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クラウンエステート復活記念!ボディバリエーションで振り返るクラウンヒストリー

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クラウンエステート復活記念!ボディバリエーションで振り返るクラウンヒストリー

車の歴史 [2024.02.22 UP]


クラウンエステート復活記念!ボディバリエーションで振り返るクラウンヒストリー
 2022年に発表された新型クラウンファミリーのトリを飾るのは、年内発売予定のクラウンエステート。生まれ変わった新世代クラウンは、これまでクロスオーバー、スポーツ、セダンが展開されてきた。最後に登場するエステートは、クロスオーバー風のスタイリッシュなワゴン。未来感のあるフロントデザイン、SUVのような力強いフォルムは既存のワゴンとは一線を画すもの。クラウンといえばセダンのイメージが強いが、エステートが発売すれば4つのボディバリエーションで盤石の布陣を展開することになる。

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 そこで今回は、歴代クラウンの4ドアセダン以外のモデルに注目してみたい。過去にはエステートはもちろん、2ドアモデルも展開されていた。クラウンの歴史を振り返りつつ、非セダンモデルにスポットライトを当ててみよう。


初代クラウンがベースのバンがあった!?

初代クラウン(セダン)
 初代クラウン(トヨペット クラウン)が発売されたのは1955年。今から69年前のことである。当時の日本車は、海外メーカーのライセンス生産を行うことも珍しくなかったが、クラウンは日本で設計された純粋な国産車。ボディサイズは全長4.3m、全幅1.7mと現在のコンパクトカー並みだが、当時の最新技術が注がれた高級車だった。主力となるのは4ドアセダンだが、なんとバン(トヨペット マスターライン クラウンバン)やピックアップ(トヨペット マスターライン ピックアップ)などの派生車が存在した。最新型クラウンでは多様なボディを持つことに驚いた人も多いが、初代クラウンも同様に多様なバリエーションが存在していたのだ。


フラットデッキスタイルの2代目(S40系)

2代目クラウン セダン
 1962年にフルモデルチェンジを受けて2代目クラウンが登場した。親しみやすい丸目フェイスの初代から一転し、2代目は落ち着きのあるフロントマスクに変更された。また、当時のアメリカ車で流行していたフラットデッキスタイルを導入し、歴代クラウンのなかでも特にスタイリッシュなデザインが採用されている。そんな2代目クラウンにもバンやピックアップが設定されている。


2ドアハードトップが加わった3代目(S50系)~4代目(S60系)

3代目クラウン セダン
 1967年に登場した3代目クラウンは、アメ車を意識したデザインから一転し、上質さにフォーカスを当てた和風テイストでまとめられた。ペリメーターフレームを導入したことでフロア高が低くなり、室内空間が広くなったのがこの世代の注目点。ボディタプは4ドアセダン、ステーションワゴン/バン、ピックアップに加え、2ドアハードトップが加わったこともトピックである。これまでニーズの中心が社用車や公用車だったのが、多彩なボディバリエーション展開により、一般ユーザーへ訴求したこともトピックだろう。


4代目クラウン 2ドアハードトップ
 続く4代目クラウンは1971年に登場した。この世代より、正式車名は「トヨペット クラウン」から「トヨタ クラウン」へと変更。保守的なデザインの先代から一転し、ボディ同色バンパーやスピンドルシェイプと呼ばれるアバンギャルドなスタイルになった。このデザインから「クジラ クラウン」という愛称で呼ばれることも多い。ボディバリエーションは従来と同じだが、2ドアハードトップはスポーツカーのような鮮烈なスタイルが光っている。


4ドアハードトップも設定された5代目(S80-100系)~6代目(S110系)

5代目クラウン 4ドア ハードトップ
 1974年にフルモデルチェンジを受けたクラウンは5代目となった。4代目のアバンギャルドなデザインは不評だったため、再びフォーマルなデザインへと回帰。どっしりした箱型のデザインは、歴代クラウンのなかでも「クラウンらしさ」に溢れている。ボディタイプに4ドアハードトップを追加することで合計5バリエーションでの展開となった。


6代目クラウン ワゴン
 1979年には6代目が登場。四角いヘッドライトや直線基調のボディフォルムは、先代からの正当進化といえるもの。運転席パワーシート、クルーズコンピューター、電子チューナー搭載オーディオなど、快適装備が充実されたことも特筆すべき点だろう。トヨタ初のターボエンジンを採用したのも6代目クラウンのトピックだ。


2ドアが廃止されフォーマル路線を強調した7代目(S120系)~8代目(S130系)

7代目クラウン ワゴン
 1983年には7代目クラウンが登場。この世代から2ドアハードトップが廃止され、4ドアセダン、4ドアハードトップ、ステーションワゴン、ライトバンの4バリエーションで展開されることになった。直線基調のデザインは先代と同じだが、Cピラーまわりに樹脂処理を施した「クリスタルピラー」を採用したのが特徴。「いつかはクラウン」というキャッチコピーを採用し、これまで以上にパーソナルなキャラクターを押し出している。


8代目クラウン ワゴン
 1987年にはフルモデルチェンジを受けて8代目へ進化。ボディバリエーションは従来型と同じく4バリエーションでの展開となったが、4ドアハードトップ車には3ナンバー専用のワイドボディ仕様がラインアップされている。外観は、クリスタルピラーが廃止されてスッキリしたデザインに改められた。バブル全盛期に登場したこともあり、電子制御エアサスペンションや日本初のトラクションコントロールなど、ハイテク装備が多数盛り込まれた。


ボディタイプが整理された9代目(S140系)~10代目(S150系)

8代目クラウン ワゴン(1995年のマイナーチェンジモデル)
 90年代に入ると、ボディタイプは大幅に整理された。1991年に登場した9代目クラウンは4ドアハードトップのみに集約。セダン、ステーションワゴンとバンは従来型がマイナーチェンジを受けて生産が続けられ、セダンは1995年、ステーションワゴン/バンは1999年まで旧世代モデルの生産が続けられた。また、この世代よりV8エンジンを搭載した新たな派生車「クラウンマジェスタ」が登場。ハイエンド志向のユーザーをも取り込み、高級車としてブランドイメージの強化が図られた。9代目のエクステリアは全車3ナンバー車となり、デザインも当時の流行である丸みを帯びたフォルムに一新された。


10代目クラウン セダン
 1995年には10代目クラウンが登場。先代のクラウンマジェスタで導入されたモノコックボディが全車に採用され、大幅な軽量化を実現。また、4ドアセダンも復活を果たした。衝突安全ボディ、車両安定制御システム(VSC)、前席エアバッグ、サイドエアバッグなどを装備し、安全性も飛躍的に高められた。なお、4ドアセダンは1999年に11代目が登場した後も法人需要に応えるために継続販売された。


ステーションワゴンが復活した11代目(S170系)

11代目クラウン エステート
 21世紀へ向けた新時代のクラウンを目指して開発された11代目クラウンが登場したのは1999年のこと。5代目から続いたハードトップボディが廃止され、衝突安全性に優れた4ドアセダンに置き換えられた。さらに8代目で廃止されたステーションワゴンが「クラウン エステート」として復活。セダン、エステートともにスポーティさを全面に押し出した「アスリート」シリーズも設定し、若年層にもアピールした。280馬力の2.5L 直6ターボ(1JZ-GTE)を搭載する「アスリートV」は、チューニングベース車として使われることもあった。なおクラウンエステートは12代目登場後も継続販売され、2007年までラインアップされている。


全てを一新した12代目の「ゼロクラウン(S180系)」

12代目クラウン
 従来型でモダンな高性能セダン像を見せてくれたクラウンだが、2003年に登場した12代目は全てをリセット。プラットフォーム、パワートレインなどを全てが新設計され、通称「ゼロクラウン」と呼ばれる次世代型にバトンタッチ。ボディタイプはセダンのみで、エステートは先代モデルが併売される形となった。パワートレインは直6エンジンが廃止され、新たにV6エンジンを搭載。走り、静粛性、質感、あらゆる方向性が大幅に改善された。この世代以降、15代目までセダンのみが設定されている。


ハイブリッドで新たな境地を開いた13代目(S200系)~14代目(S210系)

13代目クラウン ハイブリッド
 従来型でモダンな高性能セダン像を見せてくれたクラウンだが、2003年に登場した13代目は正当進化といったフルモデルチェンジとなった。この世代では、ガソリン車に加えてハイブリッドシステム「THSII」を搭載したクラウンハイブリッドを設定したことが話題となった。ボディタイプはセダンのみだが、内外装の仕立てでわずかに差別化されている。また「ドライバーモニター付きプリクラッシュセーフティシステム」を搭載するなど、安全性も強化された。


14代目クラウン
 そして2012年には14代目が登場。アスリート系とロイヤル系で大きく差別化された個性的なフロントグリルが特徴的。また、特別仕様車の「ピンク・クラウン」も話題を呼んだ。こちらにもハイブリッドが引き続き採用され、環境に配慮している。


ニュルで鍛えたシャシーが自慢の15代目(S220系)

15代目クラウン
 2018年から2022年まで生産された先代クラウン。TNGAを導入した新しいプラットフォームを採用し、ドイツの伝統的なサーキット「ニュルブルクリンク」を走り込んで鍛え上げたシャシーが自慢。ゼロクラウン以降は走りの性能も重要視されてきたが、14代目は欧州プレミアムセダンにも負けないほどハイレベルな走りを手に入れた。また、コネクティッド技術を導入したこともトピック。長らくスポーティなイメージを牽引してきたアスリート系グレードが廃止され、代わりに「RS」系グレードが設定された。ボディタイプはセダンのみ。


まとめ
 69年に及ぶクラウンの歴史をざっと振り返ってみた。ここ最近のクラウンを見るとクラウン=4ドアセダンのイメージが強いが、意外にも多彩なバリエーションが用意されていたことがわかる。それを考えると、現行型にあるクロスオーバーやスポーツ(SUV)も違和感なく受け入れられるはず。

 そして今年発売される可能性が高いクラウンエステートは、25年ぶりの復活ということもあり、期待している人も多いだろう。そしてエステートが発売されたら久しぶりに大所帯のクラウンファミリーが完成する。将来的には高性能モデルや特別な内外装のモデルも期待できそう。今後もクラウンシリーズには目が離せなさそうだ。

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みんなのコメント

6件
  • haz********
    もはや語りつくされたことではあるけどそもそもこの車がクラウンである必要があるのか
    日本国内の道路事情に配慮した程よいサイズ感を捨てLS並みか下手すりゃそれ以上の寸法
    デザインはともかく使い勝手の面で先代までのクラウンとは全く違うし無理してクラウンにしなくてもよかったんじゃないの
    クラウンは好きだけど正直これ新車で買うならもう少し出してLS買うし、クラウンというなら先代を中古で買う方がいい
    関係ないけどコンパクトクラスもコンパクトじゃなくなってきてるしなぜ最近の車はやたらと大型化するのかね
    デカくなって重くなって悪くなった燃費をモーターで誤魔化しいかにも高級高性能に見せかけるバカバカしい詐欺まがいの商法に顧客はいつになったら気付くのか
  • motorider
    先代のクラウンはCピラーにクラウンを象徴する“王冠マーク“が廃止。ついに現行はマークがシール? もしかしたらクラウンは今回で終わるかも。クラウンが終わっても誰も悲しまないし。昨日、株価がバブル期を超えたと報じていたが、その頃のクラウンが今思えばクラウンが一番売れたモデルだった。いつかはクラウンがいまからクラウンに。たまにツートンカラーの4ドアハードトップのロイヤルサルーンを見る度にあの頃のクルマには夢があったなと。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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