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【正式発表は2月末】メルセデス・ベンツCクラス・プロトタイプ 助手席試乗 継承と洗練

掲載 更新 64
【正式発表は2月末】メルセデス・ベンツCクラス・プロトタイプ 助手席試乗 継承と洗練

見慣れた雰囲気ながら全長は65mmプラス

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)

【画像】発表間近 次期と現行Cクラスを比較 競合A4と3シリーズも 全83枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


現行の4代目となるメルセデス・ベンツCクラスは、これまで250万台以上を販売してきた。新しいW206型の開発で、支持されてきた特長から大きく外れるわけにはいかない。

今回試乗した5代目のプロトタイプには軽い偽装が施されていたが、それを示すように、現行型との共通性は見た目からも観察できる。正式発表は2月下旬へと迫っている。

キャビンがボディ後方に位置するプロポーションは、トラディショナルなFRレイアウトを強調するよう。ボディパネルやライト類のデザインは一新しているにも関わらず、スタイリングには見慣れた雰囲気が漂う。

新しいと感じる部分は、Cクラス共通で与えられるボンネット中央の膨らみ、パワードーム。フェンダーアーチは大きくなり、フロントトレッドは現行型より広げられている。

過去3世代に渡ってCクラスに関わってきた、開発部門トップのクリスチャン・フリューが今回のドライバーを務めてくれた。筆者は助手席で大人しくしていることにする。

全長は、4ドアサルーンで4代目より65mm長くなっているという。10mmがフロント・オーバーハング、30mmがホイールベース、25mmがリアのオーバーハングに宛てられているとのこと。これにより、Aクラス・サルーンとの見た目の差別化を強めている。

Sクラスと同じプラットフォーム

インテリアに目を向けると、ダッシュボードのデザインは新しいSクラスの影響を受けたように見える。メーターパネルには大きなモニターが充てがわれ、センターのタッチモニターも大型化。エアコンの送風口は、設定によって青や赤にほんのり光る。

拡張現実ディスプレイなど、新しい機能は最新のMBUXシステムによって制御。無線でのソフトウエア・アップデートにも対応する。

一部が隠されているものの、すべてが現代的で質感も極めて高いと感じた。肌触りの柔らかい素材が要所要所に用いられ、あまり目が届かないような場所でも、安っぽいプラスティックは採用されていない。

実際に押せるスイッチ類は、一見したところダッシュボードには見当たらない。唯一、ハザードランプだけのようだ。

車内空間は広々している。「パッケージングも改善されています」。とフリューが説明する。リアシート側の足元空間は25mm長くなり、頭上空間は13mm増えているという。

新しいCクラスがベースとするのは、モジュラー・リア・アーキテクチャ。驚くことに、大きなSクラスと同じプラットフォームとなる。しかし、Sクラスではアルミニウムが多用されるが、Cクラスでは高張力鋼板が多く用いられている。

エンジンには、まったく新しい電圧48Vの電動システムが搭載される。選択肢は、マイルド・ハイブリッドの直列4気筒ユニットに絞られる。新しい直列6気筒ユニットは長さがあり、今以上に大きなエンジンルームが必要になるためだ。

PHEVのバッテリー容量は倍増

C300eと呼ばれるガソリン・プラグイン・ハイブリッド(PHEV)と、C300deのディーゼルPHEVでは、バッテリー容量が従来からほぼ倍増。13.5kWhから25.4kWhへと大きくなる点がトピックとなる。

フリューによれば、PHEVのEVモードでの航続距離は99kmを達成するという。こまめな充電をしていれば、ガソリンスタンドに行く機会は大幅に減るだろう。

今回試乗したC300 4マティックが搭載するのは、258psの2.0Lガソリンターボで、20psのパワーを持つスターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされている。フルスロットルで約30秒間、27psを上乗せするオーバーブースト機能も備わる。

トランスミッションは9速AT。4マティックだから、四輪駆動が標準になる。

新しいCクラスのなかで、C300は一番パワフルというわけではないものの、ISGのアシストで威勢のいい加速が引き出せる。低いギアで中回転域から引っ張ると、特徴的な4気筒ユニットの鼓動も響いてくる。

低回転域ではエンジンは非常に落ち着いたマナーを示し、上級サルーンとしての訴求力を感じる。ボディ剛性も高めてあり、ステアリングフィールや操縦性も従来のCクラスから向上させたと、フリューは話す。

試乗車にはオプションの後輪操舵システムは備わっていなかった。それでもドライブモード次第でレスポンスが変化し、スポーティーさは明らかに高められているようだ。ターンインは鋭く、グリップ力にも不足はない。

さらに上質さを引き上げるという課題

姿勢制御も優秀で、操縦性には引き込まれるような流暢さがある様子。ボディロールは漸進的に発生し、コーナー途中に乱れた路面があっても、フロントタイヤは安定を崩さないようだった。

Cクラスの上質さを引き上げるという課題は、フリューたちが重要視していた部分。高負荷時でもエンジンからの音振は少なく、Cd値0.24という良好な空気抵抗のおかげで、風切り音などの発生も著しく少ない。

新しいC300での高速クルージングは、心地よい落ち着きに包まれる。英国での予想価格は4万ポンド(576万円)程度だというが、それより2倍くらいするモデルに迫る洗練度だと感じた。

試乗車はサイドウォールが硬めのスタッドレスタイヤを履いていたが、乗り心地は驚くほどしなやかで穏やか。走行時の質感を引き立てている。

サスペンション構成は、フロントがダブルウイッシュボーン式、リアがマルチリンク式で先代と同じ。ハイブリッド・モデルには、エアサスペンションも指定できるようになる。

Cクラスの上質な走行フィールは、通常より10mm車高の下がるAMGラインでも極めて印象的なものだった。鋭い上下方向の入力がタイヤへ加わっても、車内へ不快な衝撃として届く場面はなかった。

助手席に限られたものの、メルセデス・ベンツは新しいCクラスに望まれる内容を与えることに成功した様子。訴求力に勝るモデルに仕上がる可能性は高いといえるだろう。

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みんなのコメント

64件
  • 現行でもライバル勢とは比較にならないほどの競争力を保有しているが更に進化するとか、もうメルセデス最強すぎる。BMWアウディは大幅値引きで対抗するしかなく、あまりに可哀想。
  • 一時期はダウンサイジングを打ち出したアウディがトップの座に近づきましたが、やはりメルセデス、一新して車種を問わずさすがの仕上がりと感じます。
    色々ドイツ車を乗り継いできましたが、いまはメルセデス以外選択肢ないかなぁと個人的に感じています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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