浸透しつつあるETC2.0。これまでのサービスに加えて、車載モニターに近隣の渋滞情報などを表示する機能など、使ってみると便利なのも事実。だが、ナビを使用中に情報を映し出す際に、わざわざ割り込んで画面を切り替えるケースがかなり目立つ。ありがたいけど、なんでここまで主張が激しいのか!?
文:高山正寛/写真:ベストカーWeb編集部・Adobestock/アイキャッチ:MP_P@Adobestock
情報はありがたいけど主張が激しすぎやしないか……ETC2.0の情報がナビを割り込む謎
■ETC2.0は従来の進化版!! 渋滞情報も広範囲に
従来と同じレーンを使うが、割引率が違うなどETC2.0が優遇されているケースも(moonrise@Adobestock)
ETC(Electronic Toll Collection System)は無線通信を活用して料金収受を行うシステム。
2023年1月のキャッシュレス化やトータルのコストダウンも含めたシステムの再構築化により、首都高速などでは一部に「ETC専用」料金所を設置するなど、日々進化を続けている。
ETC2.0は簡単に言えば、従来までのETCの進化版だ。高速かつ大容量の情報を送受信できるDSRC方式を使うことで従来ではできなかった広範囲の渋滞情報や将来的には高速道路以外での料金決済も視野に入れた取り組みが進んでいる。
なお、これまで道路側から情報を送受信する路側機(ITSスポット)を活用することから「ITSスポットサービス」と呼称していた。
だが、ETC2.0とどう違うのかがイマイチわかりづらいという声もあり、現在は「ETC2.0サービス」に統一。
まだ「ITSスポットサービス」と表記されている施設等を見たら、それはまだ移行が完了していないと考えていいだろう。
■運転支援に災害対策!? ビッグデータ活用で大幅変化の予感!!
ETC2.0を使うためには対応するカーナビゲーションとETC2.0車載器、ETCカードが必要となる。
パッと見た時、ETCとETC2.0って価格差の割にはメリットが少なくないか? そんな声も実際よく聞く。
メーカーによっては車載器の価格差もかなり縮まっているが、それでもETC2.0の車載器は高い。
日々の仕事にクルマを使う人以外は「ETCで十分だよ」という意見もある。これが実際の普及にブレーキをかけている理由のひとつだ。
とはいえ、このETC2.0車載器から前述した路側機へ送られるデータは将来も含めてなかなかハイレベルだ。
まあ目に見えるモノではないので、納得感は少ないかもしれないが実際は、速度や位置情報、時間などの走行履歴データ。
前後左右の加速度(0.25G以上)やヨー角速度などに変化があった場合、予め車載器側に記録。その車両が路側機の下を通過した際にプローブ情報として吸い上げられ専用のネットシステム(イントラネット)を経由して道路事業者に集められる。
これらを活用して「運転支援」や「高速道路の一時退出」「生活道路の交通安全対策」「災害対策」などにも役立つことができる。
要はこの「ビッグデータ」をどう活用するかで、今後の自動車社会(CASEやMaaSも含めて)に大きな流れを生み出す可能性を秘めているのだ。
■価格の割にお得感少な目!? 今は道路状況がメイン
CX-8など超ワイドディスプレイの場合、右半分をETC2.0の情報を映し出すなど、工夫も
ETC2.0は高速道路に限らず多くの社会実験が現在も行われているが、現実に戻ると冒頭に述べたように価格の割には得られる情報が少ないという声も聞く。要はコスパが低いのだ。
で、ここまで引っ張ってきたが、今回のメインテーマである「情報の割り込み問題」である。
ETC2.0で実現できる基本サービスは渋滞回避支援と安全運転支援。そして対応カーナビへの情報表示がある。
ETC2.0車載器は単独設置による運用は可能だが、それ自体は音声による案内のみ。今のトレンドとしてはやはりカーナビとの連携による情報ツールとしての活用方法だ。
ただ、いずれの場合も情報が路側機側から入ってきた際、画面上、多くの場合は画面を分割して簡易地図情報等が割り込んでくる。
走行中、カーナビの画面を注視することはNGだが、たしかに高速道路走行中にいきなり割り込みされると人にもよるがドキッとする。
またこれは昨今における“カーナビあるある”なのだが、トレンドである「大画面化」によりETC2.0の情報表示もかなりデカイ簡易地図等が割り込んでくるのだ。
ETC2.0自体にもまだまだ改善しなければならないという前提はたしかにあるが、基本的な考えは「誰もが等しく情報を取得し活用できること」である。
ETC2.0の活用事例として頻繁に取り上げられる首都高速4号線新宿⇔代々木間の連続S字カーブは渋滞時も含め事故が多いことで有名である。
運転慣れしているドライバーなどは事前に速度を落とすことができても「慣れていない」また「認知・判断・操作」が遅れ気味の高齢ドライバーなどに対しては情報を早めに送ることは重要だ。
■最新モデルはオフにできる!? 購入するならこの機能はぜひ
水掛け論になってしまってもオチが無いのだが、今後クルマを購入し、ETC2.0対応カーナビやディスプレイオーディオを選ぶ際にぜひ確認しておくポイントがある。
それはカーナビ側の「割り込み機能のオン/オフ」機能である。メーカーオプションを筆頭に昨今の最新ナビにはこの機能の採用が拡大している。
車種にもよるが、対応車種の多くは「設定」などから「VICS/ETC2.0」などの項目を選び、そこから「割り込み情報のオン/オフ」を選択すれば良い。
車種により細かな設定の差はあるし、割り込み画面はオンで音声はオフにできるものもあるので、細かい仕様は販売店で取扱説明書を見せて貰うか、年式の新しいモデルであればネットからダウンロードすることもできる。
■大画面化に合わせ表示自体も検討すべき時期に……
最新モデルのなかには画面割込み機能をオフにできるなど、使い勝手も地味に進化中
今後販売される新モデルであれば、前述した「割り込み情報」の細かな設定変更は可能になるだろう。
あくまでも筆者は「情報は命」という考えなので、基本オフにはしない。路側機から降ってくる情報をどう取捨選択し活用するかはドライバーの責任であるので最初からブロックするということは安全面でもあまりオススメできない。
ただ今回のテーマを受けて、改めて情報表示を確認してみると、割り込み情報のデザインやUIなどは少々古さを感じる。前述したように「誰もがわかる情報」としてはあなのだろうが、基本設計は7V型時代の表示ロジックだ。
もはや大画面ナビの時代に入る中、表示のオン/オフとは別に表示項目やUI自体を再検討する時代に入ってきていると強く感じる。
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