プジョーのフラッグシップモデル508にプラグインハイブリッドモデルが追加され、早速してきたのでお伝えしよう。
プジョー508は2019年3月に国内導入が始まっているが、欧州の急速な電動化戦略に呼応するように各モデルに電動化モデルが追加されている。プジョーはそうした次世代向け電動化戦略に対しては「Power of choice」としており、環境に応じて最適なパワートレーンが選択できるラインアップを用意している。
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したがって国内でのプジョー508の展開は1.6Lガソリンターボ、2.0ターボディーゼルがあり、そして今回のプラグインハイブリッドから選択できるラインアップとなっている。そしてボディスタイルでは、それぞれにファストバックとSW(ステーションワゴン)がラインアップしている。
プジョーのフラッグシップ508GTハイブリッド ファストバックスタイルは細身でスタイリッシュ 試乗したモデルは4ドアファストバックで1.6Lガソリンターボエンジンのプラグインハイブリッドで8速のATである「EAT8」を組み合わせたモデルだ。出力はエンジン単体で180ps/250Nmで、モーター出力は81kW/320Nm。システムトータルでは225ps/360Nmというスペックになる。
ボディサイズは全長4750(SW4790)mm、全幅1860mm、全高1420mm、ホイールベース2880mmでDセグメントサイズの大きさになる。価格も607万8000円でもはやプレミアムモデルとの比較になる高級モデルということができる。
ワインディングではサスペンションも引き締まりスポーティな走りになる ICEモデルと異なる仕様としてアクティブサスペンションとPHEVモデル専用のドライブモードがあり、ICEモデルは、スポーツ、コンフォート、エコ、ノーマルであるのに対し、エレクトリックモード、ハイブリッドモード、コンフォートモード、スポーツモードというように異なっている。
エレクトリックモードは電力が残っている場合はデフォルトがこのモードで、走り出しからEV走行するEVモード。ただしアクセルを大きく踏み込むとエンジンは稼働する。
ハイブリッドモードは自動でもっとも効率のよい走行をするモードで、発進時はモーター駆動で動き出し、その後エンジンとモーター駆動をシームレスに切り替えて走行するので、一般走行時に使うと効率が良いモードだ。
コンフォートモードは、駆動系制御はハイブリッドモードと変わらないが、装備されるアクティブサスペンションと連動しコンフォートな乗り心地となるモードだ。
そしてスポーツモードはエンジン主体となるモードで、シフトアップタイミングを遅らせ、アクセルレスポンス、シフトタイミング、ステアリング操舵力などが手応えのあるスポーティな仕様へと変更されるモードだ。
さらにBモードも備えており、パドル操作によりエンジンブレーキのようにも回生ブレーキを使うこともでき、スポーティな走りと同時に、市街地でもガソリン車を上回る燃費になる。
開口部が大きいリヤハッチ。使い勝手が良さそうサイドウインドウも小さくスポーティスタイルだ 今どきの流行りと反対にグリルサイズは控えめ リヤフェンダーの張り出しで踏ん張り感がある こうしたモード切り替えを使ってワインディングや市街地、高速道路を走行してみたが、いずれのシチューションでも静粛性が高くエンジンの稼働にあまり気づかないほど静かに走行する。アクセルを目一杯踏み込んでやっとエンジンの音が遠くで聞こえるレベルで、全車速域、全モードで静かに走り、EVカー的な走行を味わうことができる。
もちろんパワーレスポンスやブレーキタッチの違和感など一切なく、洗練された制御に仕上がっており、フラッグシップに相応しい走行を堪能できることをお伝えしたい。
エクステリア・デザインも洗練されフロントマスク左右にある縦型の細いライトはデイタイムランニングライトでフルLEDライトになっている。一見、ライオンの牙をモチーフにしたデザインだが、プジョーではサーベルを意味する「セイバー」としている。これが、遠くからプジョーであることがひと目で分かり存在感を強調しているのだ。
牙をイメージさせるがサーベルをオマージュ またテールランプもフルLEDでライオンの3本の爪痕をイメージしたデザインで仕上げられ、ランプの幅も細身でオシャレ度をアップしたデザインだ。
大きい開口部だが、ロードノイズの侵入などはしっかり抑えられている そしてファストバックスタイルの4ドアでテールゲートが開く。開口部も大きくスペースも広いので、ユーティリティも良さそうだ。後席はバッテリーを床下に収めている関係で座面が高くなっている。後席に座るとミニバンなどで感じるシアタースタイルに似たポジションで、ルーフが頭部に触れないように凹形状になっている。そのためそれほど圧迫感はなく、また前方の視界がある程度確保できているポジションになる。
デザインされたもので構成されている感じがスマート ナッパレザーの高級レザーシート。ここにもデザインを入れている
ウインドウトリム位置が高く囲まれることで
いいものを手にした満足感が生まれてくる 大型タッチスクリーンの先進感と
デザインされたトグルスイッチで実用性も高い インテリアはi-Cockpitと名付けているように拘りのあるインテリアだ。すぐ目につくのは小径のステアリング。採用してからかなり時間も経っているものの未だに新鮮さを感じるデザインだ。上下にフラットなデザインを採用し、イナーシャが皆無のステアリングはメーターをハンドル越しに見る独特のポジションは健在。
センターには8インチのタッチスクリーンを採用しつつ、ピアノの鍵盤をイメージさせるトグルスイッチは実用性が高い。頻度の高いものはこのトグルスイッチで操作できるのがいい。なんでもタッチスクリーンというモデルが多い中、実用的に感じた。
またメーターパネルには12.3インチの液晶モニターが装備され、視認性も含め先進感のあるインテリアを感じる。シフトレバーやエアコンの吹出口などどれを取ってもキチンとデザインされており、フランス車らしいデザインへの拘りを感じさせ、所有した際の満足感はドイツ車よりも高いと思う。そうした感性性能はさすがプジョーと感心する。<レポート:髙橋明/Akira Takahashi>
充電は普通充電のみ 235/45-18ミシュランPS 1.6LターボのPHEV シアター式で座面位置が高い シフトレバーデザインも魅力 ハンドルの上から視認 パッケージオプションのサンルーフ 今回の記事は、 FMヨコハマの番組「THE MOTOR WEEKLY」でもピックアップ。
radikoでも 9月25日まで お聴きいただけます。
https://radiko.jp/share/?sid=YFM&t=20210918200000
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