トヨタの代表的なセダン「カムリ」が2023年12月をもって国内販売終了となるという。40年以上にもわたって販売され続けてきたセダンの名門カムリの国内販売終了については、残念と思うのと同時に、「とうとうその時がきたか…」と感じた人も多かったのではないだろうか。
ただカムリは、国内での販売が終了となるだけであって、海外では販売が継続される。カムリは、北米や中国ではとても人気があり、トヨタ広報によると、2022年は日本含むグローバルで約60万台も売れているという。ただ、自販連のデータによると、2022年の日本国内でのカムリの登録台数は5750台と、国内販売はグローバル販売のわずか1%ほどしかない。
さらば名門カムリ!! 世界中で売れているのになぜ日本ではダメなの…現行カムリの利点とセダン文化の終焉
これでは国内販売が終了となるのも仕方のないところ。海外では売れているのに日本では売れないのは、カムリ自体はいいモデルであるのに、日本では「セダン」というだけで売れないからであろう。現行カムリのいいところを振り返りながら、国内セダンの現状と今後についても考察しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:TOYOTA
歴代どのカムリよりも上品でスタイリッシュ、まさに「セダンらしいセダン」
カムリの歴史は、1980年に「セリカ カムリ」として登場したところから始まる。セリカの4ドアセダン版として登場し、若々しいスタイリングや4輪独立サスペンションの採用によって「スポーティセダン」の個性がしっかり反映されていたモデルだ。
モデルチェンジのたびにボディサイズの拡大や高級化が実施され、一時は5ナンバーサイズ維持のために日本専用モデルが設定されるなど紆余曲折を経ながら、2017年に10代目となる現行モデルが登場。すっかりグローバルモデルとして成長した現行モデルは、TNGAプラットフォーム採用による低重心なスタイリングによって、エモーショナルでスポーティなフォルムが生み出され、歴代のどのカムリよりもスタイリッシュ。スリムなアッパーグリルと立体的で大胆な造形のロアグリルを対比させていることで、ワイドなスタンスが強調され、上質感とともに存在感も演出。FF最上級セダンとしての貫録がたっぷりだ。
インテリアは、部品の小型化やレイアウトの見直しでインパネの厚みを抑え、スポーティで広がりのある空間を実現。ナビゲーションとヒーターコントロールパネルが一体となったセンタークラスターパネルには、フラッシュサーフェスデザインを採用し、斬新かつ先進性の感じられる仕上がりだ。継ぎ目のない金属調加飾、宝石のタイガーアイをイメージしたパネルなど、細部に見せるこだわりも上品だ。
1980年登場の初代カムリ(セリカ カムリ)。ボディサイズは4650×1690×1370(全長×全幅×全高[mm])。4輪独立サスペンションで後輪駆動のスポーティセダンだった
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カムリの魅力は、セダンだからこそ味わえるもの
セダンの魅力、それはやはり「走行性能」だ。セダンはフロントのエンジンセクション、キャビン(乗員)セクション、ラゲッジ(荷室)セクションと、ボディが3つに仕切られていることから、その間に隔壁や骨格を設置できるため、ボディ剛性を高めやすい。また、セダンはSUVやミニバンに比べて全高が低いために重心が低い傾向となる。この「低重心」と「高剛性」は、加速、減速、コーナリング、高速走行といったあらゆるシーンで、安心感の高い走行を可能にしてくれる。さらには、トランクの下部に後輪タイヤが収まることから、隔壁で遮断されたキャビンスペースにはノイズが入りにくく、静粛性も高くなる。
カムリも、低重心なTNGAプラットフォームによって、横揺れの少ない乗り心地と安定した高速走行をもち、ここに、新開発のマクファーソンストラットサスペンション(前)や、ダブルウィッシュボーンサスペンション(後)、またTNGAの新型「ダイナミックフォースエンジン2.5」とハイブリッドシステムTHS-IIを組み合わせることなどで、魅力的なスタイリング、スポーティなハンドリング性能、上級モデルにふさわしい乗り心地、加速性能、静粛性を実現している。これらはセダンだからこそ味わえるものであり、これが乗用車の基本なのだと感じさせずにはいられない。
4910×1840×1445(全長×全幅×全高[mm])、ホイールベース2825mmとりっぱなサイズ。TNGAプラットフォームならではの低重心設計、セダンならではの高剛性、完成度の高いTHS-IIシステムにより、カムリ史上最高の走りをみせてくれる
パッケージ効率がよくないことに加え、利点を発揮できない日本では衰退も仕方ない
ただ、日本では狭い道路や駐車場といった道路事情から、小さなボディでありながら、多人数乗車できたり荷物をたくさん積み込めるという高効率パッケージが好まれる。また、都市部では渋滞が多いため、セダンのメリットは地方都市でなければあまり発揮できない。経済的なコンパクトカーや軽自動車のほうが好まれるのも当然だ。
セダンといえば、日産でも、フラグシップの「シーマ」と、セドリック/グロリアの系譜である「フーガ」が2023年夏、生産終了となっている。国内セダンの現状は、日産の「スカイライン」やマツダの「マツダ3」や「マツダ6」、トヨタでも「MIRAI」や「カローラ」、ホンダ「シビック」など、残されているモデルもいくつかあるが、(社用車としての需要があるカローラを除いては)どれも売れているとは言い難い。
レクサスの「LS」や「ES」はまだましのように思えるが、レクサスだって売れているのは「RX」や「NX」などのSUVたちだし、2023年10月には、日本未導入だったレクサスのミニバン「LM」がとうとう日本にも上陸するということなどを考えれば、これらだってどうなるかはわからない。
カムリの国内終了の一報は、いよいよ日本でのセダン終焉が近づいていると感じさせるものだった。北米や中国でも、日本のように「セダン離れ」が進んでいるようだが、それでも売れているということは、カムリの良さ、デザイン性、ステータス性が評価されているのだろう。日本のラインアップから、また一台名車が消えてしまうのは非常に残念ではあるが、今後も世界で活躍してくれることを期待したい。
レクサスのフラッグシップセダン、LS。高級車なら、セダンのほうが走りや静粛性の面でアドバンテージがあるのだが…
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みんなのコメント
個人的な意見ですが、SUVの良さがわからない。
それとコンパクトカーをSUVルックにした車しか
売れない国だから