現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うこと

ここから本文です

初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うこと

掲載 更新 1
初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うこと

運営元:旧車王
著者 :松村 透

2日間で4万人以上が来場!第15回ノスタルジック2デイズ2024イベントレポート

去る2024年3月20日(水)、横浜赤レンガ倉庫で【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】が初めて開催された。

取材当日は快晴。ただ、天気予報では午後から通り雨があるとのことだった(事実、2度通り雨があった)。赤レンガ倉庫の敷地は多数の来場者が訪れるため、空いているうちに展示車輌を撮影しておきたいので早めに現地に向かった。

■このイベントの参加条件は30代前半までの若い世代の方限定!この【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】は、「若い世代の方による若い世代の方のためのもの」であり、中高年の人たち、つまり昭和世代には参加資格がない。主役はあくまでも平成世代のクルマ好きだ。

若い世代の方が中心となって開催されているクルマのイベントは他にもあるし、オフ会的な集まりであれば日本のどこかで毎日のように行われている。しかし、この種の集まりやイベントの多くは参加者が楽しむためのものであり、一般の来場者が来ることを想定していないことも多い。

クルマ関連のイベントの存在意義のひとつとして、SNSやLINEなどでやり取りしているクルマ仲間と直接会える機会の場としての側面も持っている。お互いの近況報告や情報交換の役割も担っているから、むしろクローズドなイベントの方が都合がいいケースも考えられる。

しかし、今回の会場は横浜赤レンガ倉庫。多くの一般の来場者の方も訪れるオープンなイベントだ。別の目的で横浜赤レンガ倉庫を訪れ、偶然、このイベントに遭遇した人もいるはずだ。観光スポットのド真ん中に展示されることになるので、ある意味では晴れ舞台ともいえるかもしれない。オーナーの皆さんも、手塩に掛けた愛車を、オープンな場所、しかも横浜赤レンガ倉庫に並べられることに魅力を感じていたはずだ。

■国産車・輸入車を問わず、100台ものクルマが横浜赤レンガ倉庫に集結SNSを通じて参加表明をしている人がいるとはいえ、現地に行ってみるまでは全容が分からない。分かっているのは、少なくとも国産車・輸入車を問わずノンジャンルである、ということだ。

正直、ノンジャンルだと薄味なイベントになってしまわないのかな…なんて思ったりもした。しかし、現地に着いて赤レンガ倉庫を見回してみると、そんなことはまったくの杞憂だった。参加しているクルマが「旧車やネオクラシックカー率高め」であり「絶妙な濃さ(しかも、ヘンタイ度高めなクルマ多し!)」なのだ。

イタフラ系はもちろんのこと、国産スポーツモデルも軽自動車もいる。ノンジャンルらしいバラエティに富んだクルマが並べられていて、見ていてとても楽しい。

今回、ウン千万単位の最新の高級車やスーパーカーは1台も展示されていなかった。誰がどう見ても「この日の主役はこれ」といった異様に目立つクルマがいないおかげで、どこかほのぼのしている印象を受けた。

■開催にこぎつけた主催者の方たちの熱意と行動力に対して敬意をこのイベントの主催者である後藤氏、本田氏、甲野氏にお話を伺ったところ、発案から開催までおよそ1年掛かったそうだ。「横浜赤レンガ倉庫でイベントをやりたい」と思ったとしても、管理元である行政(横浜市)の許可を得なければならない。

毎年11月に赤レンガ倉庫で「エキサイティングポルシェ」を開催している石田氏にインタビューしたとき、「企画書を作成し、運営会社に送付、審査のうえ承認されると仮予約となります。毎回、必ず審査があり、そのたびに承認してもらえるという保証はありません」と伺ったことがある。特に初回はこれまでの実績がないため、承認を得るのに苦労したという。

●初開催は2007年!主催者が語る「エキサイティングポルシェ(EXCITING PORSCHE)」を続ける理由とは?
https://www.gaisha-oh.com/soken/exciting-porsche-forever/参加者はイベントが終われば「今日はすごく楽しかったねー。また来年もやってね!」で済んでしまうが、主催者はそうはいかない。すぐさま会場を元どおり(原状復帰)させ、その後は管理元である行政(横浜市)に対してこの日のイベントに関する報告をしなければならない。

その他にも、イベントの告知や参加者からのエントリーフィーの確認や集計(入金催促)、急なキャンセルへの対応、イベント当日の誘導や取材対応、トラブル対応…などなど。やることは山のようにある。

筆者も、多少なりともその大変さを知っていたので、見事にイベントの開催にこぎつけたお三方には頭が下がる思いだ。今回、イベント会場で忙しい合間のぬってこのあたりの苦労話?を伺うことができたので、記事にまとめてお伝えする予定だ。

■まとめ:YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~を取材して思うこと「若者のクルマ離れ」が叫ばれるようになって久しい。あくまでも筆者の感覚値ではあるが、少なくともここ10年以上はいわれ続けていることは確かだ。

…ということは、当時の若者も気づけば中年の仲間入りとなり、かつて少年少女だった人たちが運転免許を取得して、自分の愛車を所有する時期に差し掛かっていることを意味する。つまり、世代交代しているのだ。

いまの20代の方を取材していると、幼少期に頭文字Dやグランツーリスモ、映画「ワイルド・スピード」シリーズなどを見たことがきっかけでクルマに興味を持ったり、親御さんがクルマ好きで英才教育を受けたという話をよく耳にする。これらが原体験となってクルマに興味を持つようになり、それがみるみるうちにエスカレート(笑)して、気づけば沼にハマっている、らしい。

昭和世代であれば、幼少期のスーパーカーブームを思い出してもらえれば、この感覚が容易に想像できるだろう。

当時、スーパーカーブームや、バブル期にカーライフを謳歌した世代が親となり、自分の子どもたちに英才教育を施し(笑)、見事に開花した次の世代が大人になり・・・。ついに自分のクルマが持てる時代になったのだ(いまの30代半ばから40代前半くらいの人たちには、そういった原体験や洗礼を受ける機会に恵まれなかったのかもしれない…と思うのは考えすぎだろうか)。

前置きが長くなったが、初開催となった「YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~」を取材してみて思うのは、外野の声なんてスルーして、(上目線で何だか申し訳ないけれど)いまのうちに思い切りクルマがある暮らし、つまりはカーライフを思う存分楽しんでもらいたいということだった。まさに今回のイベントもその思い出作りのひとつだろう。

自分では「俺(私)のクルマサイコー」と思っていても、それを誰かに認めてもらえる機会は意外と少ない。それは趣味の世界の宿命ともいえる。つまり「自己満足の世界」だ。

この種のイベントを自己の承認欲求を満たすためだという人がいる。たしかに、それは否定しない。と同時に、オーナーにとっては、これまでのカーライフが肯定されたことを実感、そして確認できる絶好の機会なのかもしれない。

ふと横浜赤レンガ倉庫を訪れた人から「このクルマ、カッコイイねー」とか「いいセンスしてますねー」といわれるだけでも、このイベントに参加する意義があるように思う。

横浜赤レンガ倉庫という、クルマのイベントとしてはある意味特別な場所に自分の愛車を展示できた。ただの展示ではなく「お披露目の場」なのかもしれない。この体験は生涯忘れられない思い出となるはずだ。

昭和世代がこれ以上、あれこれ口を出すのは野暮というものだろう。サングラスにノースリーブの赤い軍服がトレードマークの某氏の名言?ではないが「新しい時代を作るのは老人ではない」のだ。

年齢制限がある以上、主催者のお三方も、このままこのイベントが恒例行事となったとしても、いつか卒業しなければならないときが訪れる。しかし、それはいまではない。まだ時間はある。

その時代、その時代ごとに姿を変えつつも「YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~」がこれからも続いていくことを切に願うばかりだ。

*イベントの参加車輌は別記事にて公開いたします。

[ライター・撮影/松村透]

こんな記事も読まれています

レッドブルF1重鎮、フェルスタッペンとノリスのトップ2激突は「完全に不必要」チーム自ら招いたピンチとも示唆
レッドブルF1重鎮、フェルスタッペンとノリスのトップ2激突は「完全に不必要」チーム自ら招いたピンチとも示唆
motorsport.com 日本版
2択アンケート「近距離の足として使うなら、原付? 電動アシスト自転車?」【クルマら部 車論調査】
2択アンケート「近距離の足として使うなら、原付? 電動アシスト自転車?」【クルマら部 車論調査】
レスポンス
改良型CX-60の魅力まとめ
改良型CX-60の魅力まとめ
グーネット
国内最高峰 トヨタ「センチュリー」の新車価格は2000万円超え! 買うために必要な年収とは? 厳しいといわれる“購入の条件”とは
国内最高峰 トヨタ「センチュリー」の新車価格は2000万円超え! 買うために必要な年収とは? 厳しいといわれる“購入の条件”とは
VAGUE
”まもなく登場!?”の新型「ロードスター」! 2リッター”直4”+精悍エアロ採用! 待望の「RS C」はどんなクルマなのか
”まもなく登場!?”の新型「ロードスター」! 2リッター”直4”+精悍エアロ採用! 待望の「RS C」はどんなクルマなのか
くるまのニュース
Luupが「電動シートボード」提供開始へ…座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車
Luupが「電動シートボード」提供開始へ…座席・カゴ付きの特定小型原動機付自転車
レスポンス
2024年5月の自動車輸出、欧州向け36%減 米国向けは10%増 自工会発表
2024年5月の自動車輸出、欧州向け36%減 米国向けは10%増 自工会発表
日刊自動車新聞
角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
角田裕毅、F1オーストリアGPは14位。リカルドと分けた戦略がうまくいかず……「でも、チームとして理解が深まった」
motorsport.com 日本版
新型BMW「M5」の全て!パワフルなルックスと700馬力を超えるパワーで2.4トン超の車重でもセンセーショナルな新型M5!
新型BMW「M5」の全て!パワフルなルックスと700馬力を超えるパワーで2.4トン超の車重でもセンセーショナルな新型M5!
AutoBild Japan
スズキ「斬新“タフ仕様”軽トラ」実車公開! 超カッコイイ「精悍“黒”顔」&「専用カスタム」! 新「スーパーキャリイ」アウトドアショーに出展
スズキ「斬新“タフ仕様”軽トラ」実車公開! 超カッコイイ「精悍“黒”顔」&「専用カスタム」! 新「スーパーキャリイ」アウトドアショーに出展
くるまのニュース
旭川空港でタクシーアプリ『GO』が利用可能に…北海道の空港で初の試み
旭川空港でタクシーアプリ『GO』が利用可能に…北海道の空港で初の試み
レスポンス
レクサス・NX「アウトドア×プレミアム」
レクサス・NX「アウトドア×プレミアム」
グーネット
「ライダーの所有欲をかき立てる」ハデ色が充実! 英国最大のバイクブランド発「カラフル&シック」な2025年モデルの魅力とは
「ライダーの所有欲をかき立てる」ハデ色が充実! 英国最大のバイクブランド発「カラフル&シック」な2025年モデルの魅力とは
VAGUE
京葉道路の“地獄渋滞区間”「貝塚トンネル」いつになったら改善!? 新トンネル建設で「車線増加」千葉県が国へ要望継続!「慢性的な渋滞です」
京葉道路の“地獄渋滞区間”「貝塚トンネル」いつになったら改善!? 新トンネル建設で「車線増加」千葉県が国へ要望継続!「慢性的な渋滞です」
くるまのニュース
「訳あり」の軽トラ「サンバー」をまずは「バイクを積載できる」仕様に トランポもリフレッシュしよう!! Vol.2
「訳あり」の軽トラ「サンバー」をまずは「バイクを積載できる」仕様に トランポもリフレッシュしよう!! Vol.2
バイクのニュース
ランクル300/250/70オフロード一気試乗
ランクル300/250/70オフロード一気試乗
グーネット
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マクラーレン アルトゥーラ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
【最新モデル試乗】今や貴重品、メルセデス・ベンツCLE200クーペが演出する優雅で特別な「特別な時間」
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

1件
  • tom********
    年齢は私より若いんだけど見た目が私より歳いって見える方が多いですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村