渋滞時の前走車追従機能で疲労軽減できるは大きなメリット
日産デイズ、三菱eKワゴン/eKクロスの登場で、軽自動車の概念は一変。何しろデイズは日産がイチから開発したハイトワゴンであり、軽自動車としてあり得ない!? 機能、装備満載なのである。
【試乗】もはやコンパクトカーいらず!? プロパイロットまで搭載した新型日産デイズ誕生
そんな新型軽ハイトワゴンを迎え撃つのは、今、日本で一番売れているクルマ、ホンダN-BOXだろう。ジャンルは違うとはいえ(正確には今後登場するはずの日産デイズルークス、三菱eKスペースが直接のライバル)、現時点で、「魅力溢れる軽自動車」という意味では競合することは間違いなしなのである。
では、日産デイズ・ハイウェイスター、三菱eKワゴン/eKクロスにあって、ホンダN-BOXにないものとは? ここであえてデイズをハイウェイスター限定としたのは、装備類の基準がまったく違うから。
まず、日産デイズ・ハイウェイスターとホンダN-BOXを比較してみると、日産デイズ・ハイウェイスターには軽自動車初の「プロパイロット」が用意されている。これには同一車線内半自動運転機能で、約0~115km/hで作動する渋滞追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)や、ステアリング制御まで行う車線維持支援システムが備わっている。
ホンダN-BOXにもこれまで軽自動車唯一のACCが用意されていたじゃないか……と思うかもしれないが、ホンダN-BOXのACCは約35~110km/hの速度域でしか作動しない。つまり、ACCの恩恵を感じやすい渋滞時には使えないのである。
さらに日産デイズ全車に先進の安全運転支援機能として用意される踏み間違い衝突防止アシストは、ホンダN-BOXにない後退時ブレーキ制御まで完備。高級車さながらである。そう、先進の安全運転支援機能で軽自動車最先端、どころか下手なコンパクトカー、中級車をしのぐ充実ぶりなのである。
しかも、日産デイズ・ハイウェイスターとeKクロス全車には、リチウムイオンバッテリー(セレナのS-ハイブリッドはまだ鉛バッテリーだ)のマイルドハイブリッドが加わる。微小なモーターアシストとはいえ、よりトルキーな走りと低燃費、アイドリングストップからのスムースな再始動・発進をアシスト。このハイブリッドシステムもホンダN-BOXにない切り札となりえる。
日産デイズに搭載されたSOSコールは大きなトピックス
また、日産デイズには日産コネクトナビゲーションがあり、年会費無料でオペレーターサービス(ドコモのSIMによる通信機能)が使えるのが魅力。例えば、走行近辺のレストランの紹介から、ナビゲーションの目的地の遠隔設定など、便利さは計り知れない。
さらに、日産デイズは全車にヘルプネットに接続するSOSボタンも付けられる。これはエアバッグが展開するような場面でヘルプネットに自動通報され、専任オペレーターの呼びかけに応じない場合は救急・消防などに連絡してくれる緊急支援サービス。運転初心者はもちろん、シニアドライバーにとっても究極の「安心」になり、あおり運転を受けたときのSOSコールにもなるのだ。
そうしたオペレーターサービスやヘルプネット、とくにヘルプネットはこれまでレクサス、トヨタ・クラウン、カローラスポーツなど一部の高級車、新型車にのみに採用されていたサービス。それを軽自動車初として実現した日産の英断には、ほんと、頭が下がる思いである。
残念ながら、三菱eKワゴン/eKクロスにオペレーターサービス、ヘルプネットは用意されないものの、三菱eKワゴン/eKクロスには日産のプロパイロットに相当するMIパイロットが(標準車でも)装備できるからうれしい(日産デイズのプロパイロットはハイウェイスター限定)。
あおり運転や高齢ドライバーの事故が日々、話題になっているが、この世のすべてのクルマに自動ブレーキ、前後アクセル踏み間違い抑制機能を含む先進の安全運転支援機能が備われば、交通事故は激減するはず。日産デイズ、三菱eKワゴン/eKクロスの登場をきっかけに、軽自動車、コンパクトカーにもそうした機能を「標準装備」してくれることを、自動車メーカーに願いたい。
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