トヨタ「ライズ」が2020年1月~2月の新車販売台数で連続1位に輝くなど、コンパクトSUV市場は活気満ちあふれている。この「ライズ/ロッキー」が登場する以前のコンパクトSUVの主役といえば、2013年12月に登場したホンダ「ヴェゼル」と2016年12月に登場したトヨタ「C-HR」だった。
ヴェゼルは、2014年~2016年そして2019年にSUVの新車販売台数No.1に輝き、2017~2018年にヴェゼルを阻止したのがC-HRだった。特に2019年は熾烈で、ヴェセル5万5886台そしてC-HRは5万5677台とわずか209台差だったのだ。
新型ホンダフィットがテイ・エス テック社の軽量で快適な座り心地のシートを採用
今回は、販売開始から約6年が経過したコンパクトSUVのロングセラーモデル、ホンダ「ヴェゼル」の中古車事情について紹介しよう。
文/萩原文博
写真/HONDA
【画像ギャラリー】ロングセラーモデルとして奮闘するヴェゼル その詳細をチェック!
■ロングセラーSUV ヴェゼルとはどんなクルマなのか
2013年12月より販売開始されたコンパクトSUVのヴェセルは、先代モデルとなった3代目フィットがベースとなっており、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用。その結果、全長約4.3mのボディサイズながら、広いキャビンスペースと多彩なアレンジが可能なラゲージスペースを実現している。
秀逸なのは5人乗車時でも393Lの容量を実現したラゲージスペースで、後席のショルダー部分にあるレバーを倒せば、フラットな床の広大なスペースに拡大する。また、フィット譲りのシートアレンジとしては、後席の座面が跳ね上がるチップアップ機構が特徴で、背の高い荷物を入れたり、靴を履き替えるときに便利。この後席チップアップ機構はコンパクトSUVではヴェゼルならではの機能だ。
2013年12月に登場した「ヴェゼル」。3代目フィットをベースに開発されている。2019年上半期(2019年1~6月)における販売台数が3万3445台を記録
5人乗車時でも393Lの容量を実現したラゲージスペース。この状態でも、後席空間はコンパクトSUV随一の広さを持っている
搭載されるパワートレインは最高出力131ps、最大トルク15.8kgm(155Nm)を発生する1.5L直列4気筒 i-VTECエンジン+CVTと最高出力132ps、最大トルク15.9kgm(156Nm)を発生する1.5Lガソリンエンジン+1モーター+7速DCTを組み合わせたスポーツハイブリッドi-DCDと呼ばれるハイブリッドシステムの2種類だった。
さらに2019年1月に最高出力172ps、最大トルク22.4kgm(220Nm)を発生する1.5L直列4気筒VTECターボ+CVTを追加し、ラインナップ強化を果たした。
駆動方式は、1.5LターボエンジンはFF(2WD)のみだが、1.5L自然吸気車とハイブリッド車にはRSを除くグレードでは4WD車を設定。JC08モードで21.6~27.0km/Lという優れた燃費性能を発揮するハイブリッド車で4WDを選べたこともヴェゼルがヒットした理由のひとつだ。
そのいっぽうで、グレード体系が複雑。2016年2月にパフォーマンスダンパーを採用したスポーティモデルの「RS」を1.5L自然吸気車とハイブリッド車に設定。しかし、2019年に追加されたターボ車のグレード名は「ツーリング」となっており、スポーティモデルでも搭載するパワートレインによって名称が異なるのである。
2019年1月に登場した「ツーリング・ホンダセンシング」。1.5L VTEC ターボエンジンを搭載し、スポーティさを増したモデルとなっている
2013年12月に販売開始された以降も、ヴェエルは改良が加えられて進化している。注目は、2016年2月の一部改良で採用された先進安全運転システム「ホンダセンシング」だ。衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備がセットとなったシステムで、当初は一部グレードにのみ標準装備だったが、2018年2月のマイナーチェンジで全車標準装備に拡大されている。それでは、ヴェゼルの最新の中古車事情を見てみよう。
■ライバル登場でも揺るがない安定感を見せる中古車価格
現在、ヴェゼルの中古車は約2980台流通している。3カ月前の2020年1月の時点が約2900台。その後最大の需要期となった3月に1度約2650台まで減少したものの、再び約2980台まで増加している。また、年式別に流通台数を見てみると、2販売期間の短い2013年と2020年を除くと、最も少ないのが2018年式の約260台だが、そのほかの年は約400~約700台と年式によるバラツキが少ないのが特徴だ。
流通している中古車の平均距離を見てみると、3カ月前が約2万8000kmで、今月も約2万8000kmとほぼ横這いで推移している。これにリンクするように中古車の平均価格も3カ月前の約191万円から今月は約190万円とわずか1万円の値落ちに留まっており、ほぼ横這いと言える状態だ。普段であれば、3月は最も中古車が売れる時期で中古車相場にも値上がりなどの動き見られるのだが、今年はコロナウイルスの影響により目立った動きは起きなかった。
さらに詳しく見てみるとホンダセンシングを搭載した2016年2月~2018年2月のマイナーチェンジ前のモデルでも、流通台数は約920台まで増えているものの、平均価格はこの3カ月でわずか2万円の値落ちに留まっており、運転支援システムのホンダセンシングが標準装備され、ターボエンジンを搭載したツーリングが追加された2018~2019年式は逆に流通台数は減少傾向にもかかわらず平均価格3カ月で約5万円の値落ちに留まっている。こうしてみると、人気モデルだけに値落ちが鈍いと言える。
2018年2月のマイナーチェンジで全車標準装備された先進安全装備「ホンダセンシング」。中古車でも搭載モデルが多数流通している
流通している中古車のグレード構成は、最も多いのが約530台の「ハイブリッド Z・ホンダセンシング」、僅差で続くのは約526台の「ハイブリッド Z」。そして「ハイブリッド RS・ホンダセンシング」が約310台となっている。
「ハイブリッドZ」は初期モデルで、価格は安いが運転支援システムのホンダセンシングが未装着だ。これから購入してパートナーにするのならば、ホンダセンシングはマストの装備と考えたい。
ハイブリッド Zは、コンビシート&専用インテリアを採用した上級グレードで、2016年の一部改良からホンダセンシングが標準装備されているグレードのひとつだ。現在の価格帯は約150万~約306万円となっている。予算200万円でも約140台もあるので、オススメのグレードだ。
こちらの写真をクリックすると「ヴェゼル」の中古車情報が見られます!
また、スポーティモデルが欲しいならば、「ハイブリッド RS・ホンダセンシング」を狙いたい。価格帯は170万~約303万円で、予算200万円では約48台流通している。2019年~2020年式、走行距離1000km以下というおろしたて中古車が約250台も流通している。
こちらでもハイブリッド RS・ホンダセンシング、ハイブリッド Z・ホンダセンシングが多く流通していて、ボディカラーも人気の白や黒、赤、グリーンと豊富なので条件が合えば、新車より破格の安さで手に入れることができる。
燃費に優れたハイブリッドシステムを搭載したヴェゼル。優れたパッケージングで高いユーティリティを実現しており、その高い実力は中古車となっても健在。今のところはライズ/ロッキー登場による相場の変動は起きていない。
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