■「エルグランド」最安モデルが意外と穴場!?
レクサスのフラッグシップミニバン「LM」2代目モデルの日本導入が決定し、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」がフルモデルチェンジを実施するなど、高級ミニバン市場は活況を見せています。
そんななか、日産の最上級ミニバン「エルグランド」は登場から13年目を迎えますが、実は最上級とはいえ意外にも安価なモデルもラインナップされています。
【画像】「鮮烈レッド」のエルグランドがカッコよすぎ! 迫力スゴい赤ボディを画像で見る(41枚)
エルグランドは初代モデルが1997年に登場。存在感のあるエクステリアと豪華で広々としたインテリア、強力なパワートレインを搭載し、高級ミニバン人気の先駆けとなりました。
現行モデルは3代目となり、2010年8月にフルモデルチェンジ。「キング・オブ・ミニバン」をうたい、堂々たるデザインや走行性能はそのままに、低重心のプラットフォームを採用し従来(初代・2代目)のFR(後輪駆動)レイアウトからFF(前輪駆動)に刷新されています。
全高も2代目は1900mmを超える高さでしたが、現行モデルは1815mmへと抑えたこともあり、操縦安定性が向上しました。
パワートレインは、2.5リッター直列4気筒エンジンに加え、最高出力280馬力・最大トルク344Nmを誇るパワフルな3.5リッターV型6気筒エンジンをラインナップし、全車CVTを組み合わせます。
現在販売中のモデルは2014年のビッグマイナーチェンジを含めた複数回の改良を経たモデルで、エクステリアはデビュー当初と比べてイメージが異なっています。
フロントグリルは大型化したとともに市松模様をイメージさせる精細なデザインとなり、グレードによりブラッククロームとサテンクロームの2色を用意。ヘッドライトもシグネチャーLEDポジションランプを備えた新デザインへと変更。
先進運転支援システムも当初より大幅に充実し、インテリジェントクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキをはじめ、車線逸脱警報、後側方衝突防止、標識検知機能などが全車標準装備されています。
現在のラインナップは、エアロパーツを装備した「ハイウェイスター」がメイングレードのみ、エアロを装備しないベーシックなグレードは設定されていません。
加えて、日産車のカスタムパーツを手掛けるNMC(日産モータースポーツ&カスタマイズ)が展開する「エルグランド AUTECH」や、ショーファー需要に応え後席の装備や機能を充実させた4シーターモデル「VIP」も用意。
最も安いグレードは「250Highway STAR S」2WDモデルで403万8100円(消費税込)。7人乗りと8人乗りともに同価格です。
装備は一部機能装備が省かれ、運転席側パワースライドドアやオートバックドア、フロントパワーシートを装備しないほか、シート地も本革ではなくネオソフィール/ジャガード織物素材を用いています。
しかし、主な違いはこれらのみにとどまり、ハイウェイスター専用エアロやリアスポイラー、18インチ切削光輝アルミホイールなどは標準装備され、エクステリア上では最安グレードには見えない存在感です。
さらに、助手席オットマンや中折れ機能・オットマン付きキャプテンシート(7人乗り車)、先述の通り先進運転支援機能も標準装備しています。
最大のライバル車といえるアルファード新型モデルでは最安が540万円、LMはそれ以上と予想されることから、必要な装備がある程度揃っているエルグランドの最安グレードはお買い得と捉えることもできます。
同じ日産のラインナップでは2022年12月に発売された新型「セレナ」の人気グレード「e-POWER ハイウェイスターV」(368万6100円)とは、大きく離れておらず40万円程度の違いにとどまっています。
※ ※ ※
一方、エルグランドにはセレナのe-POWERやアルファード/ヴェルファイアのHEVモデルなど、ハイブリッド車の設定がないことなど基本設計の古さを否めず、今後ライバルになる可能性の高いホンダ「オデッセイ」再導入モデルなどと比較しても、足かせになりうることが否定できません。
現在もミニバン需要は多いなかで、最上級ミニバンとしては比較的安価な価格設定は魅力ですが、13年目を迎えるなかで「元祖高級ミニバン」として、そろそろ次期モデルが登場してもいい頃合いかもしれません。
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