日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな海外限定ともいえるモデルをフィーチャー。今回は2021年6月にインドで発表された新型車ヤマハ「FZ-X」を見ていこう。
ヤマハ「FZ-X」の特徴
XSR風ネオレトロスタイル+FZ-FIのメカニズム=「FZ-X」
ヤマハ・モーター・インディアが今年、「Ride Free」をキャッチフレーズにインド国内向けに投入した150ccクラスのニューモデル、それが「FZ-X」だ。
かつて日本などで販売されていた、750cc5バルブ水冷直4エンジンを搭載したクルーザー風のスポーツモデル・FZX750との関連はない。
この連載でも、ホンダのCB150RストリートファイアやスープラGT-R150、スズキのイントルーダー150などを紹介してきた。
そこからも分かるように、東南アジアのスポーツバイク市場の中心は150ccクラス。バイクに乗る若者の人口が非常に多いインドでも、御多分に洩れず150ccクラスは大人気。ヤマハも水冷エンジンを搭載するMTシリーズのMT-15をはじめ、同じく水冷エンジンを積むスーパースポーツのYZF-R15、そして空冷エンジンを搭載したモダンでベーシックなネイキッドであるFZS/FZ-FIシリーズを用意してきた。
そのラインナップを補強するために開発された「FZ-X」は、これまでインド向けには存在していなかった、ネオレトロスタイルのいわゆる「ヘリテイジスポーツ」という位置付け。一目見れば分かるように、そのスタイリングは日本でも販売されているXSR900を想わせる。
フォークブーツやゆったりとしたタックロールシートが目立つレトロなフォルムに、LEDヘッドライトなどの現代的なディテールを融合させた、強い存在感のあるデザインだ。
XSRシリーズにはすでにXSR125と、その排気量拡大版のXSR155が存在している。ならインドでもそのまま販売すればいいようにも思えるが、XSR155はMT-15と、可変バルブ機構・VVAを採用するパワフルな水冷エンジンやデルタボックスフレームなど、メカニズムの基本的な部分が共通。そもそもネイキッドという点でもキャラクターが被っている。
さらにスポーティさを重視した造りで価格的にもやや高い。そこでインドの市場の要求に合わせて、価格をMT-15の8割程度に抑え、扱いやすい性格とされた「FZ-X」が開発されたようだ。
この「FZ-X」のベースとなっているのは、兄貴分であるFZ25と共にインドでは人気の定番モデルとなっているFZS-FI/FZ-FI。その定評のあるメカニズムを活かしながら、外装デザインを変更してイメージを一新したのが「FZ-X」ということになる。
149ccのOHC2バルブ空冷単気筒エンジンは、ヤマハ最新の技術を盛り込んで開発された高効率なブルーコアエンジン。最高出力は18.5PSのMT-15には劣るものの、12.4PSと十分にパワフルで粘り強い特性を備え、インド独自の排ガス規制・BS6もクリア。
また、シングルチャンネルABSを組み合わせたフロントディスクブレーキも装備。正立フロントフォークはインナーチューブ径φ41mm、7段階にプリロードを調整できるリアサスなど、車体もしっかりとした造り。
さらに機能面も充実している。メーターは反転液晶パネルを使ったコンパクトな多機能タイプ、電源ソケットも標準装備。ヘッドライトだけでなくテールランプもウインカーもLED。スマートフォンとBluetooth接続し、着信/メール通知、駐車場案内やメンテナンス時期通知などの情報も伝えてくれる「Y-コネクト」対応モデルを用意し、「FZ-X」のターゲットである若いライダーへもアピールしている。
文:小松信夫
ヤマハ「FZ-X」の主なスペック
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
[ アルバム : 【写真7枚】ヤマハ「FZ-X」インド仕様車 はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
理由は車体右側のいわゆる「サリーガード」のため。
これ、現地では装備義務化になってるんだそうですね。
故にマフラーもそのガードに干渉しないよう、多くのバイクが左出しに
設計されています。
さらにリアシートに横向きで乗る人のために、シート後端にタンデムグリップと
サリーガード下に小さなフットレストまで装着が必要と…
インドではまだまだバイクは庶民の移動手段。
日本や欧米とはバイクに対する要求水準がずいぶん違いますね。