フェルディナント・ピエヒが率いたクワトロ
アウディUrクワトロは、自動車のルールブックを書き換えたといっていい。オンロード前提の高性能モデルで、四輪駆動という技術を当然のものとした。
【画像】四輪駆動による革命! アウディUrクワトロ ライバル的なデルタ RS2とE-レジェンド EL1も 全112枚
その影響力は、ブランド力にも繋がった。革新的で前衛的なイメージが定着し、市場シェアを躍進。モータースポーツとの結びつきも、色濃いものにした。
アウディ・クーペをベースに、1980年に発売されたUrクワトロ以前にも、四輪駆動の自動車は存在した。だがそれは、過酷な気象条件や荒野での走行を前提にした、実用車という傾向が強かった。
しかしアウディは、小型・軽量な四輪駆動システムを開発。この技術へ大予算で挑んだフェルディナント・ピエヒ氏率いるチームは、パワーロスの少なさを実験で示した。優れた燃費も得られると主張されたものの、積極的な運転では、驚くほど悪化したが。
これと並行して、先進的なエンジンも生み出されている。インタークーラーで吸気を冷やすターボチャージャーを、当時注目されていた直列5気筒ユニットに結合。電子制御の燃料噴射と点火システムを実装することで、力強さと好効率を両立させた。
スタイリングを担当したのは、マーティン・スミス氏。ボディと同色で塗装されたバンパーに前後のスポイラー、ブラックアウトされたフロントグリルなど、1980年代らしいまとまりにあった。
グループBラリーで大暴れ 11年間続いた生産
ちなみに英国の技術者、ハリー・ファーガソン氏は、1960年代に四輪駆動の将来性を主張している。彼は四輪駆動のフォーミュラマシンを試作し、英国の各自動車メーカーへアプローチするが、興味を示したのはジェンセンだけだった。
対してアウディは、新たに生み出した四輪駆動システム、クワトロをラリーマシンに採用。無敵といわれていた後輪駆動のフォード・エスコートを駆逐し、強さを世界中に知らしめた。
特にホイールベースを短縮したスポーツ・クワトロは、グループBカテゴリーのラリーで勝利を重ねた。だが危険性が増したことを理由に、この戦いは幕を閉じている。
量産モデルの需要は高く、初期のWR型は、トルセン式センターデフを得たMB型へアップデート。販売は1991年まで続いた。その前年の1990年には、アウディ200用の20バルブエンジンを獲得。ターボラグを短縮しつつ、パワーとトルクが増大されている。
Urクワトロの価格は、お手頃とはいえなかったが、競争力が非常に高かった。他メーカーの追従を許さなかったほど。
むしろ数が売れるほど、アウディは赤字になったといわれている。11年間にラインオフしたのは1万1500台程度で、大量に提供されたわけでもない。とはいえ、ブランドへの功績を考えれば、見事に報われた投資といえるだろう。
オーナーの意見を聞いてみる
「子供の頃、アウディ・クワトロは憧れのクルマでした」。と話すのは、今回の車両を持ち込んでいただいたチャールズ・ポーター氏だ。
「1988年のモーターショーで、ブラックのクワトロの運転席に座らせてもらいました。ターンテーブルの上には、ホワイトのクワトロが載っていました。その25年後に自分が所有できるとは、想像もしていませんでした」
「これは12年前に購入したんですが、ターンテーブルに乗っていたクルマ、そのものだったんです。長い時間をかけてクワトロを探してはいたんですが、これは偶然です。アウディUKへ電話して調べてもらったら、モーターショーの車両だとわかったんです」
「エアコンが付いていて、マフラーはオリジナルのまま。唯一、ステアリングホイールは後期の20バルブ・エンジンのものが付いています」
「以前のオーナーも大切にされていて、状態はかなり良かったです。わたしが購入後は、レザーを張り替え、ガラスを外して全塗装しています。自分にとっては、重要なコレクションの1台ですね」
英国で掘り出し物を発見
アウディUrクワトロ 20V(英国仕様)
登録:1989年式 走行:29万4500km 価格:5万6950ポンド(約1110万円)
速く走れ実用性に優れるため、Urクワトロは全般的に走行距離が伸びがち。この1台も例外ではない。英国仕様の右ハンドル車で、5オーナーの過去を持つが、状態は非常に良いようだ。
ハーフレザーのシートは破れがなく、長い走行距離を感じさせない。エンジンルーム内は少しやれているが、ロナール・アルミホイールは美しい。マフラーは社外品。整備済みで、1年間の保証が付くという。
アウディUrクワトロ 10V(欧州仕様)
登録:1980年式 走行:17万6900km 価格:12万3500ポンド(約2408万円)
オランダ人が最初のオーナーだった、前期のUrクワトロ。400台作られた、ケーブルデフ・ロックが装備された仕様になる。2010年にボディを地金まで戻したレストアを受けており、作業記録が膨大に残っている。
シルバーの塗装は、今でもツヤツヤ。インテリアはツートーンのクロス。ボンネットを開くと、シミ1つないエンジンが顕になる。かなりお高いが、状態は間違いないだろう。
この続きは、アウディUrクワトロ UK版中古車ガイド(2)にて。
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