新車試乗レポート [2023.07.21 UP]
【ルノー ルーテシア】E-TECHフルハイブリッドの魅力は燃費だけじゃない!
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス
ルノー「ルーテシアE-TECH」先進的でスポーティーな「エンジニアード」設定
国産乗用車は販売の中心がハイブリッドになっているけれど、輸入車にもハイブリッドってあるの?
もしかすると、そう思っている人がいるかもしれませんが安心してください! 輸入車にもしっかりハイブリッドが用意されていて、その比率はメキメキと上昇中です。
知っているようでしらない「ハイブリッドの種類」
ただ、注意しなければならないのはその中身。国産車においてハイブリッドと声高にもてはやされるのは「フルハイブリッド」とか「ストロングハイブリッド」と呼ばれる、大きくて力強いモーターを組み合わせて燃費向上への寄与が大きいタイプ。いっぽう輸入車では、モーターが小さくて燃費向上効果がそれほど大きくはない(だけど非装着よりは燃費がいいしコスパは高い)タイプの「マイルドハイブリッド」が中心で、あとは大型モーターと大型バッテリーを組み合わせて電気だけで走れる距離が長いし外部充電ができる(けれど価格も高い)「プラグインハイブリッド」と呼ばれるタイプ。国産車に多いフルハイブリッドは、わずか1つのメーカーを除いて輸入車では日本へ正規導入されていないのです。
輸入車で唯一の本格HV「E-TECHフルハイブリッド」
ルノー ルーテシア E-TECHエンジニアード
何を隠そう、その唯一のメーカーがフランスの「ルノー」。「E-TECH(イーテック)フルハイブリッド」と呼ぶ独自のハイブリッドシステムを、コンパクトハッチバックの「ルーテシア」、小型SUVの「キャプチャー」、そしてクーペスタイルSUVの「アルカナ」に搭載しています。
その仕組みはかなり独特。
エンジンは排気量1.6Lの自然吸気ガソリンで、そこへメインとサブの2つのモーターを組み合わせます。さらにエンジン側に4速、モーター側に2速のギヤを持って変速をしながら、状況に応じて動力を効率よく発生するのが特徴。
ちなみにルノーといえば世界最高峰の自動車レース「F1」で活躍(現在は「アルピーヌ」という名称で参戦)していますが、バッテリー制御などはF1を経験したエンジニアの知見もいかして開発したとのだとか。E-TECHフルハイブリッドはなんと、F1の技術が活用されたシステムなのです。
その走りは、まず発進から40km/h程度の低速域はモーターを活用。スムーズかつ滑らかで、いかにも電動車らしい動きを感じます。
さらに加速していくとエンジンが始動しエンジンとモーターをバランスよく活用。80km/hを超えると、エンジンを中心に巡行しながら加速時はモーターのアシストも加わります。本国フランスにおける高速道路の制限速度は130km/hですが、その領域まで燃費が大きく低下することのないように開発されているといいます。
ハイブリッドといえば、燃費がいい。
ルノー ルーテシア E-TECHエンジニアード
それは当然なのですが、あらためてルーテシアE-TECHフルハイブリッドに乗ってみてその次元に驚きました。普通の運転で首都高速道路を中心に30キロほど走ってメーターを見ると燃費は26.3km/L。その後燃費計をリセットして市街地を走ってみたら、29.4km/Lと信じられないほどの低燃費にビックリ。カタログに記載されているルーテシアのWLTCモード燃費は25.2km/Lなのですが、簡単にそれを超えてしまったのです。しかも、外気温が上がるからエアコンの稼働が増えて燃費に対しては条件が悪くなる7月はじめにですよ。十分に満足できる燃費性能ですよね。
ちなみに、2月から3月にかけて行われた高速道路を中心に800キロ以上走行するメディア対抗エコランチャレンジの際は、全チーム総合の平均燃費が30kmを超えたとか。いかに燃費ポテンシャルの高いハイブリッドシステムかということがわかります。
アルカナは重量が重いことなどからルーテシアに比べると燃費はダウンしますが、それでも試乗中は22.3km/Lと十分な数値。20km/Lを超えるのだから見事です。
ルノー アルカナ E-TECH エンジニアード
でも、乗って強く感じたのは、E-TECHフルハイブリッドの魅力は燃費だけじゃないこと。運転感覚がとてもいいんです。
フルハイブリッドといえば、燃費はいいしスムーズだけどどこか退屈で、運転を楽しむには物足りない。そんなふうに思っている人いませんか? 実際、そんなフルハイブリッドも多く存在します。
でも、E-TECHフルハイブリッドはそんな人にこそ乗って欲しいハイブリッド。アクセル操作に対する反応がモタつかずダイレクトであり、速度が上がっていくときの伸び感も心地いい。だから気持ちよく運転できる。運転の楽しさを語れるハイブリッドなのです。
燃費もいいのに運転して楽しいって、素晴らしいことじゃないですか?
国産車の中には、ドライバビリティはいまひとつだけど驚異的に燃費のいいハイブリッドがあります。いっぽうでドライバビリティ重視で、燃費は悪くはないけど驚くほど良いわけではない、というハイブリッドもあります。
好みに応じて選べるという意味では嬉しいことですが、不思議なことに「E-TECHフルハイブリッド」のレベルまで燃費と走りの気持ちよさを両立しているハイブリッドってないんですよね。そういう意味ではルノーのフルハイブリッドはとても貴重な存在だし、「輸入車だから」なんて敬遠せずぜひぜひ試乗してこの歓びに共感して欲しいなと思ったりするわけです。
ルノー ルーテシア E-TECHエンジニアード
「E-TECHフルハイブリッド」搭載モデルの違いは?
ルノー ルーテシア E-TECHエンジニアード
最後に搭載する3車種の違いを簡単に整理しておくと、「ルーテシア」は実用的なコンパクトハッチバックでもっともスポーティな運転感覚。低燃費性能も一番いい。
「キャプチャー」はルーテシアよりも一回り大きいから後席やラゲッジルームが広く、ファミリーカーとしても最適。それでいて車体が大きすぎず運転もしやすい。着座位置が高めだから乗り降りもしやすい。
「アルカナ」はさらに車体が大きく、荷室にゆとりがある。しかもハンドリングがよくて峠道も驚くほどスイスイ走れるから運転好きでも大満足。
……といったところでしょうか。
同じハイブリッドシステムを搭載する車種を複数用意することで、車体を好みに応じて選べるのもいいですよね。
ところで、今回試乗したルーテシアとアルカナは、「E-TECHエンジニアード」という新グレード。外観はチタンカラーのF1ブレード(F1のノーズをイメージしたバンパー内の板)などでドレスアップし、装備としてBOSEオーディオなどを標準搭載する上級仕様です。特別な雰囲気を持つスタイリングが印象的でした。
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