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世界18台限定の高級クーペ ベントレー・バトゥール 欧州で実車走行テスト始まる

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世界18台限定の高級クーペ ベントレー・バトゥール 欧州で実車走行テスト始まる

1つの時代の終わりを象徴する限定モデル

ベントレーは、少量生産の新型クーペ「バトゥール(Batur)」のテスト走行の様子を公開した。2023年半ばの納車に向けて、開発は大詰めを迎えている。

【画像】英国の高級車ブランドが生んだ少量生産モデル【ベントレー・バトゥール、バカラルを写真で見る】 全70枚

現在、欧州において58週間に及ぶテスト走行を行っており、プロトタイプの「0号車」がドイツからイタリア、フランス、スペインを経由する2500kmの長距離ドライブに挑戦しているという。

世界18台の限定モデルであるバトゥールを最後に、20年にわたりベントレーのモデルに搭載されてきた6.0L W12エンジンは、その歴史に幕を下ろす。

バトゥールは、ロングホイールベースのコンチネンタルGTをベースにした2ドア・クーペで、まだ開発段階だが、少なくとも最高出力740ps、最大トルク102kg-mとされるW12エンジンを搭載。これにより、ベントレーの公道モデルとしてはこれまでで最も強力なモデルとなる。

さらに、3チャンバー式エアサスペンション、48V電動アンチロールコントロール、電子リミテッドスリップデフ(トルクベクタリング機能付き)、後輪操舵(4WS)など、ベントレー最新のシステムを採用している。

テスト終了後、ベントレーのコーチビルド部門であるマリナーによって、英クルー工場で手作業で生産される予定。昨年12台のみの限定モデルとして登場したバカラル(Bacalar)の後継となる。

未来のEVを予感させるデザイン

ベントレーのエイドリアン・ホールマークCEOは、「わたし達は、捨てるためにコンセプトカーを作っているのではありません。お客様に購入していただくために作るのです」と述べている。

バトゥールという車名は、インドネシアのバリ島にある火山湖にちなんだもの。18台のみが生産される予定で、価格は税抜きで165万ポンド(約2億7000万円)となっているが、すでに完売したという。購入者の中には、バカラルを納車したばかり、あるいは現在も納車を待っている人もいるとのこと。

デザインを担当するのは、昨年初めにデザイン責任者に就任したアンドレアス・ミントが率いる新チーム。ミントは、バトゥールのデザインについて、2025年に登場予定のベントレー初のEVを予告するものだとしている。

彼はジュニアデザイナーとしてフォルクスワーゲン・グループに入社して間もない2003年、ベントレーのコンセプトカー「ユーノディエール」を担当した。バトゥールの開発にあたっては、ベントレーというブランドを改めて見直し、根本的な部分に立ち戻って存在価値を探ったという。

この地道なリサーチの結果、「力強さ」「インスピレーション」「調和」という3つのワードを特定。バトゥールのシンプルで飾り気のない、彫刻的なフォルムを作り出した。

彼はこう話している。

「装飾は必要ありません。わたし達は、高級車に対するお客様の優先順位が変化していると考えています。お客様はクルマに対し、派手さではなく、静かな感動を求めるのです。2次元のグラフィックから、光と影を多用したデザインへと移行しているのです」

購入者によるパーソナライズも豊富

ミントは、ベントレーにふさわしいデザインとして、多くの高級車メーカーが掲げる「筋肉質」な要素ではなく、次の3点をあげた。

1つ目は、「休む獣のような姿勢(resting beast stance)」と呼ばれるもの。バトゥールにはいわゆるくさび状のデザインがなく(「シャベルのような形のクルマが多過ぎる」とミント)、後ろ足の上に座る獣のように見せている。

2つ目は「アップライト・エレガンス(upright elegance)」。フロントグリルを現代風にアレンジし、直立させることで、頼もしい表情と力強いスタンスを与えることができるという。

3つ目は「エンドレス・ボンネット(endless bonnet)」だ。ミントは次のように語っている。「長いボンネットは、高級車において権力と名声の証となります。バトゥールのクリーンなフォルムの中で、唯一のアクセントとなる要素です。また、視覚的な質量をリアに移動させ、リアアクスルに座っているような印象を強め、ハンチに力強さを与えています」

購入者によるパーソナライゼーションの幅広さも特徴の1つとされる。エクステリアだけでなく、インテリアのあらゆる部分を好みに合わせてカラーリング、トリミングすることが可能だ。シート表皮は本社工場に近いスコットランド産のレザーで、イタリア産に比べて輸送距離が短いため低炭素と言われている。また、耐久性に優れたスエード調の素材「ダイナミカ」も用意されている。

内装材には天然繊維複合材など幅広い種類の複合材が用意され、ダッシュボードのパネルにはW12エンジンの音の周波数が描かれる。フロアマットはリサイクル糸を使用したもので、ベントレー初の試みだ。

マリナー部門を率いるポール・ウィリアムズは、1台1台のパーソナライズのレベルが高いため、生産には「数か月」かかるだろうと述べている。

新時代を導くデザイナー

ベントレーのデザイン責任者アンドレアス・ミントは、フォルクスワーゲン・ゴルフからブガッティEB110、アウディQ8、アウディeトロンGTまで、あらゆるデザインを手がけてきた。ベントレーとの関係は、フォルクスワーゲン・グループにジュニアデザイナーとして入社後すぐに始まっている。

「2003年のジュネーブショーで発表されたミドエンジンのコンセプトモデル、ベントレー・ユーノディエールのデザインに携わりました。その年はベントレーにとって大きな1年となりました。ユーノディエールを発表し、ル・マンで優勝し、女王陛下へリムジンを納車したのです」

ユーノディエールは単なるショーカーに終わったが、円形ヘッドライトや丸みを帯びた個性的なフォルムなど、一部のデザイン要素はコンチネンタルGTに影響を与えたと彼は考えている。

2021年に現職に就いたミントは、カーボン・ニュートラルを目指すベントレーの次世代モデルのデザインを導く立場にある。ベントレーの新時代のプロローグであり、W12エンジンのエピローグとも言えるのが、新型バトゥールである。

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みんなのコメント

3件
  • 装飾は必要ありません。わたし達は、高級車に対するお客様の優先順位が変化していると考えています。お客様はクルマに対し、派手さではなく、静かな感動を求めるのです。2次元のグラフィックから、光と影を多用したデザインへと移行しているのです


    で、コメントとは正反対のデザインで草
  • ゲスい
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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