ポルシェ・ジャパンは2019年7月19日、718モデル・レンジへ新型「718スパイダー」と新型「718ケイマンGT4」の予約受注を開始した。なお国内の発売日とデリバリーの時期は未定となっている。
718シリーズのトップレンジ
718を冠する現行モデルの718スパイダー、718ケイマンは2016年に発売された「タイプ982」で、2019年6月に718スパイダー(旧名ボクスター・スパイダー)、718ケイマンGT4 が追加された。新たに導入された2つのモデルは、718モデルレンジの頂点に立つモデルだ。
718スパイダーとケイマンGT4は、718モデルのデビュー以来、初めてスペックが完全に共通化された。両モデルとも、309kW(420ps)を発生する新開発の4.0L・水平対向6気筒の自然吸気エンジンと6速MTを搭載。718ケイマンGT4はポルシェのGTモデル・ラインアップのエントリーモデルとされ、718スパイダーはコーナリングを楽しむために特化したモデルという位置づけで、いずれも優れたエアロダイナミクスとGTモデルらしいシャシー、エンジン性能を備えている。
パワースペック
新開発の4.0L・水平対向6気筒エンジンは、高回転型の自然吸気エンジンで、新型911カレラのターボエンジンをベースとして開発。最高出力はケイマンGT4では先代モデルを35ps、3世代目のスパイダーでは45ps上回る309kW(420ps)を発生する。
最大トルクは420Nm/5000-6800rpmで発生。最高速度は300km/hの壁を突破し、718スパイダーで301km/h、718ケイマンGT4では304km/hに達する。0-100km/h加速は両モデルとも4.4秒。新欧州サイクルでの燃費は10.9L/100kmとなっている。
このエンジンは自然吸気のGTエンジンらしいリニアなレスポンスと高回転特性が特長で、エンジンの最大回転数は8000rpmだ。同時に比類のない水平対向エンジン・サウンドも実現している。またこのエンジンは軽負荷時には片側バンクのシリンダーが休止して燃費を低減するポルシェ初のアダプティブ・シリンダーコントロールを備えている。また5段階噴射を行なうピエゾ式高圧インジェクターを備えている。
優れたエアロダイナミクス
この両モデルはエアロダイナミクスも大幅に改良され、ダウンフォースは50%増加したにも関わらず空気抵抗のレベルは変わっていない。2本のサイレンサーがそれぞれアーチ状に独立したカバーを持ち、リヤディフューザーをデザインすることで、718ケイマンGT4のリヤアクスル付近におけるダウンフォースは約30%増加した。
固定式のリヤウイングもさらに効率が向上して先代モデルより20%多いダウンフォースが発生する。これは200km/hでの走行時には12kgのダウンフォースが増えることを意味している。フロント・セクションでは、大型フロントリップスポイラーと前輪に沿って流れる空気を整える「エアカーテン」により最適な空力特性を生み出している。
ポルシェ718スパイダーは軽量コンバーチブルトップを備えたオープンエアースポーツカーで、歴史上有名なポルシェ550スパイダー、718 RS60スパイダーといったロードスターの系譜を引き継ぐモデルだ。718ケイマンGT4との違いは120km/hで自動的にせり上がるリヤスポイラーを装備することだ。
ダイナミックパフォーマンス
718スパイダーと718ケイマンGT4はともにハイパフォーマンスGTシャシーを備えている。軽量化された前後アクスルのスプリング/ストラットはモータースポーツからのフィードバックだ。シャシーをよりダイレクトにするためにブッシュにはボールジョイントが採用されている。
30mm車高を低くするポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメント(PASM)は車両の重心を下げ、その結果としてコーナリング性能がさらに向上。これにより718ケイマンGT4のサーキット走行時のハンドリングはよりシャープになっている。718スパイダーも同様だ。
より優れたセンサーを採用したポルシェ・スタビリティマネージメント(PSM)は、2段階で完全に解除することができる。また機械式リヤ・デフと組み合わされたポルシェ・トルクベクタリング(PTV)は縦方向、横方向の駆動力とコントロール性を高めている。718ケイマンGT4にはリヤの鉄製ロールバーや消火器、運転席の6点式シートベルトなどを含むクラブスポーツパッケージがオプションで用意されている。
718スパイダーと718ケイマンGT4のブレーキは、大型アルミニウムモノブロックキャリパーを備え、サーキット走行時でも安定したブレーキングを実現。ポルシェ・セラミックコンポジットブレーキ(PCCB)もオプションで選択可能だ。また718スパイダーの新しい特徴の一つにポルシェ専用に開発されたウルトラハイパフォーマンス(UHP)タイヤが設定されている。このタイヤは新型718ケイマンGT4が20.6kmにおよぶニュルブルクリンク北コースのラップタイムを先代モデルから10秒短縮した際に装着していたタイヤだ。
【価格】
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