■連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド
スーパーリッチ市場の特徴のひとつにクーペベースの4人乗りのオープンカーを用意していることが挙げられる。その4人乗りも後席のスペースがきちんと確保されていることが条件だ。現在、これを満たしているのは、ロールス・ロイスだけ。ベントレーも「コンチネンタルGT」でコンバーチブルをラインアップに加えているが、フル4シーターにはちょっと後席が狭い。マセラティ、ランボ、メルセデス・マイバッハも、キャデラック、リンカーンも4シーターのオープンモデルは生産していない。
【いま選ぶべき輸入車】ミニ「MINI John Cooper Works Clubman」vsルノー「トゥインゴ」
ロールス・ロイスは1950年代からVIPサルーンのシルバークラウドをベースにしたオープンモデル、ドロップヘッドクーペを用意している。ドロップヘッドクーペというのは英国流のオープンカーの呼び方だ。ロールス・ロイスは、BMWの傘下に入ってからもファントムドロップヘッドクーペを開発している。「ドーン」はその発展型だ。
「ドーン」の実車を初めて見たのは2015年の夏。実はこの時、世界中で実車は公開されていなかった。まだオンラインでのローンチのみ。9月のフランクフルトショーが世界初公開と言われていた。しかし、ロールスは夏に、東京・六本木の某所で非公開のお披露目会を実施した。その会場に入るには2重のチェックがあり、中はホットユーザーと言うべき富裕層の人たちが何組かいた。日本がアジア太平洋地域で最も需要が高い市場であることをロールスはわかっていたのだ。
「ドーン」という車名は、夜明けの太陽のエネルギーに満ちた一条の日差しを意味する。ロールスの新しいパワーを感じさせる名称だ。幌と呼ぶにはあまりにもしっかりとした素材のルーフを閉じている「ドーン」は、美しいクーペと同じように見える。後ろヒンジのドアを手で開けて、運転席に座る。ドアを閉じる時はAピラーのつけ根にあるスイッチを押すと自動で閉じる。
スターターボタンを押して、V型12気筒、6.6Lエンジンを目覚めさせる。エンジン回転計のない計器盤を見てもエンジンが始動したかはわからない。音も振動もない。コラムから生えている細かいレバーで、Dレンジを選択し、アクセルを軽く踏むと、2ドアコンバーチブルは優雅に、周囲を制するように動き出す。
走り出したら、運転席はアクセルとブレーキだけに専念すればよい。パドルシフトやドライビングモードも一切関係ない。走行はGPSデータを利用して運転者の目に届かない前方の状況を把握する8速のATが最適なギアを最適のタイミングで選択してくれる。唯一、シフトレバーに内蔵される「LOW」ボタンを押すと、V12エンジンは低音の効いた音色を楽しませてくれる。
ルーフが開閉するコンバーチブルで気になるのは、ボディー剛性だ。まして「ドーン」はホイールベースが3110mmもある。しかし、新開発のサスペンションシステムと高められたねじれ剛性のボディーは段差や目地を越えてもミシリとも言わない。乗り心地はやや硬めだが、21インチ径のタイヤを装着しているにもかかわらず、その影響はほとんど体感できなかった。
幌は分厚く、閉じている時はクーペと大差ない快適性を提供してくれる。後席はやや低めの着座で左右セパレートされている。居住空間だが足元は狭くはない。頭上も身長170cmなら十分にロングドライブにも耐えられる広さが確保されている。幌は走行中でも約20秒で開閉できる。オープンにした「ドーン」も美しい。意外だったのはドアウインドウを閉めても時速50kmあたりから風が室内に入ってきたことだった。
トランクは奥行きが変形しているが、ゴルフバッグが縦に入るぐらい奥が深い。幌が折り畳まれると高さが130mmほど犠牲になる。しかし、十分に実用になるぐらいの広さは確保されている。
改めて動力性能を調べてみると、Dレンジでの0→100km/hの加速は5秒台半ば(カタログ値は4.9秒)。急加速中は若干エンジン系から音は高まるが、不快な振動や耳障りな音ではない。あくまでもジェントルに全長5.3m、全幅1.95m、全高1.5m、車重2.6tのオープンカーは加速する。このハイエンドすぎるオープン4シーターの価格は4085万円(消費税込み)。
さらにV12、6.6Lのエンジンを30PS、40Nm強化し、全身をブラック系でまとめた「ドーン ブラックバッチ」は4690万円から購入できる。
■関連情報
https://www.rolls-roycemotorcars.com/ja_JP/showroom/dawn.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント