国土交通省の最新燃費ランキングから見えてくるベスト10に入ったモデルに共通する3つの特徴とは？

その1：上位は2モーターの本格ハイブリッドカーのみ！
国土交通省による自動車燃費ランキングが公表されました。独自に燃費測定をしたわけではなく、カタログ値（WLTCモード）でランキングしただけのものですから、国土交通省でなくとも整理はできるものの、ある意味で公認ランキングともいえ、注目すべきベスト10です。

その顔ぶれを眺めていると、“あること”に気付くのではないでしょうか？　10台中7台がトヨタで、ホンダが2台、日産が1台。30km/Lを上回る燃費性能を誇っているのはトヨタ車だけで、トップ5はトヨタが独占している……というだけではありません。

実は特記されていないモデルも、すべてハイブリッドカーで、それも発電用と駆動用という2個のモーターを積むストロングハイブリッドばかりなのです。

＜トヨタ：シリーズ＋パラレル式＞
トップを競う「ヤリス ハイブリッド」や「アクア」などのトヨタ車は、動力分割機構を用いてエンジン出力を発電と駆動にバランスよく振り分ける“シリーズパラレルハイブリッド”と呼ばれるタイプ。

●トヨタ ヤリス ハイブリッドのカタログ情報をチェックする
●トヨタ アクアのカタログ情報をチェックする

＜日産：シリーズ式＞
「ノート e-POWER」は 3気筒エンジンを発電に専念させ、常にモーターだけで駆動する“シリーズハイブリッド”。

●日産 ノート ePowerのカタログ情報をチェックする

＜ホンダ：シリーズハイブリッド＞
「フィット」や「インサイト」のホンダ製e:HEVシステムは、シリーズ式に加えて、高速道路の巡行などではエンジンも駆動に参加します。

●ホンダ フィット ハイブリッドのカタログ情報をチェックする
●ホンダ インサイトのカタログ情報をチェックする

・・・いずれもストロングハイブリッドに分類される2モーターハイブリッドであることは共通です。

その2～3：FFであること、全高が低いことにも注目
また、どれも燃費性能に優れるグレードはFF（前輪駆動）。もっともヤリスハイブリッドの燃費性能は4WDであっても30.2km/Lと優秀だったりしますが、“ハイブリッドのFFであることが省燃費の条件”といえるのかもしれません。

さらに注目したいのは全高です。言うまでもなくSUVブームですが、SUVでこのランキングに入っているのは「ヤリス クロス」だけ。ミニバンのハイブリッドモデルはトップ10圏外です。そのヤリス クロスの全高は1590mmと、SUVの中では比較的低めのシルエットになっています。

その他のモデルはどれも全高1500mm前後です。その中でも、もっとも全高を抑えているのは1410mmのホンダ インサイト。そのほかアクア、カローラ、プリウスといったモデルも1400mm台の全高で、やはり空気抵抗を減らせるボディ形状というのは燃費に効いてくることが理解できるランキングとなっています。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

※国土交通省調べ（令和3年度末）
1位：トヨタ ヤリス…………36.0km/L
2位：トヨタ アクア…………35.8km/L
3位：トヨタ プリウス…………32.1km/L
4位：トヨタ ヤリス　クロス…………30.8km/L
5位：トヨタ カローラ スポーツ…………30.0km/L
6位：ニッサン ノート…………29.5km/L
7位：ホンダ フィット…………29.4km/L
8位：トヨタ カローラ…………29.0km/L
8位：トヨタ カローラ ツーリング…………29.0km/L
10位：ホンダ インサイト…………28.4km/L

Comments

カタログだけ見て書かれたクソ記事ほんと増えたよな。

10年・10万キロ後もこれに近い燃費なのかなー？ガソリン車なら多少燃費が落ちても殆ど変わらないと思う。ハイブリッド車のバッテリーの劣化速度も調べたほうが良いんじゃないかなー？そうじゃないとまだまだ使えるガソリン車が初年度登録から13年後に自動車税が上がるのが納得いかない！