2024年5月16日、モーガン モーターカンパニーとピニンファリーナは、コーチビルドの祭典「ミッドサマー(Midsummer)」を開催。これを記念した特別プロジェクトとして、両社によるコラボレーション モデル「ミッドサマー」を50台限定で生産。2024年7月に開催されるグッドウッド フェスティバル of スピードで初公開される。
時代を超えたモーガンのシルエットを再解釈
ミッドサマーとは夏の盛りを意味するが、モーガンの工場のある街に近い丘陵地帯「ミッドサマー ヒル」にも由来する。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
ミッドサマーは、モーガンとピニンファリーナの2世紀以上にわたるコーチビルドの経験をたたえる特別プロジェクトだ。そのスタイリングは、いかにもモーガンらしいバルケッタ(イタリア語の「小舟」から転じてオープンカーを意味する)だ。だがそのプロポーションは、ピニンファリーナの象徴的なデザインを彷彿とさせる。
モーガン車を象徴する前後のウイング(フェンダー)は、ピニンファリーナにより空力の最適化が図られている。フロントウイングの前面とノーズはホイールと同心円状にあるのも特徴的で、他のモーガン車との差別化を図っている。鍛造の19インチホイールは、わずか10kgという軽量で専用設計のものだ。
フロントビューでは、半月の形を特徴とする馬蹄形のグリルと、シルバーのインサート入りヘッドランプが目をひく。この半月の形状はデザイン上の特徴であると同時に、グリル開口部内の空気の流れを方向づけるのにも役立つ。ロングテールは、このクルマのエレガントさを強調し、新デザインのテールランプは半分面取りされたポッド内に収まっている。
ボディパネルは250時間以上かけて製造されたアルミニウム製だが、ダッシュボード上部やドア上部などには厚さ0.6mm以下のチーク材を手作業で400層以上も重ねて使われている。これらは83平方メートルものチーク材を30時間以上かけて巧みに製作している。
BMW製の直6ターボエンジンと8速ATを搭載
コクピットに収まると、長いボンネットから視線がフロントウイングのピークに向かい、前輪の位置は分かりやすい。しかもピニンファリーナはボンネット手前に縦方向に配されたルーバーを「ピアノキー」と再解釈した。これはデザイン上の美しさだけでなく、エンジンルームから空気を排出する機能的な役割も果たしている。
オフホワイトのアナログメーターは特別にデザインされ、電子制御は全面的に見直された。ステアリングホイールも鍛造アルミニウムのセンターを備えたものとなり、ゼンハイザーのオーディオシステムも装備されている。
じつはミッドサマーのベース車となっているのはプラスシックスだ。したがってCX世代の接着アルミニウム プラットフォームを採用し、パワートレーンにはBMW製の3L 直6ターボエンジンと8速ATが組み合わされている。ただし、パワースペックは公表されていない。目標乾燥重量は、わずか1000kgだ。
モーガンとピニンファリーナのコラボレーションモデル「ミッドサマー」は50台のみが限定生産される。しかも、この50台は既に売約済みであるという。生産はモーガン創立115周年にあたる2024年に開始され、2025年中には終了する予定だ。はたして、日本には何台のミッドサマーがやって来るのだろうか?
[ アルバム : モーガン/ピニンファリーナ ミッドサマー はオリジナルサイトでご覧ください ]
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