昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「いすゞ ジェミニ イルムシャー」だ。
いすゞ ジェミニ イルムシャー(JT150型):昭和61年(1986年)5月発売
いすゞ ジェミニが、駆動方式をベレット・ジェミニ時代から続くFR方式をFF方式に変更したのが1985年(昭和60年)5月。だだし、ホットバージョンのZZ/Rだけは先代をベースとしFR方式で生産されており、FFのホットバージョンは存在しなかった。そこで1986年5月、いすゞは、ピアッツァとアスカで展開していた「イルムシャー仕様」をFFジェミニにも設定し、そのホットバージョンを「ジェミニ イルムシャー」として発売した。その名のとおり西ドイツ(当時)のチューナーであるイルムシャー社がチューンを手がけ、3ドアハッチバックと4ドアセダンともに設定された。
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エクステリアはセンセーショナルなものだった。フロント、リアのボディ同色バンパーには大型のエアダムを装着。またイルムシャー専用に開発したリアスポイラー(ハッチバックではウイングタイプ)も目を引いた。ボンネットフードにエアインテークを設けたのはインタークーラー冷却のためだが、これも高性能を物語る。さらにイルムシャー仕様専用のボディカラーと、同色のフルホイールカバーにより、ワイドトレッド感と大径ホイール感を増している。インテリアもジェミニ イルムシャー専用に開発したレカロ製シートや、MOMO社製イルムシャー ステアリングホイールを採用するなど、機能性を追求するともにスポーツ性の高いものとしている。
搭載されるエンジンは、新開発の1.5L直4 SOHCターボにインタークーラーも装着し、シグナスII 4XC1-Tと名付けられた。ベースのエンジンはスタンダードのFFジェミニと同一で、鋳造中空クランクシャフトや軽量ピストン/コンロッドなどで軽量化し、2本ピストンリングの採用でフリクションロスロスの低減を果たしたもの。これにマイクロコンピュータにより常に最適な過給圧を得られるようにしたエレクトロターボと空冷式インタークーラーで効率的な過給を可能としていた。またドライバーの選択により、手動で過給圧をHIGHとLOWに切り替えられる2ウエイターボモードシステムを採用していた。パワースペックはHIGHモードで120ps(ネット)と18.5kgmを発生する。
サスペンションはフロント:ストラット式/リア:コンパウンドクランク式で基本はスタンダードのFFジェミニと同様だが、イルムシャー チューニングのサスペンションとなっていた。パワーアップに対応し、キャンバー角をネガティブに設定しコーナリング時の安定性を高めるとともに、ドライブシャフトを左右等長化し、急加速時などのトルクステアを軽減している。リアサスは、路面からのショックを受けたときは両輪が垂直に上下動し、コーナリング時などボディに強い遠心力がかかったときも路面に対して垂直に近い姿勢になるようにセッティングを行っている。ショックアブソーバーはガス封入式で、とくにリアは内部をテフロンコーティングして摩擦を低減し、操縦安定性の向上を図るとともに快適な乗り心地も実現している。
ジェミニ イルムシャーは当時のFF車としてはかなりスポーティなクルマだったが、2年後に発売されるジェミニZZ ハンドリングbyロータスと人気を食い合うような形になってしまったのが惜しまれるところだ。
いすゞ ジェミニ イルムシャー 主要諸元
●全長×全幅×全高:3960×1615×1365mm
●ホイールベース:2400mm
●重量:920kg
●エンジン型式・種類:4XC1-T型・直4 SOHCターボ
●排気量:1471cc
●最高出力:120ps/5800rpm(Lo:105ps/5400rpm)
●最大トルク:18.5kgm/3400rpm(Lo:16.3kgm/3400rpm)
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格:149万円
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みんなのコメント
当時の学生時代に陸送のバイトで、当時、FF車としてはベストバイのハンドリングを誇った
ジェミニのロータス、イルムシャーのどちらにも乗りましたが、
ロータスは1.6のNAエンジンなので、1.5ターボのイルムシャーと全く違う車の感覚でした。
ドカンと立ち上がるターボが良いか、滑らかかつ高回転域のパワーを求めるか、
どちらが良いとも言えない、運転していて官能的な楽しみがあった車です。
もちろん、当時話題となったCMも今では懐かしい限りです。