それは10年ほど前のこと。「スタイルも走りも気に入った!」のに買わなかったごくごく普通の国産コンパクトカーがありました。スーパーカーでも希少車でもないけれど、ささやかな残念無念にリベンジすべく中古車を購入、改めて愛車として付き合ってみたらこれがなかなか・・・「ちょいふる」なクルマと過ごす「ジョイフル」な物語、「はじめます」の「第0章」みたいなお話です。
欧州の最新鋭を抑えて日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得
正確な日付は定かではなく。おそらくは2014年の夏の気配が近づき始めた頃ではないかと。マツダ新世代コンパクトのプロトタイプ試乗会に参加しました。会場は確か、伊豆のサイクルスポーツセンター・・・間違ってたらごめんなさいですが、ともかく非常に印象深いクルマの1台となったのは、「マツダ デミオ(DJ系)」です。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
稀代の小排気量クリーンディーゼルを搭載
SKYACTIV-D 1.5は、少しばかりガラガラ音は聴こえてくるものの耳障りではない。というと不思議かもしれないけれど、基本的には雑味の成分が少なめで、回転が上がっても苦し気なところがまったくない。燃焼系の理想を追求するこだわりとともに、アイドリングストップ技術「i-stop」(アイ・ストップ)、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」(アイ・イーループ)とのコンビネーションも見事。モータースポーツシーンで採用されているバイオディーゼル燃料に対応してくれると、さらに面白いのだけれど・・・。最高出力105ps、最大トルク250Nmと、必要十二分な速さを実感させてくれる。
発表・発売開始は同年7月17日。実際にはその1か月ほど前、まずは搭載される新世代1.5L ディーゼルターボエンジン(SKYACTIV-D1.5)が先行して発表されています。デミオ自体、技術面でのアピールが半端ではない「フルスカイアクティブテクノロジー搭載モデル第4弾」だったものの、ことさらこの小排気量ディーゼルの新規投入には、度肝を抜かれた記憶があります。
なにしろ乗用ディーゼルと言えば、2001年の規制以来、日本国内ではほぼオワコンと化していた技術。しかもRVとかオフ四駆でも商業バンでもなく、ファミリー向けのコンパクトモデルに搭載されたのですから。
しかもその4代目デミオがまた、シンプルにカッコ良かった。もともと軽自動車をはじめとする「小さなクルマ好き」にとって、小柄なのにチープ感が皆無な魂動デザインはある意味「理想の形」でした。
いろいろ感動したのは私だけではなかったようで、デミオはこの年、日本カー・オブ・ザ・イヤー」のイヤーカーに選ばれています。メルセデス・ベンツCクラスとかBMW i3など、知名度でも先進性でも認められていたライバルたちを抑えての受賞には、大きな価値があると言っていいでしょう。
ちなみに「DJ系」は2019年に「マツダ2」へと車名を変更、さまざまな改良を受けながら現代まで販売されています。つまりは、しっかり惚れ込んでいたわりにずーっと見過ごしてきたということになります。この10年、他のエコカーに浮気しておりました。
ともあれ、デミオは私の物欲メモリーの片隅に「いつかは乗ってみたい1台」としてしっかり「記録」された由。2015年モデルを今さらながらに愛車として所有してみることになったのも、なにかのご縁でしょうか。
ちょうど先日、2023年に大幅改良を受けたマツダ2 ディーゼルターボ車(MT)に試乗するチャンスもあったことですし、ほとんど10年分の進化も含めて「リアルオーナーインプレッション」をお届けいたしましょう。
燃料費高騰の今、初めてのディーゼルに挑戦するチャンス到来?
購入したのは2015年式デミオXDの2WD AT車です。ボディカラーはダイナミックブルーマイカ。初期型のみに設定されていた、鮮やかなブルーとディーゼル搭載車の証しである赤いグリルアクセントとの組み合わせ、なかなかにお気に入りです。
40年を超える運転歴で、初のディーゼル。同クラスのハイブリッドカーなどと比較検討しましたが、推しのポイントは「今さらだけどディーゼルに乗ってみたい」好奇心でした。家族(主に妻)的にはサイズ感と、燃料費の安さが最終的な決め手になりました。走行距離は約7万kmで、年式なりの走行距離ではあります。
久しぶりに乗り込んだデミオは、記憶よりもわかりやすくスポーティな印象でした。アクセルペダルの踏み込み具合までこだわって調えられたというドライビングポジションをはじめ、きわめて自然に身体になじむ感じ。人馬一体の極意、確かに生きてます。
インターフェイス系のデザイン性も、古臭さはまったくなし。現役なのですから当たり前ですが。もっとも、最新のマツダ2はフェイシア類の質感が格段に高まっています。乗り比べればはっきりわかってしまうところなので、そのあたりにこだわりがあるなら、新車もしくは年式の新しいマツダ2を検討しましょう。
ドライブフィールは、乗りやすさが推しのポイント。小排気量ながら低速から豊かなトルクのおかげで、むやみにアクセルを踏み込まなくてもしっかり交通の流れに乗ることができます。落ち着き感と機敏さがいい塩梅でバランスしているハンドリングも、安心感につながります。乗り心地は総じて、最新モデルと比べるとややラフな印象ですが、現代のレベルで考えてもクラス平均として十分なしっかり感の方が、好ましく思えます。
環境に優しいクルマであるために「クリーニング」を忘れずに
それよりもネガティブポイント筆頭は、やはりディーゼルのノイズでしょうか。経年ゆえでしょうが内装材と共鳴するポイントもあり、ガソリンエンジンとは少し違った質の「音」は、好みが分かれるところかもしれません。
人間中心のパッケージング
アクセルペダルのオルガンペダル化は大正解。自然に足を伸ばした位置にあるので、長時間のドライブでも疲れにくい。各操作系は正しい姿勢を優先に配置、快適かつフィット感に優れたシートと相まって、運転に集中できる環境が整えられている。
またこの世代のマツダ車に関して言えば、「マツコネ」にじゃっかんの不安感を覚える人もいるかもしれません。我が家ではナビゲーションアプリは家族の好みで利用せず、スマホ経由でGOOGLEさんに頼っています。有料のバージョンアップをすれば、いろいろとエンタメ系の進化も楽しめるようです。お試しあれ。
我が家のデミオ君の走行距離は着実に8万5000kmを越えましたが、今のところ不具合はなし。ただしこの世代のスカイアクティブディーゼルのお約束として、そろそろ「カーボンクリーニングサービス」は考えておいた方がよさそうです。作業内容にもよりますが、ディーラー系(関西マツダ)の作業工賃は6万7800円~でした。
それにしても乗りやすさといい平均値でリッター20kmを下回ることはない燃費といい、そもそもの軽油の安さといい、ディーゼルは一度なじむとなかなか離れられません。もしかしてこれもまた「沼る」の一種?感性的にも実用的にもかなり幸せになれること、請け合います。
さて、今回はかねてからお気に入りだったクルマのリベンジライフをご紹介しましたが、次回【「ちょいふるジョイフル」はじめます(3)】は自虐的に、かなり嫌いだったクルマへの懺悔ライフを告白させていただこうと思います。
[ アルバム : 「ちょいふるジョイフル」はじめます(2) はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
やっぱり煤詰まりが気になる年式です・・・
遠乗りしない人がコスパだけでディーゼルを選ぶと後悔する。浮いた燃料費など一気に消し飛ぶ。