池之平昌信
■45年を支えてくれた読者の皆さまに感謝をお伝えしたく
本誌『ベストカー』が創刊されたのは1978年1月号で、発売は1977年12月。ということで、2022年から2023年にかけてが、本誌の創刊45周年となります。
「45年」とひと口に言いますけれど、1977年というとですね、スカイラインは5代目C210型「スカイラインジャパン」がデビューした年。クラウンだったら5代目S80、90、100系の時代。日本車にはまだターボエンジンがなく、初代サバンナRX-7がデビュー間もなく……という時代。
当日用意された試乗車。純ガソリン仕様からPHEV、e-POWER、BEV、ディーゼル+マイルドハイブリッドと、異なるユニットのモデルが並んだ。時代ですねぇ…
考えてみれば、『ベストカー』は日本車暗黒時代と言われた排ガス規制の激震からの復活期、そして1989年、90年代初頭の日本車が世界と肩を並べる華々しき時代とともに成長してきたわけです。
その後のバブル経済崩壊による沈滞期も見てきたし、現在へとつながる、電動化を含めたカーボンニュートラルに向けた各自動車メーカーの奮闘も間近で見続けています。
そんな45年を支えてくれた読者の皆さまに感謝をお伝えしたくて、各自動車メーカーに支援をいただいて今回の最新電動化車を中心とした試乗会イベントを開催したのでありました。
「このイベントで初めてEVに乗った」という人も多く、「時代」というのは一気に動くものではなくて、ゆっくり徐々に動いていくものなのだと実感しました
参加していただいた読者の皆さまはもちろんですが、遠方のため参加できなかった方々、また、試乗枠の抽選に外れてしまった方々(大変申し訳なく思っております)、そして、貴重な試乗車、展示車をご提供くださった各自動車会社の皆さまに、心より感謝いたします。ありがとうございます!!(以下、試乗内容やトークイベント、座学について紹介)
■「試乗車」編
本イベントは富士スピードウェイP7駐車場を貸し切って実施されました。抽選で当たった65組の読者の皆さまに、各自動車メーカーの協力によりお借りしたEVやハイブリッド車など、最新の"電動車"を試乗車として用意。参加者の皆さんには、1周約1分程度のコースを2周していただくことで、電動車ならではの加速感を味わっていただくとともに、スラロームセクションでは操縦性を確認してもらうことができました。
試乗は抽選で選ばれた65組の皆さんが、(これまた)抽選で選ばれた2台に乗る…というもの。乗りたいクルマに乗れずにすみません…またやります!!
初めてEVを運転したという読者も多く、そのスムーズながら踏めばパンチのある加速感に驚きの声を上げていたのが印象的でした。
■「展示車」編
本イベントでは試乗車だけでなく「乗り込みOK」の展示車も用意。マツダは展示車として1989年にデビューした初代NA型「ユーノスロードスター」をはじめとした歴代ロードスターを用意。全車バリバリのコンディションでした。
また、新型クラウン、新型フェアレディZ、新型クロストレックなど、最新モデルもズラリと展示。家族で参加したお子さまが興味深くZに乗り込む姿が微笑ましかったです。
ゲストに招いた皆さんも展示車に興味津々でしたな…写真は新型クラウンが気になって仕方がない小川直也氏
また個人的には新型スペーシアベースの注目度が何気に高かったところもポイント高し。「隠れ家感」が人気のポイントだったようです。
■「トークイベント」&「座学」編
当日は朝から雨の予報だったにもかかわらず、午前中は青空が見える時間もありました。昼休みの時間帯には鈴木直也氏と飯田裕子さんによる日産SAKURAのスペシャルトークショーも実施。「EVは軽自動車でこそその真価を発揮する」と、鈴木直也氏は熱弁。
飯田裕子氏と鈴木直也氏で即席の「日産サクラ/三菱eKクロスEVはなぜ画期的なのか」講座を披露。こちらは別途記事化いたしますので、お楽しみに!
また、長年のベストカー読者だったらそのレジェンドぶりを知らぬ人はいないであろう、「タケちゃんマン」こと竹平素信氏もトークに乱入。国沢さんとのぶっちゃけトークでは、とてもではないがここでは書けないような昔のラリー界のマル秘話が次々炸裂。やっぱりタケちゃんマンのキャラクターはベストカーにはなくてはならない存在なのであります。
古いベストカー読者ならみんな知ってる、みんな大好き「タケちゃんマン」こと竹平素信氏。トヨタモータースポーツ創成期に実験ドライバーとして活躍し、ラリードライバーとしても大活躍
柔道家にして総合格闘家の小川直也氏は、大のクルマ好きとしても知られる。ベストカーでも幾度となくスペシャル企画で登場。来場者と記念写真に勤しんでくださいました。さらにはスターダストプロモーション執行役員であり、無類のクルマ好きとして有名な芸能事務所マネージャーの川上アキラ氏も参戦。芸能界のウラ話を披露してくれました。
参加者との記念撮影にも気さくに応じてくれる小川直也氏。写真は子供に「やられた~~」と言ってくれる姿です
スターダストプロモーション執行役員の川上アキラ氏。「ひとりふんどし」でお馴染みです
「座学」では、本誌ベストカーの試乗記でおなじみのジャーナリストたちが、マイクをとって生講演。以下、ざっくりダイジェスト版をお届けします。
【鈴木直也氏】
『2030年代中盤までに本当にEVのみの販売という計画は実現するのだろうか?』という点で問題提起。直也さん自身はかなり難しいのではないかとの見解でした。BEVはバッテリーの劣化が重要な問題で、トヨタはbZ4Xに関し急速充電器で充電できる回数を一日2回に制限するなど慎重。KINTOのみの扱いもその一環だと説明。直也さんが考える現状のEVのベストは日産サクラ、三菱eKクロスEVで、夜間に充電して短い距離で使用というのを繰り返すのが現状ではベストとおっしゃっていました。それから、先日世界初公開された新型プリウスについても言及。
【国沢光宏氏】
国沢さんは直也さんとは対照的に、「今後内燃機関エンジン車両は販売できなくなる」と主張。国沢さんは、BEVの魅力は何かと参加者に質問。それに対し出てきたのは、発進時の加速の鋭さ、スムーズさ、静かさなどの意見が出ましたが、国沢さん曰く、「これはクルマ好きの見解で、最大のメリットは、エネルギーコストの安さにある」と説明されました。すでにガソリンスタンド過疎地も出てきているし、女性などはガソリンスタンドに行くのが嫌いな人も多い。そんな人にとってBEVはうってつけであることも説明されていました。そして、クルマ好きは往々にしてBEVに対し否定的だが、嫌いでもいいから邪魔しないで欲しいとも。
【飯田裕子氏】
まじめな性格を反映し、事前に今回の試乗車についてのポイントをまとめてきてくれていました。これから試乗する人に乗る車種を聞き、それについて丁寧に説明。同時に試乗を終えた人にはクルマの感想を聞くと同時に、ご自身の感じた異なりを交えて展開。ほとんどの車種についてわかりやすく解説していただき、参加者からも大好評。参加者の注目度も高いマツダCX-60については、ハンドリングはいいけど、少し乗り味が硬いのが気になるとの意見に対し、CX-60に試乗した人も賛同。飯田さんの説明は、基本的に試乗車に関して、運転する楽しいポイントをアピールしてくれていました。
【渡辺陽一郎】
渡辺陽一郎さんの座学は、予定されている最後のプログラムでした。陽一郎さんは直也さん、国沢さん、飯田さんすべての座学に立ち会っていただいていて、同じことをしゃべってもつまらないので、発表されていない秘話などをお話しいただきました。なかでもステップワゴンについて、スパーダにはブラインドスポットモニターが装備されるのに、エアーには装着されていないのは、リアの形状の違いが要因だというのは参加者も目からウロコだったようです。そのほか、試乗車ではありませんが、新型プリウスについても言及されていました。
■おわりに
イベント当日の2022年11月20日(日)、関東甲信地方の天気予報はあいにくの雨だったのですが、午前中は一時青空が見れるほどの天候となりました(皆さまのお力としか思えません!!)。13時過ぎには雨が降り出して、午後の試乗枠の方にはちょっとご不便をおかけしましたが、大盛況のうちにトラブルなくイベントを終えました。
思えば、長いようであっという間の45年でした。株式会社講談社ビーシー社員一同、心より感謝申し上げます。そしておそらく、この先の45年は、これまでの45年とは比べものにならないくらい「クルマ」というものが大きく変わってゆく時代なのだと思います。それでも、皆さまと培ってきたこの「楽しさ」や「いとしさ」は変わらないと信じて、この先も面白くてためになる誌面を作り続けていきます。なにとぞよろしくお願い申し上げます!!!!
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