エネチェンジは27日、監査法人から不正な会計処理の疑いを指摘されていた問題で、外部調査委員会による報告書を発表した。電気自動車(EV)用充電設備を保有する特別目的会社(SPC)の連結要否問題について「隠ぺいしていたとの事実は認められなかった」と結論づけた。ただ、城口洋平最高経営責任者(CEO)による不正を許容するような不適切な言動も一部で認められた。同社は、調査委員会の指摘を踏まえ、7月16日をめどに再発防止策をまとめる予定だ。
今回の調査は、エネチェンジがSPCを連結外としている会計処理について、あずさ監査法人が連結対象にするとともに事前に必要な情報が報告されていなかったと指摘したことを受けて、3月に立ち上げた委員会で実施した。なお、エネチェンジは、連結財務諸表を早期に確定させるため、連結範囲に含めること自体は決めている。
エネチェンジ、特別目的会社の会計方針について外部調査委員会を設置
報告書によると、あずさは、SPCを連結外とすることで、エネチェンジがSPCから収受する充電器の売買代金や工事代、運営委託料をエネチェンジの売り上げに計上するスキームを是認していた。しかし、その際に金銭消費貸借契約の内容やオプション行使条件、SPCの事業計画見通しなどについてエネチェンジから受けた説明が不十分だったと指摘した。
調査の結果、あずさに対する説明で意図的に隠ぺいしたり、虚偽の内容を伝えたりした事実は確認されなかった。一方で、城口CEOと最高財務責任者や監査法人との間での社内外でのコミュニケーション不足などの問題点を指摘した。
また、調査の結果、EV充電事業のスキームの検討段階において城口CEOが同社役員に対してコミュニケーションツールでEV充電機器の買い取りの契約を「裏で巻く」「監査法人に黙って巻きたい」などと書き込みしていたことも判明した。これについて報告書では「経営者が社内に示す姿勢として不適切といわざるを得ない」と指摘した。
調査委員会は、調査結果を踏まえ、コンプライアンス意識の向上や権限分散によるけん制機能の強化、取締役会の監督機能の強化などを再発防止に向けて提言した。
エネチェンジは同日、有価証券報告書が期限の28日までに提出できないと発表。東京証券取引所に監理銘柄(確認中)に指定された。7月10日までに提出できなかった場合、上場廃止となる。
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